華岡青洲の妻 の商品レビュー
いまやTVドラマでブ…
いまやTVドラマでブーム再来の(勝手に予測してみただけなんだけど)有吉佐和子の力作。世界ではじめて全身麻酔によって手術を行った実在の日本人男性と、その麻酔薬の効果を、自分を使って人体実験してくれ、と言い募る妻と姑。一見美しい家族愛には、実は息子であり夫である、一人の男を巡っての、...
いまやTVドラマでブーム再来の(勝手に予測してみただけなんだけど)有吉佐和子の力作。世界ではじめて全身麻酔によって手術を行った実在の日本人男性と、その麻酔薬の効果を、自分を使って人体実験してくれ、と言い募る妻と姑。一見美しい家族愛には、実は息子であり夫である、一人の男を巡っての、嫁姑の戦いが繰り広げられていたのであった。。。。絶対姑と同居はいやだ、と思える一冊。
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日本で初めての全身麻…
日本で初めての全身麻酔が完成させた医師の物語。自分で人体実験をして欲しいと申し出る嫁姑の確執は凄まじいです。
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ぬるま湯のような時代…
ぬるま湯のような時代小説と違って、息が詰まるような苦しい家庭の状況が描かれています。男性視点の美談を皮肉った作品と言えるでしょう。
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※このレビューにはネタバレを含みます
完全に忘れてしまう前に感想を…。 バッチバチの嫁姑バトルって感じではないのに、ドロドロしてる感じがすごいです。帯に「嫁姑バトル」みたいなことが書かれてて面白そうだったから買いましたが、それだけではなく、壮大な女二人の人生の物語。 加恵さんは、さすが武家の娘というべきでしょうか。 私なら途中で絶対「やっだー、私と同じもの飲んだと思ってたんですか?おかさんの麻酔には危ないもの入ってないのし!ご老体には無理よし!(方言はてきとー)」とか煽っちゃうかなー?笑 加恵さんを応援してしまうのは、やはり自分も嫁の立場だからでしょうか…笑 前、和歌山に旅行したときに道の駅に寄ったら、そこが華岡青洲の記念館みたいな場所で(しかも無料)それが結構面白かったんのし。 元々華岡青洲は好きだったけど、この小説で華岡愛が増したので今度はもっとじっくり見てみたいなーと思います。
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唸るしかない。この薄さで女の六十余年の生涯を描き切るのである。武家から望まれて医者の家に嫁ぎ、慕っていた絶世の美貌の姑とやがては静かなれど凄惨ない関係に。世界初の全身麻酔手術を成功させた華岡が麻酔薬を完成させるまで、姑と人体実験の座を争うのである。 それには「勝った」はずだが、最...
唸るしかない。この薄さで女の六十余年の生涯を描き切るのである。武家から望まれて医者の家に嫁ぎ、慕っていた絶世の美貌の姑とやがては静かなれど凄惨ない関係に。世界初の全身麻酔手術を成功させた華岡が麻酔薬を完成させるまで、姑と人体実験の座を争うのである。 それには「勝った」はずだが、最後の数行で、男の目から見ればそんな女たちの営みもが、当時の世では、ものの数にも入らぬのだと示され、なんだか改めて愕然とするのである。いや、今の世でもそうだよな。 ところで文章のきりりと角の立った美しさよ! 時代もののこととて、漢字も多く古風なのだが、昔の紀州の方言が実に味わい深い。「〜のし」って語尾、ほかにあるー? そしてそして、最近、動詞のことをよく考えるのだが、日本はオノマトペに頼るあまり動詞の種類は少ないと決めつけていた私の無知よ。 腕を拱(こまぬ)く、夜伽に侍(はべ)らす、喉を通る…ワクワクすっど! 映画版見たいなー、現代でやるなら美しい姑は中谷美紀とかどうよと考えていたら、昔の映画では高峰秀子さまなのね!見る!
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100分で名著で知って買い、ようやっと読めた。 請われて嫁いだのに、環境変化にも馴染もうと努力し、憧れの人と家族になれた喜びからの突き放し。夫にとって母よりも特別な存在になれることが自分の存在価値になっていったことが、皮肉にも麻酔薬の完成には必然だったのかも。 夫はどちら贔屓でもなく、母、嫁にそれなりの対応だったのに、女たちが勝手にというのがなんとも。 小姑がもっと間に立ってくれればまた変わっふたかもしれないのに。小姑も姑ほどではないが、侵入者に対する意地悪な気持ちがあったのでしょう。 むかーし、子供向け漫画で読んだ華岡青洲夫妻の話からは想像できなかったお話しでした。
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時代や価値観があまりにも違いすぎて、登場人物の誰にも共感できなくて読むのが辛かったです。。。 構成は面白かったので、気に入った部分をピックアップして書いていきます! ・紀州の方言「〜のし」 とても可愛い。どうぶつの森の住人みたい。 ・絶世の美女、於継の描写 憧れから始ま...
