夢で会いましょう の商品レビュー
あいうえお順でいけば、糸井が先にくるはずなのに、 村上春樹が先に印字されているのはやはり、 ネームバリューが持つ力ゆえか。 そのわりには、互いに互いを尊敬し合っているような感じで、 二人とっては、そういうつまらない力関係のようなものなど、 どうでもいいのだろうなと感じた。 内容...
あいうえお順でいけば、糸井が先にくるはずなのに、 村上春樹が先に印字されているのはやはり、 ネームバリューが持つ力ゆえか。 そのわりには、互いに互いを尊敬し合っているような感じで、 二人とっては、そういうつまらない力関係のようなものなど、 どうでもいいのだろうなと感じた。 内容自体は、 ショートショートというのが一番妥当かもしれないが、 創作+エッセィ+対談が混ざっているといった具合で、 村上春樹自身も前書きにおいて、「分類不能な不思議な本」 とかいている、そして、「かなり面白い本」とも。 純粋に二人の文章を読み比べ、 これはどちら?といった具合で、推測しながら読むのも面白いし、 書かれている文章自体も、シニカルで軽虐に富んでいて愉しめる。 二人に共通しているのは、 互いにシニカルでウィットに富んでいるところだろう。 しかし、村上春樹のほうが上品であるし、糸井重里のほうが散文的かつ、下卑ている。しかし、これはどちらがいいというのではなくて性質なのだろう。 例えば、 村上春樹の文章のほうは上品な静かな笑いを引き出すかもしれないが、 大笑いをもたらせるのは糸井重里のほうであり、やはりタイプなのだ。 (といっても、本著で大笑いはないけれど) ちなみに、シモネタのようなもの自体は村上春樹も用いてはいる。 けれど、やはり上品なのである意味で卑怯だとも感じる。 村上春樹は浅ましさのようなものをうまく隠して、 出し惜しみしているようにも。 そのあたり糸井重里は露骨かつ直球である。 とはいえ、ここは糸井重里を褒め称えたい。 よく村上春樹と直球の勝負をしたものだと。 そして、いい勝負を繰り広げているという点に。
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村上春樹と糸井重里の二人が、あらゆるカタカナ名詞(アンチテーゼ、クールミントガム、グレープドロップス、ソフトクリーム、ブルースエードシューズ、ペンギン、ラストシーン、レインコートなど)をテーマにショートショートというか、とにかく短い文章を、片っぱしからつなげていった、なんか不思議...
村上春樹と糸井重里の二人が、あらゆるカタカナ名詞(アンチテーゼ、クールミントガム、グレープドロップス、ソフトクリーム、ブルースエードシューズ、ペンギン、ラストシーン、レインコートなど)をテーマにショートショートというか、とにかく短い文章を、片っぱしからつなげていった、なんか不思議で、魅力的な本。 村上春樹と糸井重里の文体の違いがハッキリしていて、なんかコーヒーと煙草とか、お茶と煎餅とか、紅茶とケーキとか、そんな具合に良い組み合わせで、まぁこんな例えしか出てこないのは上記を食しながら読んでいたからなんだけれども、まぁとにかくサクサクおいしく読めます。 カタカナ名詞ってなんかそれだけで魅力的な響きがあるから、二人とも楽しんで書いたんだろうなぁ。 ちょっと僕もやってみようかしらん。
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ちょっと皮肉で、ちょっとエッチで、ふふっと笑ってしまう1冊でした。村上春樹はスワローズファン、糸井重里はジャイアンツファン。この二人、野球の話はできないんだろうなー・・・。
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「オニオンスープ」「コーヒー」 好きな作品は村上春樹さんの方でした。 ちょくちょく読めるとこがいい。
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そろそろ東京も桜の見頃かと銀座の桜の咲く公園を散策したが、まだまだであった。幸いなことに満開な桜がなかったため、バカ騒ぎする人々の姿も見当たらなかったのである。春かと思えばみぞれ降る空模様に、桜のつぼみもどうしたらよいのか迷っているに違いない。現在はまだ2分咲きといったところだろ...
