紀ノ川 の商品レビュー
解説にある「女の命のたくましさは、流れいく水のように自然に逆らわないところにあるのだ。」とはよく言ったものだ。14.1.3
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やっぱり名作と言われるものは面白い。 明治・大正・昭和を生きる女性3世代のお話。 明治時代を生きる「花」が、一番好ましく思えるのは、やっぱり生まれる時代を間違えたかな?? 花のような優雅で品格のある女性に憧れる。
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女たちの三代記。 紀ノ川のように、女たちはたくましく激動の時代を生きていく。 男たちを後ろで支えているように見えて、逆に女たちは彼らを飲み込んで自らの流れに引き込んでいる。 祖母・花、母・文緒、娘・華子とその性格はみな違う。 誰が良いというわけではない。 数十年の間に時代は大...
女たちの三代記。 紀ノ川のように、女たちはたくましく激動の時代を生きていく。 男たちを後ろで支えているように見えて、逆に女たちは彼らを飲み込んで自らの流れに引き込んでいる。 祖母・花、母・文緒、娘・華子とその性格はみな違う。 誰が良いというわけではない。 数十年の間に時代は大きく変わってしまったし、もともとの性格だって違う。 ただ信じるままに、それぞれの人生を一生懸命生きるだけ。 振り返ったときに見えるものが伝統であり、歴史なんだと思った。 「家」というものが絶対と信じている、花についての部分が興味深かった。 私にはない考え方だったから。 真谷家の財力に頼りながら花に反抗する文緒の考え方も私から遠いけど、言ってる事は分からないでもない… やっぱり一番若い華子が現代に生きる私の考え方に近い。 花が見放した息子、政一郎の気持ちも分かる。 もともとの気質ってあるし、真面目にサラリーマンとして働いて妻を養っていたのだから決して恥ずかしい生き方ではないと思う。 それを母親に勝手に父親と比べられて、失望されるのはつらいだろうなと思う。 それでも流されるまま、それなりに幸せに生きるのもまた素敵な人生だろうと思った。
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明治から昭和にかけて三代の女性を描いた作品。 血の繋がりはあると言っても、やはり違う人間。 こうも違いが出てくるのですね。 女性は美しく強い。 有吉さんの作品は時代を感じさせず、すんなりと入り込む事が出来るので好きです。 今、私のお腹の中にいる子もどうやら女の子のよう。 どん...
明治から昭和にかけて三代の女性を描いた作品。 血の繋がりはあると言っても、やはり違う人間。 こうも違いが出てくるのですね。 女性は美しく強い。 有吉さんの作品は時代を感じさせず、すんなりと入り込む事が出来るので好きです。 今、私のお腹の中にいる子もどうやら女の子のよう。 どんな女性になるのかな。
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読み始めて、最初の印象は「あれ?難しそう・・・」だった。 しかし読み進めていくにつれ、グイグイ引き込まれていった。 有吉マジック?活字に飢えてただけ? 女を川に見立てたテーマの話。 祖母に寵愛され それをまっすぐ受け入れて育った美しい女性、花。 そんな母・花の生き...
読み始めて、最初の印象は「あれ?難しそう・・・」だった。 しかし読み進めていくにつれ、グイグイ引き込まれていった。 有吉マジック?活字に飢えてただけ? 女を川に見立てたテーマの話。 祖母に寵愛され それをまっすぐ受け入れて育った美しい女性、花。 そんな母・花の生き方を否定し、「正しさ」「女性の自由」を豪語する娘、文緒。 文緒を母に持ち、花が尊しとする美しさにも気づける孫の華子。 (華子は作者がモデルらしい) 花に対して文緒が反発し、 花が文緒に対してめったに乱さないその心を乱す。 しかしながらその確執も徐々に薄れ・・・。 私は、文緒にものすごく、自分を重ねて読んだ。 華子になりたい、と思った。 最後は全てを注ぎ込まれる 海へ。 特に、女性に読んでもらいたい作品。
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和歌山県に流れる紀ノ川を舞台に、女三世代を主人公にした物語。それぞれの時代の女性像がよく描かれていて、何か大きな事件やドラマが起こるわけでもないのだけど、描写が豊かで飽きない。読みながら自分の母や祖母の人生について思いを馳せた。
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紀ノ川を舞台に、明治、大正、昭和、三世代の女性を描く。 川の雄大さとその景色、古い紀州弁が心地いい。 それぞれの時代の女性の生き方、強さが描かれているが、私があこがれる強さは明治の女性「花」にみることができる。 本来の女性が持つ「受動的な」「しなやかな」強さ。現代の女性が見失いつ...
