少女コレクション序説 の商品レビュー
四谷シモンの人形が表紙を飾る澁澤のエッセー集である。薄暗いところにあるエロティシズムを、澁澤がその知性で光を当てていく。 永遠に少女のままで生きる人(形)は、男の中で理想化され、穢れを知らぬ身に宿る心身は欲情を誘う。しかしながら、自らと相対する関係にありながら、男は少女と自己を同...
四谷シモンの人形が表紙を飾る澁澤のエッセー集である。薄暗いところにあるエロティシズムを、澁澤がその知性で光を当てていく。 永遠に少女のままで生きる人(形)は、男の中で理想化され、穢れを知らぬ身に宿る心身は欲情を誘う。しかしながら、自らと相対する関係にありながら、男は少女と自己を同一視するのだ。それは少女が性に関する意識と無意識を彷徨う領域に存在するからである。 ファンム・アンファンへの想いが人形としての理想を形成していく。
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少女解体新書。澁澤イズムが節々に見受けられるエロスの教養本です。欲を言えばもう少し「少女」についての記述があれば良かった。
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ベクトルは少女・エロス一直線。よこしまな気持ちで楽しく読めた。「ポルノグラフィーをめぐる断章」は興味深い。“椅子のサロメ”を苦なく見られるのもネット世代の特権。
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16:04読了。人形愛に関する言説は面白かったが、終盤はちょっと飽きた。澁澤龍彦の著作は続けて読むのではなく、気が向いたときに読むべき。
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章タイトルを書くと、 ・少女コレクション序説 ・人形愛の形而上学 ・アリスあるいはナルシストの心のレンズ ・犠牲と変身 ・東西春画考 ・セーラー服と四畳半 … とかなり興味深い内容が続きます。 特に人形愛のくだりはかなり読ませます。人形好きにはたまらない。(とは言っても、私は女...
章タイトルを書くと、 ・少女コレクション序説 ・人形愛の形而上学 ・アリスあるいはナルシストの心のレンズ ・犠牲と変身 ・東西春画考 ・セーラー服と四畳半 … とかなり興味深い内容が続きます。 特に人形愛のくだりはかなり読ませます。人形好きにはたまらない。(とは言っても、私は女なので人形を愛するっていうのはないけど) ただし、終わりになるにつれ「マンドラゴラ」などちょっと理解が難しい話が続くので、私は若干トーンダウンしました。 とはいえ、全体的にはけっこう面白かった。この人が書くほかのエロティシズム論も読んでみたい。
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渋澤節サクレツ。自分の関節を球にしたくなる一冊。お人形の陶器の肌とガラスの目になりたくなるけどもう手遅れ
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少女愛、ロリータから人形愛やらレズやらまで語っている本。 美しい少女に惹かれるのは万国同じだそうです。
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2009/8/9ジュンク堂で購入 2009/8/11読了 少女コレクション序説: p12最後の行、女の主体性を女の存在そのもののなかに封じこめ、 「眠れる森の美女」 「塔に閉じ込められた姫君」 水妖メルジーネ、ウンディーネ 処女神ディアナ、ダフネ、ジャンヌ・ダルク ...
2009/8/9ジュンク堂で購入 2009/8/11読了 少女コレクション序説: p12最後の行、女の主体性を女の存在そのもののなかに封じこめ、 「眠れる森の美女」 「塔に閉じ込められた姫君」 水妖メルジーネ、ウンディーネ 処女神ディアナ、ダフネ、ジャンヌ・ダルク ロリータ、ニンフェット エドガー・ポーの女、死美人 ピュグマリオン、人形愛 人形愛の形而上学: そもそも遊びや玩具の中で、その起源に、魔術的ないし宗教的な意味を見出すことができないようなものは、ほとんど一つもないのである。 「自動人形はおそらく、私たちの形而上学的不安から生まれた」 自動人形/ジャン・ブラストー それぞれ当代一流の大知識人が、いずれも、自動人形制作の夢に憑かれていたという事実である。錬金術から人間機械論に至る西欧思想の流れは、つねに人造人間の造成を、そのひそかな究極の夢としていたかのごとくである。 畏怖と憧憬の両極反応を呼び起こす人形愛の形而上学は、少なくとも産業革命以前の民衆の心には、偏在していたということができるのである。 現代では、玩具や人形は、完全に子供だけの占有物になってしまったらしい。 玩具や人形を楽しむすべを知らない現代人よりも、これらを最大限に楽しむことを知っていた中世やルネサンス時代の人間の方がはるかに幸福であったに違いない。 アリスあるいはナルシストの心のレンズ:読了 犠牲と変身:読了 東西春画考:読了 最初から野暮な理屈を言うようで恐縮であるが、たしかに日本の伝統には、絶対者としての神の観念もないし、また原罪の観念もないのである。 セーラー服と四畳半: インセント、わがユートピア: 幻想文学の異端性について: ? ポルノグラフィーをめぐる断章: 近親相姦、鏡の中の千年王国: 処女生殖について: ベルメールの人形哲学: ファンム・アンファンの楽園: 幼児体験について: コンプレックスについて: 宝石変身譚: エロスとフローラ: 鏡について: 匂いのアラベスク: 玩具考: マンドラゴラについて: シモンの人形: 【キーワード】 形而上学(現象を『超越』してその背後にある本質や根本的な世界、存在を純粋な思考(理性)、あるいは直観によって探求・研究する学問。)、
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少女について考える。インセストについて考える。福田訳「サロメ」のビアズレーの挿絵の中には、猥褻と見られて禁止になっていたものが何枚かあるとか。「解禁」になった新潮版を出してきてめくってみる。
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この人の書くものって、ちょっとアブナイ感じがするのがいい! ピグマリオンとか、 処女生殖についてとか、 ロリータについてとか、 そういう禁句的なことについて多くの知的考察がなされていて、興味深い。 ただこういうのは今の年齢だから楽しめるな。 これを中高時代に読んでいたら、正直刺激...
この人の書くものって、ちょっとアブナイ感じがするのがいい! ピグマリオンとか、 処女生殖についてとか、 ロリータについてとか、 そういう禁句的なことについて多くの知的考察がなされていて、興味深い。 ただこういうのは今の年齢だから楽しめるな。 これを中高時代に読んでいたら、正直刺激が強すぎる、 そんな書物。
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