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峠 改版(下) の商品レビュー

4.1

113件のお客様レビュー

  1. 5つ

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賊軍となった幕府側の…

賊軍となった幕府側の小藩に過ぎない長岡藩は必死な抵抗にもかかわらず、遂に官軍に降ることになる。こんな小藩に生まれた河井も不幸だったが、こんな英傑を持ったばかりに悲惨な激戦を演じることになった長岡藩も不幸だったのかも知れない。

文庫OFF

2024/05/21

以前読んだ戊辰戦争関連の書籍で強烈なインパクトを残した、河井継之助を主人公に据えた名作 彼の壮大な夢、長岡藩の武装中立に向けて藩屋敷を売り払ったり、為替で儲けたり、ガトリング砲を買ったりとまさに破天荒な男 誰よりも封建体制の崩壊を分かっていながらも、長岡藩士として必死に生きた河井...

以前読んだ戊辰戦争関連の書籍で強烈なインパクトを残した、河井継之助を主人公に据えた名作 彼の壮大な夢、長岡藩の武装中立に向けて藩屋敷を売り払ったり、為替で儲けたり、ガトリング砲を買ったりとまさに破天荒な男 誰よりも封建体制の崩壊を分かっていながらも、長岡藩士として必死に生きた河井がカッコいい またその影で、作中には出てこないが民に恨まれていたのもまた事実 河井継之助について、もっともっと知りたくなりました 幸い夏に長岡に行く予定があるので記念館に行こうかな

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2024/02/10

『最後のサムライ』という映画の副題がしっくりくる良い作品。ただ、主人公に目を向けると、結局は領民の命より武士としての生き様を重視した人物だという印象。おそらく司馬さんのフォローだろうが、個人的には彼に長岡藩が小さ過ぎたとは思えない。

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2023/10/01

 ――考えてもみよ。  と、継之助はおもう。いまこの大変動期にあたり、人間なる者がことごとく薩長の勝利者におもねり、打算に走り、あらそって新時代の側につき、旧恩をわすれ、男子の道をわすれ、言うべきことを言わなかったならば、後世はどうなるのであろう。 2021/1/16読了 維新...

 ――考えてもみよ。  と、継之助はおもう。いまこの大変動期にあたり、人間なる者がことごとく薩長の勝利者におもねり、打算に走り、あらそって新時代の側につき、旧恩をわすれ、男子の道をわすれ、言うべきことを言わなかったならば、後世はどうなるのであろう。 2021/1/16読了 維新の敗者側の、しかも小藩の執政で戊辰戦争の局所戦に散った河井継之助だが、しかし司馬遼太郎という屈指の歴史小説家に見出されたお陰で、百数十年の後世の我々が、その名を記憶に留める事が出来るのである。

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2023/09/20

この時代に米の差益を発見し、儲けたお金で軍備を整ええた天才。先見の眼やがありながら、境遇に恵まれず北越戦争で亡くなってしまった。 この時に亡くならず、日本のために活躍してくれていたなら…。と思わずにいられない。

Posted byブクログ

2023/02/20

精神的な美しさを体現した幕末の武士、河井継之助は公益のためにのみ自信を操り正義を貫く。新政府側と佐幕派が和解に漕ぎ着けていたら、歴史は少し変わったのかもしれない。

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2023/02/12

河井継之助、やはりおさえておかねばならないよね。 このひとに対する評価は分かれるのだろうけど、嫌いじゃないですよ。

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2023/02/10

河井継之助は評価が難しい人物であると思う。 彼の政治のスタンスとしては、本書の中で官軍にも東軍にも味方しないという風に書かれていた。 それが結果的に初動の遅れとなり長岡藩の敗因に繋がったことは否めない。 しかし河井はあくまで戦争はしないに越したことはないという理想を強く保持したこ...

河井継之助は評価が難しい人物であると思う。 彼の政治のスタンスとしては、本書の中で官軍にも東軍にも味方しないという風に書かれていた。 それが結果的に初動の遅れとなり長岡藩の敗因に繋がったことは否めない。 しかし河井はあくまで戦争はしないに越したことはないという理想を強く保持したこと、幕府や武士が今後は衰退する世の中で(外国との貿易を含めて)長岡を単独で活発化させることを望んでいたこと、などを構想していた。そのプロセスを上巻から読んで頭に入っていると河井のクライマックスが多少理解できるだろう。 せめて戊辰戦争が彼が生きているうちに起こらなければ全然別の展開になっただろう。確実に長岡の未来を変えていたと思う。彼は、長岡に収まる器ではなかったのだと思う。 あと些細は点では、長岡で官軍との戦争中に奥羽から軍が全く来なかったのが不思議に思った。奥羽越列藩同盟を結ぶ関係である割には軽薄ではないか。会津藩はどこよりも働き者だとも思う。

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2023/01/01

【2022年の読書振り返り】 自分の愉しみとして10作選びます。   ■実書籍■誰がために鐘は鳴る(ヘミングウェイ) ■実書籍■ドクトル・ジバゴ(パステルナーク)   この2作が頭一つ抜けて圧巻でした。パチパチ。   ■実書籍■ロバート・キャパ写真集   正直...