紀ノ川を舞台に、明治、大正、昭和、三世代の女性を描く。 川の雄大さとその景色、古い紀州弁が心地いい。 それぞれの時代の女性の生き方、強さが描かれているが、私があこがれる強さは明治の女性「花」にみることができる。 本来の女性が持つ「受動的な」「しなやかな」強さ。現代の女性が見失いつつあるものである。
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やっぱりこの人の本は読みやすくて、それでいて内容がしっかりしてるから好きですわ~。 和歌山の六十谷(むそた)に嫁いだ花、その娘の文緒、その孫の華子と、明治・大正・昭和を駆け抜けた親子3代の話です。 簡単に言っちゃえば、そんなこと。 まさにそれだけの話なんだけど、昔かたぎで正に...
やっぱりこの人の本は読みやすくて、それでいて内容がしっかりしてるから好きですわ~。 和歌山の六十谷(むそた)に嫁いだ花、その娘の文緒、その孫の華子と、明治・大正・昭和を駆け抜けた親子3代の話です。 簡単に言っちゃえば、そんなこと。 まさにそれだけの話なんだけど、昔かたぎで正に日本の言う『良妻賢母』な花、そして時代を開拓したい男勝りな文緒、その中間を上手い具合に取ったしっかりものの華子の個性がしっかり出てて、とっても読ませてくれる内容になってます。 やっぱりね、「花」というとおばあちゃんや昔のママを思い出すね~。 私はどっちかと言うと文緒タイプなんじゃないかしら~? パパに「み~こが男だったらなぁ~」と言われてたらしいし。。。(笑) ま、文緒みたいに好き勝手、言いたい放題はしなかったけどね。 でもね、これ読んで、やっぱり昔のお母さん奥さんは大変だったんだな~。偉いなぁと思ってしまう。 今の世の中、ここまで出来る人はなかなかいないでしょ~。 そりゃあね、良いもの新しいものはすすんで取り入れたほうがいいよ~。それが合理的ならね。 でも、こういう昔の人のやってたことや話してたことっていうのは、やっぱり受け継がれないといけないと思うのよね。 とくにこんな社会になった今は、伝統を絶やさず、でも柔軟な姿勢も必要なわけで、華子みたいな聞き分けのいい女が必要よね~。 私もね、ほんと精進せなあかんな~と思ったわ。
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有吉が心の襞を描写するところが、何とも言えないぞくぞく感がある。 たんたんと話が進められていくことも魅力のひとつ。 一世代を書くだけでも相当な資料と労力を必要とされるだろうに、三世代、四世代に渡って時代拝啓、人生観、女性観、さらに家制度、地主制度・・・・、あらゆることを深く掘り下...
有吉が心の襞を描写するところが、何とも言えないぞくぞく感がある。 たんたんと話が進められていくことも魅力のひとつ。 一世代を書くだけでも相当な資料と労力を必要とされるだろうに、三世代、四世代に渡って時代拝啓、人生観、女性観、さらに家制度、地主制度・・・・、あらゆることを深く掘り下げている。 何にもまして、この薄い本を読んだ後に、壮大な歴史ドラマを見終わった充足感のようなものが沸き起こってくること自体、すごいことだと思った。
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紀ノ川の上流、九度山村で祖母に育てられた美しく聡明な花は、祖母の見込んだ真谷敬策の元へ嫁す。陰で家を守り夫を立てながらも強い妻となり母となった花。一方、敬策は和歌山県政界の第一人者になっていく。 明治当時の女性の鑑のような花だが、その長女の文緒はそれが許せずことごとく花に反発する...
紀ノ川の上流、九度山村で祖母に育てられた美しく聡明な花は、祖母の見込んだ真谷敬策の元へ嫁す。陰で家を守り夫を立てながらも強い妻となり母となった花。一方、敬策は和歌山県政界の第一人者になっていく。 明治当時の女性の鑑のような花だが、その長女の文緒はそれが許せずことごとく花に反発する。花の生い立ちから読んでくると花が気の毒なくらいだが、そんな文緒でもやはり根底では母の強さに敵わないと敬服しているのが分かりほっとする。 旧時代の地方の風土がよく分かる点でも面白かったが、文緒の娘である華子は作者がモデルとされており、そんなことも踏まえて読むとより一層興味深い。
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