コインロッカー・ベイビーズ(下) の商品レビュー
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面白いのか、面白くないのかもわからない。評価不能だ。何か凄いものを読んだ、そんな気分。今、流行っているような社会問題を提起や題材にしたものでも無い。本当になんなのだろう。 作風はグロい。けど、匂いや空気感が伝わるのは素晴らしい。人間が飛びちったり、人間から汁が出たりするのだから、綺麗なはずがない。生々しすぎるくらいリアルさがとてもよかった。 話としては一応ハッピーエンドなのだろう。世の中をぶっ壊して、ずっと探していた音も見つけた。 ちゃんと2人は人間だ。はじまりはコインロッカーと特殊だが、迷走して、恐怖に陥り、道を踏み外しても、一つの気持ちに素直になり、あのラストを迎えた。登場人物はイカレながらも生きている以上、全員が人間なんだと思った。自分の欲求にとても素直で、ハシだけがそれに抗って苦しんだように感じた。 キクやアネモネは最後どうなったかわからない。けど、アネモネは喜んでそうだけど、キクは何も感じてなさそう。悲願を達成して、欲求が消え、虚無に陥っているかも知れない。いや、ハシに呼びかけている気もするな。そういう意味では、喜んでいるか。 20代でこの作品を読めて良かった。それだけは感じる。文学作品としての魅了がすごくある。印象的なシーンも多い。自分が狂って仕方ない時この作品を読めばどうなるだろう。気になる
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何というか全体的に象徴的な作品で、読み終えた後も作者の伝えたい事が分からなかった。 描写が先鋭的で結局読み終えてしまったが、荒唐無稽ぶりに途中苦痛を感じる点もあった。 1点、アネモネ視点の悪夢の様な内容が所々挟まれ、フックになっているのが技巧的で良かった。
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ことば、単語が鋭く尖っていました 物語りの世界観がどちらかと言えば重苦しい部類かな ですが、読んどいて良かった 次はもう少し最近の村上さんの作品読んでみて比べてみたい
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上巻はダラダラと長いなと感じていたが下巻からはテンポが出てきて、気持ちは下向きになる出来事も多かったけど良かった。だが自分には作風が合わないなと思った。結論何が言いたいかがよく分からなかったのが正直な感想。 キクとハシの破天荒さに読んでいるこっちがついていけない感じなのは自分だけ...
上巻はダラダラと長いなと感じていたが下巻からはテンポが出てきて、気持ちは下向きになる出来事も多かったけど良かった。だが自分には作風が合わないなと思った。結論何が言いたいかがよく分からなかったのが正直な感想。 キクとハシの破天荒さに読んでいるこっちがついていけない感じなのは自分だけかと思ったら他の人も自分とは合わないとか思ってる人がいて安心した。
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後書きも含めて面白かった。 コインロッカーで生まれ、あの島の中でしか生きられないと言うハシを見ると、自分も社会に出て金を稼ぐ立場になったらそう感じるのかなと思った。 また、人は死を目的に生きている;生存を目的とするなら不必要な物を作るのが人間、破壊するために物を作るという考え方...
後書きも含めて面白かった。 コインロッカーで生まれ、あの島の中でしか生きられないと言うハシを見ると、自分も社会に出て金を稼ぐ立場になったらそう感じるのかなと思った。 また、人は死を目的に生きている;生存を目的とするなら不必要な物を作るのが人間、破壊するために物を作るという考え方は興味深かった。でも必要不必要だけで考えたら人生は無意味であり楽しく生きるためには今を生きることが大切。就職や勉強を未来の不安のためにすることはしてこなかった自分にとって、必要不必要なだけでなく、今やりたいことだけをやるというのがしっくりくる生き方なのかと思った。
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凄かった 2人と世界の間に流れている目に見えないもの キクの世界に対する絶望 ハシがずっと抱える、生まれて来た意味、心の痛み コインロッカーで捨てられたところから始まる、2人の壮大な物語 に圧倒された。 アネモネがの鰐が死んだときの世界への絶望感が半端なかった。 キクが親を殺す...
凄かった 2人と世界の間に流れている目に見えないもの キクの世界に対する絶望 ハシがずっと抱える、生まれて来た意味、心の痛み コインロッカーで捨てられたところから始まる、2人の壮大な物語 に圧倒された。 アネモネがの鰐が死んだときの世界への絶望感が半端なかった。 キクが親を殺すシーンが印象残ってる。 自分を捨てた母親との再会もそうだけど 会った次の瞬間、血を首から流して倒れてて、 しかもそこにキクのいろんな感情とか、今までの葛藤とか考えると、衝撃的に寂しいような、(一言で表せないけど)感情がした。 生まれてからすぐに、コインロッカーに捨てられて、育った2人のお話。 コインロッカーで捨てられた2人が、色々な葛藤や絶望、出会いや人間関係を経て、お互いの道を行く姿が描かれている。 「コインロッカーのような世界で。」的なテーマ。
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上巻のファンタジー要素は薄まっていたけど、キクのターンはエンタメとして面白いし、ハシのターンはエグくてグロくて、村上龍は同じテーマで書きたいことと読者に寄せたことと、2つを合わせたら相乗効果で更に面白くなると思って書いたんじゃないかと思えた。 ギリギリのエンタメ性を孕んだ作品
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2019.08.30 読了。 読み終わった。 最後、ドタバタとして結局ダチュラどうなった?なんか細菌兵器と化したのかこれ。 この続きはバイオハザードなのか? 読書芸人の第一弾だっけ、で又吉さんが推薦していて、他の出演者の方も面白いって言っていた記憶がある。 んで、10代・20代におすすめ、みたいに言っていたと思う。 だから青春小説?と思って読んでいたんだけれども、全然違う方向性で驚いた。 あくまでも上巻のみだと、割と青春感もあってまだ許せる。 だけどこの下巻。 めちゃくちゃ。 正直、上巻のみでスパッと終わった方が個人的には良いと思う。 ハシのパートが読んでいてすごくしんどい。 それと歌のセンス半端ないのが非現実的過ぎてハマれなかった。 上巻は本当に面白かったんだけどなー。 惜しい作品。
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『愛と幻想のファシズム』の三人の原型なんだとか。 物語の序盤から想像するラストと比較すると尻すぼみなところはところは『愛とー』と同じ。 ただ最後まで圧倒されっぱなしではありました。
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あぁ、やっと終わった。 やっと抜け出せた。 疲れた。 ベッドが柔らかくて そのままずぅっと沈んでいく。 死んでるのか、生きてるのかも わからない。 探す。音を。景色を。未来を。 満員電車の席取り合戦。 屍も時間も全て踏み潰して。 キク、ハシ。
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