時代や価値観があまりにも違いすぎて、登場人物の誰にも共感できなくて読むのが辛かったです。。。 構成は面白かったので、気に入った部分をピックアップして書いていきます! ・紀州の方言「〜のし」 とても可愛い。どうぶつの森の住人みたい。 ・絶世の美女、於継の描写 憧れから始まる嫁姑バトル。於継の気品と美しさを称える描写はうっとりするような、涅槃に近いものを感じる。 ・医家にベストな妻の生い立ち 医家の夫を支える妻のベストな条件発表シーンがお気に入り。於継が愛する長男坊に最高の嫁を与えねば!と躍起になっている。 ・夫不在の結婚生活 夫と顔を合わせるのが結婚後数年経ってからというびっくりな状況。 初めて華岡家に入った日に夫の兄弟6人と顔を合わせた際に、末っ子だけ於継譲りの美貌で他の兄弟はみんな厳つい顔立ちだったので、ついつい我が夫も美青年だと妄想してしまう。 ・嫁姑バトル 泣きたくなる嫌がらせやいじめではなく、心を削るような心理戦だった。(私なら気付かなで幸せに暮らしてしまうかもしれない、そういうレベル) 心理戦の道具に「我が身を捧げる人体実験」が出てくる。姑にとっては息子の研究発展と、早死にした娘への後追い自殺と、不妊体質の嫁の処分といった具合でメリットだらけの状況に、嫁の加恵は幼い娘を残す恐怖よりも、嫁姑バトルを買ってしまう武家の娘としての本懐が強調されていた。 現代と違って江戸時代は「死」が近いからこそ、その死に美徳が含まれていたのかもしれない。けど娘を置いて危険を犯すのは共感できなかった。 ・毒消しに蜘蛛 摩訶不思議な薬草たちの中に蜘蛛が入っててギョッとした。本当に効能あるの〜? ・長い医学の歴史 外科や内科など、古今東西で医学の歴史は長いけど、麻酔に到達するまで時間がかかったのが不思議だった。起源前の中国では全身麻酔による手術が成功していたのに、この世紀の発明も一代限りで消えてしまったそうだ。 おそらく昔から芥子や阿片など意識混濁させながら医療行為は行われてきたと思われるが、匙加減や調合の難しさから積極的に実験が行われなかったのだと思う。 ・読む前と後で感想は変わったか? 度々「美談」というワードが出てきたので、作者は絶対美談にしてやるものか、女同士のバトルはドロドロしてるんだという実態を伝えたかったんだと思った。 1番怖いのは女二人ををたぶらかして人体実験に捧げる兄だ、と語る妹の視点で完成される小説だと思う。私も同意見だった。 姑、嫁、妹でも扱われ方が違うらしく、病に犯された妹を、見るに耐えないといって見舞いに来ないし、人生を賭けた手術もしないで放置する青洲の描写はとても残酷に感じた。
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嫁姑バトルの話だった。和歌山の青洲の里に行った時に案内の方が、「本読みました〜?あれは、ねぇ〜」って苦笑してたからかえって気になる本だったので読んでみた。有吉佐和子面白い。
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以前、和歌山にある華岡青洲の里「春林軒」を訪れた事を思い出し、何気なく手に取った一冊。 華岡青洲とは母親と妻を実験台にして初めて乳癌の手術をした人という認識しかなかったが、封建社会の時代の中、嫁姑の争いの上で「通仙散」という麻酔薬を完成させたということを知った。 また杉田玄白が、...
以前、和歌山にある華岡青洲の里「春林軒」を訪れた事を思い出し、何気なく手に取った一冊。 華岡青洲とは母親と妻を実験台にして初めて乳癌の手術をした人という認識しかなかったが、封建社会の時代の中、嫁姑の争いの上で「通仙散」という麻酔薬を完成させたということを知った。 また杉田玄白が、年下の華岡青洲に教えを乞いたい手紙を送ってたことも驚いた。
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世界で初めて全身麻酔による乳がん手術を成功させた華岡青洲。 青洲の母と妻が麻酔薬の人体実験に協力したという逸話だけは知っていたけど、それを広めたのが有吉佐和子さんのこの作品だったとは知らなかった。 普通なら美談として描かれそうだけど、青洲を支える女性たちにスポットを当てていると...
世界で初めて全身麻酔による乳がん手術を成功させた華岡青洲。 青洲の母と妻が麻酔薬の人体実験に協力したという逸話だけは知っていたけど、それを広めたのが有吉佐和子さんのこの作品だったとは知らなかった。 普通なら美談として描かれそうだけど、青洲を支える女性たちにスポットを当てているところが面白い。 母と嫁が競い合うように自ら実験台になりたがるという、狂気すら漂う献身が描かれている。 どちらがより献身的かを競う嫁姑の意地の張り合いによる心理戦が続いていく。 口にする言葉と嫁の加恵が淡々と語る心の中の本音が全く違う。表向きは仲の良い嫁姑に見えるから尚更怖い。 ただの嫁姑の嫌味バトルだけではなく、嫁ぐ女性が抱えていた葛藤や、当時の社会における女性たちの複雑な感情が丁寧に描かれている。 生き生きしている女性たちの姿が浮かんでくるので、つい史実だと思いそうになるけど、この嫁姑バトルはあくまでもフィクションだそうだ。 華岡青洲と妻・加恵のことがもっと知りたくて調べてみると、青洲の直系の子孫が現在も札幌で麻酔科医として活躍されているとのこと。 またそのお子さんも麻酔科医だそうで、青洲の理念が時代を超えて今も受け継がれているのが本当にすごい。 私自身も全身麻酔のお世話になった身で、今の安全な医療の背景には多くの犠牲と努力によって成り立っているのだと思うと、青洲や加恵、華岡家の家族、たくさんの人々や動物たちに、改めて深い敬意と感謝の気持ちを伝えたい。 和歌山弁の語尾「のし」が妙に耳に残る。 嫁も姑も上品に「〜のし」って言うから、つい真似したくなるのし。 自分でも気づかないうちに「のし」が出ちゃいそうだのし。 有吉佐和子さん、やっぱり好きだなぁ。 Audibleにて。
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