少女コレクション序説 の商品レビュー
再読。しばらくぶりに澁澤の衒学趣味を堪能する。本書は、その大半がエロティシズムをめぐるエッセイからなるが、いつもながらの博覧強記ぶりには驚くばかり。澁澤を読む楽しみは、まさにここにこそあるのだろう。エロティシズムの本質が「産まない」ことにあるとすれば、たしかに人形への偏愛はその極...
再読。しばらくぶりに澁澤の衒学趣味を堪能する。本書は、その大半がエロティシズムをめぐるエッセイからなるが、いつもながらの博覧強記ぶりには驚くばかり。澁澤を読む楽しみは、まさにここにこそあるのだろう。エロティシズムの本質が「産まない」ことにあるとすれば、たしかに人形への偏愛はその極北の姿でもある。なお、表紙は四谷シモン製作の人形だが、本書に刺激されてベルメール等の関節人形をGoogle画像でしばし鑑賞することに。人形から発せられる静謐で不思議なエロティシズムに思わず魅き込まれそうになった。危ない、危ない。
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渋澤龍彦の徒然なる哲学書。少女への面白い愛についての考察です。4年前20才の時に読んだ本で、今も無性に読んでいますう。
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引用への知識が半々のころにはじめて読んでしまったのが残念。 でも、読むべき本と読みたい本ががたくさん見つかった。 お医者の先生はいやらしくならない体の触り方を練習するらしい。澁澤龍彦が語るエロスもそんな感じ。 旅先の古本屋で四谷シモンの人形に惹かれてこの本を買ったときはまだ、自分...
引用への知識が半々のころにはじめて読んでしまったのが残念。 でも、読むべき本と読みたい本ががたくさん見つかった。 お医者の先生はいやらしくならない体の触り方を練習するらしい。澁澤龍彦が語るエロスもそんな感じ。 旅先の古本屋で四谷シモンの人形に惹かれてこの本を買ったときはまだ、自分は少女だったのだ、と思った。いま、読んだほうがずっとおもしろい。
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デカルトコンプレックスについて 近代哲学の礎を築いた最重要人物デカルトが、死んだ娘を模した少女の人形に魅せられていたという逸話はあまり有名である。この話に嫌悪感を抱くものは多いだろう。しかし、誤解を恐れずに言えばそもそも少女という存在自体が幾分かはオブジェなのである。失った...
デカルトコンプレックスについて 近代哲学の礎を築いた最重要人物デカルトが、死んだ娘を模した少女の人形に魅せられていたという逸話はあまり有名である。この話に嫌悪感を抱くものは多いだろう。しかし、誤解を恐れずに言えばそもそも少女という存在自体が幾分かはオブジェなのである。失った人間がその空白を埋めるために想像世界で愛を獲得するためには、対象の幻影だけで事足りるということを知ることになるだろう。幻影とはすなわち人形である。 リラダンの『未来のイヴ』で人口美女アダリアーへの不可能の恋に悩むエワルド青年は、人形製作者であるエディソンから、訓戒を与えられる。 「貴君にとって、あの女の真の人格は、あの女の美しさの輝きが貴君の全存在中に真ざました《幻影》にほかなりません。この影だけを貴君は愛しておられる。・・・結局、あの女のうちに創造したりしておられるものは、貴君の精神が対象化された幻ですし、またあの女のうちに、複写された貴君の魂でしかないのです。そう、これが貴君の恋愛なのですな。」 すなわち、人形愛は究極の自己愛にほかならないのである。
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読みたい本が増え、おりにふれ何度も読み返したくなる。「人形愛の形而上学」「宝石変身譚」「エロスとフローラ」「匂いのアラベスク」「マンドラゴラ」が興味深かった。
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稀代の変態と言われる作者に興味を持って読んだのはいいが、難しすぎて全然分からなかった。変態も突き詰めると高尚な何か。
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ナボコフにしたってルイスキャロルにしたって、 男は何かしらの少女コンプレックスを、 持っているに違いないというのが、 ボクの仮説です。「GOTH」の世界的。
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なるほど序説というだけあって、表層的ではあるものの網羅性は高いと思う。インデックスがわりにしてさらに調べないと、ふーんで終わりそう。 後半、話が別なところに飛んじゃったのがいけてないかなあ。
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序説というだけあって、入門書という感じ。読みやすく、分かりやすい。コンプレックスの種類の多さは驚き。 少女だけではなく、エロスについての量が多かったような印象。
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タイトルのようなロリータコンプレックス的記述は三分の一ほどで、後はお得意のエロスに題材を取るエッセーで埋められている。 彼のエロス哲学は食傷気味だったので、正直退屈な面もあった。 彼自身「序説」と題していることからも、本論となる所はこの本には存在しないのだろう。 さも常識と言わ...
タイトルのようなロリータコンプレックス的記述は三分の一ほどで、後はお得意のエロスに題材を取るエッセーで埋められている。 彼のエロス哲学は食傷気味だったので、正直退屈な面もあった。 彼自身「序説」と題していることからも、本論となる所はこの本には存在しないのだろう。 さも常識と言わんばかりに「いうまでもなく」のような枕詞で始まる文が、私の知らない事だらけ…
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