【2022年の読書振り返り】 自分の愉しみとして10作選びます。   ■実書籍■誰がために鐘は鳴る(ヘミングウェイ) ■実書籍■ドクトル・ジバゴ(パステルナーク)   この2作が頭一つ抜けて圧巻でした。パチパチ。   ■実書籍■ロバート・キャパ写真集   正直、「誰がために鐘は鳴る」「ちょっとピンぼけ ローバト・キャパ自伝」との3点セットの味わいなんですが、やっぱりこの人の写真は魅力が尽きないなと思いました。 これは岩波文庫が素敵な仕事をしていくれていると思いました。   ■実書籍■マノン・レスコー(プレヴォ) ■実書籍■郵便配達は二度ベルを鳴らす(ケイン)   今年は海外古典がマイブームだった気がします。光文社古典新訳文庫、素晴らしいですね。   ●電子書籍●街道をゆく・オホーツク街道(司馬遼太郎)   今更な司馬遼太郎さんなんですが…。面白いものは面白い。 数十年ぶり再読の「峠」、「播磨灘物語」、それから「人間の集団について」「街道をゆく・陸奥のみち」も併せて、脱帽ものでした。   ■実書籍■すみだ川(永井荷風)   やはり数十年ぶりの再読なんですが、今回は復刻シリーズで旧かなを堪能。 打ち震えるくらいの快楽でした。旧かなマニアなので…。   ■実書籍■「細雪」とその時代(小林信彦)   小林信彦さんの新作を愉しむというのが歳月を考えると感無量。 そして「細雪ファン」としてはこれまた鳥肌モノ。 関西が懐かしくなりました。   ●電子書籍●人生が変わる55のジャズ名盤入門(鈴木良雄)   失礼ながら大きな期待なく読んだんですが、鮮烈に愉しみました。 数年ぶりに「猛烈にジャズが聴きたいっ!」と思わせてくれました。 現役のジャズ巨匠、それも日本人の、という視点がこれほど興味深いとは。 名盤入門なんですけど、鈴木良雄さんの半自伝という楽しみですね。   ●電子書籍●ジャック・リーチャー・シリーズ(リー・チャイルド)   村上春樹さんが「このシリーズは好き」と言っていただけで読んでみたんですが、 いろいろ突っ込みどころも満載だけどとにかく楽しめてしまいました。 「奪還」「パーソナル」「宿敵」「ミッドナイトライン」「葬られた勲章」の5作。 敢えてひとつなら「パーソナル」がラストまで楽しめて印象的。   #   以上で10作になります。 上記で言及していない、次点みたいな心残りを挙げると   ・新宿鮫Ⅻ 黒石(大沢在昌) なんだかんだ、また全作再読してまった挙句の新作は痺れました。   ・世界の歴史23・ロシアの革命(上山春平) このシリーズは好きなんですが、特にこれは夢中になって読みました。 かなりエンタメでのめりこめました。   ・ヨギ・ガンジーの妖術(泡坂妻夫) とぼけた味わいとひねった仕掛け。脱力感溢れるキャラクター世界が秀逸。   あたりでしょうか。「失敗の本質」もこれまで何度も読み切れなかった(読み始めるタイミングが無かった)んですが、面白かったですね。   来年も、愉しみです。

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2022/10/07

 幕末の戊辰戦争で活躍した河合継之助を描いた歴史小説の最終章。いよいよ官軍に攻め込まれて、長岡藩でそれに立ち向かう。ギリギリまで長岡藩の中立を保つべく奔走をするが、どうしてそれがうまくいかず、勝てることはないだろうを分かっていながら大義のために降伏することはせずに北越戦争に突入し...

 幕末の戊辰戦争で活躍した河合継之助を描いた歴史小説の最終章。いよいよ官軍に攻め込まれて、長岡藩でそれに立ち向かう。ギリギリまで長岡藩の中立を保つべく奔走をするが、どうしてそれがうまくいかず、勝てることはないだろうを分かっていながら大義のために降伏することはせずに北越戦争に突入してゆく。 かっこいい生き様を貫いているようにも見えるが、どうしてもなかなかその立場を十分に理解することが難しいし、郷土では悪者として認識されることも多いというのもわかる気がする。でも魅力的な人物を描いたこの小説は面白かった。

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