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峠 改版(下) の商品レビュー

4.2

117件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2024/06/12

河井継之助の夢が実現していれば、と考える。 手向かう時勢にあって、これほど大きな、きわどい夢を描き実現すべく、動けるとは。 交渉の道が閉ざされた後の彼の行動は、涙を呼ぶ。 ○人間、煮つめてみれば立場だけが残るものらしい(旧399頁) 彼らの時代は、生まれが立場になる時...

河井継之助の夢が実現していれば、と考える。 手向かう時勢にあって、これほど大きな、きわどい夢を描き実現すべく、動けるとは。 交渉の道が閉ざされた後の彼の行動は、涙を呼ぶ。 ○人間、煮つめてみれば立場だけが残るものらしい(旧399頁) 彼らの時代は、生まれが立場になる時代。そうではない時代には何が残るのか。 話の中、継之助が感じる様々な人間のえらさの基準(病翁(旧280頁)、おすが(旧289頁))

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2009/10/04

言わずと知れた長岡藩家老・河井継之助のお話です。 もともとは河井さんの友人・大野右仲が出ているってんで読みはじめたんですが、内容が濃くて面白くて、面白くて、長岡藩を調べたくなっちゃいましたよ!! そして私、長岡にホントに行っちゃいましたvvv河井さんに本当に惚れてしまいました。 ...

言わずと知れた長岡藩家老・河井継之助のお話です。 もともとは河井さんの友人・大野右仲が出ているってんで読みはじめたんですが、内容が濃くて面白くて、面白くて、長岡藩を調べたくなっちゃいましたよ!! そして私、長岡にホントに行っちゃいましたvvv河井さんに本当に惚れてしまいました。 勤王でも佐幕でも無く、中立を理想とした河井の考えが、切なかったです。 ガトリング砲や近代兵器を買い求めて独立国の為に兵の強化を進めたり、産業をするべきであると藩の財政を立て直したり、そういう意味では現実を理解していたのに、戦の駆け引きでは、理想は無力でしたよね。 奥羽列藩同盟に長岡藩が最初っからいたら、仙台もあんな決定(恭順のこと)はしなかったんじゃないかなぁ。会津の戦いも変わっていたでしょうね。 なにはともあれ、長岡藩はキーマンだったと思います。 あ、最後になりますが、大野さんの台詞は格好良すぎて、男前でした!! 大野さん好きには堪らない、そんな大野さんが見られますよvvv そして、全編通して、河井さんの魅力に参りました。

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2009/10/04

“下巻”は、“執政”、更に“総督”ということになった継之助が、思惑通りに長岡の“武装中立”路線を貫き通すことが出来るかもしれないなどと思えた状況にも見えたものの、“小千谷談判”の結果として開戦せざるを得なくなり、激しい攻防の末に討死してしまうまでの顛末が描かれている。 ここまでの...

“下巻”は、“執政”、更に“総督”ということになった継之助が、思惑通りに長岡の“武装中立”路線を貫き通すことが出来るかもしれないなどと思えた状況にも見えたものの、“小千谷談判”の結果として開戦せざるを得なくなり、激しい攻防の末に討死してしまうまでの顛末が描かれている。 ここまでの“上巻”、“中巻”よりも淡々とした印象を与えるが、継之助の生命が尽きるまでが綴られる“クライマックス”だ!!

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2009/10/04

人はどう行動すれば美しいか、ということを考えるのが武士の倫理観であろう。人はどう行動しすれば公益のためになるかということを考えるのが江戸期の儒教である。この2つが、幕末人をつくりだしている。個人的物欲を肯定する戦国期や西洋には生まれなかった。侍は類無き美的人間だったから、今でも世...

人はどう行動すれば美しいか、ということを考えるのが武士の倫理観であろう。人はどう行動しすれば公益のためになるかということを考えるのが江戸期の儒教である。この2つが、幕末人をつくりだしている。個人的物欲を肯定する戦国期や西洋には生まれなかった。侍は類無き美的人間だったから、今でも世界語であり続けているのである。この「峠」は、そんな侍とは何かということについて考えられた作品である。 作品の前半で主人公の人物像が余裕を持って形成されてるので、後半に入り、歴史的事実が叙述の大きな割合を占めても、河合の個性は全編を見事に貫いている。史実を美的に受け止めた見事な芸術作品である。

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2009/10/04

幕末時代に生きた、長岡藩家老河井継之助の生涯。結構読むのに時間がかかったけど、生き様に脱帽!絶対に1回は読むべき作品です。

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2009/10/04

峠、下巻。私は東軍の気持ちもある程度は分かるのですが…はっきり言ってこれに出てくる将軍の狭量っぷりには閉口しました。なぜ継之助の嘆願を聞いてやらなかったのか。 幕末の戊辰戦争で一番凄惨だったのはこの北越戦争、っていうのは有名(私の中では)な話ですが、それを引き起こした無能な将が...

峠、下巻。私は東軍の気持ちもある程度は分かるのですが…はっきり言ってこれに出てくる将軍の狭量っぷりには閉口しました。なぜ継之助の嘆願を聞いてやらなかったのか。 幕末の戊辰戦争で一番凄惨だったのはこの北越戦争、っていうのは有名(私の中では)な話ですが、それを引き起こした無能な将が腹立たしいです。 自分の理想が叶えられなかったときに、すぐさま自分の生き様を「美」に求めた継之助の生き方は、犠牲を大量に出し、藩を潰した結果になったけれども美しかったと思います。

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2009/10/04

日本という国がこの上なく愛おしくなる。なぜこんなにも世界に誇れる’精神文化を持ちながら、もしかしたら『世界でいちばん天国に近い島国』だったのに、富国強兵・殖産興業などと南蛮人のまねをして、その精神性を滅ぼしてしまったのか口惜しくてならなくなること請け合いだ(私は決して天草四郎の甦...

日本という国がこの上なく愛おしくなる。なぜこんなにも世界に誇れる’精神文化を持ちながら、もしかしたら『世界でいちばん天国に近い島国』だったのに、富国強兵・殖産興業などと南蛮人のまねをして、その精神性を滅ぼしてしまったのか口惜しくてならなくなること請け合いだ(私は決して天草四郎の甦りではナイ)……。

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