そろそろ東京も桜の見頃かと銀座の桜の咲く公園を散策したが、まだまだであった。幸いなことに満開な桜がなかったため、バカ騒ぎする人々の姿も見当たらなかったのである。春かと思えばみぞれ降る空模様に、桜のつぼみもどうしたらよいのか迷っているに違いない。現在はまだ2分咲きといったところだろうか。周囲を気にし周りに合わせる。周りを気にしてなかなか早咲き桜が後に続かないのは日本の桜だからこその光景である。
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読了日は、再読した日です。 初めて読んだ当初も勿論、 今回もドキドキした。 前書きに、文章あとの、m(村上)かi(糸井)がなくてもわかる、て、 書いてあって、 わからんかったらどうしよう、、、ってドキドキしたけど、 これが、わかる。 素直に面白かった。 本文を読む前に、糸井さん...
読了日は、再読した日です。 初めて読んだ当初も勿論、 今回もドキドキした。 前書きに、文章あとの、m(村上)かi(糸井)がなくてもわかる、て、 書いてあって、 わからんかったらどうしよう、、、ってドキドキしたけど、 これが、わかる。 素直に面白かった。 本文を読む前に、糸井さんのあとがきを読んで、 ちょっと、にやけました。 糸井さんに興味を持てた事も、ハッピーな収穫でした。
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大好きな大好きな糸井重里さん(と村上春樹さん)の 小説でもエッセイでも対談でもない 不思議な短編集! コピーライターである糸井重里さんの 独特な言い回し?ひねりというか皮肉というか がとっても面白く 私はMOTHER(ゲーム)からのファンでございます んふ
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若き村上春樹と糸井重里による掌編集。初版は1981年で、いかにもパルコ文化というかエイティーズ風というか、女の子と外国とお酒、それにユーモアのお話がたくさん。村上春樹の文章はそれだけで雰囲気を作り出すけれど、糸井重里の文章は明快で小器用だから、だいたいどちらが書いた作品なのか見当...
若き村上春樹と糸井重里による掌編集。初版は1981年で、いかにもパルコ文化というかエイティーズ風というか、女の子と外国とお酒、それにユーモアのお話がたくさん。村上春樹の文章はそれだけで雰囲気を作り出すけれど、糸井重里の文章は明快で小器用だから、だいたいどちらが書いた作品なのか見当がつくのもお楽しみ。 我が家ではトイレに置いて拾い読みしたのだが、トイレに置くのが実際、丁度いいですよ。「パン屋襲撃」の原型みたいな作品も含まれています。
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糸井さんの文章を本で読んだのは初めてだったか。 お二人の文(小説?短編?)が入れ替わり立ち替わり、頭の中は混乱・迷走(笑) 電車でちょこっとずつ読むのにいいかも。
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2001年8月22日読了。以下、過去の日記から抜粋。 糸井重里、コピーライター。 「コピーライター」って、何て不思議に満ちた職業なのだろう。 私流に解釈するならば、まさに言葉の魔術師だ。 詩人、ソングライター辺りが近いのかなぁ・・・ 短い言葉でそのモノを(もしくは戦法としてその...
2001年8月22日読了。以下、過去の日記から抜粋。 糸井重里、コピーライター。 「コピーライター」って、何て不思議に満ちた職業なのだろう。 私流に解釈するならば、まさに言葉の魔術師だ。 詩人、ソングライター辺りが近いのかなぁ・・・ 短い言葉でそのモノを(もしくは戦法としてそのモノの一面を)的確に表現する人々。 あ~、「戦法」、私、今イイ事言ったね。 まさにコピーライターとは戦略家である。 その戦略にはまって手にした本はどれぐらいあるのだろう(苦笑) さて、今作品はエッセイでもなく、ショートショートでもない。 強いて言うならば、{(エッセイ+ショートショート)÷2}とでも言おうか。 それぞれのフィールドで活躍する言葉の玄人同士の攻防戦とでも言おうか。 とにかく風変わりな作品であることには違いないのであるが、 このテの作品を読む場合、全部が全部面白いことを期待してはならない。 心の琴線に触れなければあっさり読み流せばよい、 その中で一つでも「コレだっ」と思えるものがあればメッケモノなのである。 ちなみに私の場合は、糸井氏の「アシスタント」「キャンプ・ファイア」「シーズン」。 森へ行きましょう娘さん、と歌いかけられて、 「ハッハッハ」と答える娘さんは、まったく、何を考えているのだろうか。 笑って誤魔化すのはいけない。 行く気があるなら、「ハイ」と、その気がないなら「イヤです」と、 はっきり言うべきである。 (「キャンプ・ファイア」より) ・・・完敗です、はいお手上げ。
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