八甲田山死の彷徨 の商品レビュー
2002年1月23日は、八甲田山大量遭難事故からちょうど100年目だそうな。 これは新田次郎が、もと気象庁予報官ならではの考察を交えながら遭難を小説化した実に怖い怖い本である。 その100年前、十分な知識も装備もないまま行軍訓練に入った歩兵第五連隊。昼は陽気の中重いソリをひっ...
2002年1月23日は、八甲田山大量遭難事故からちょうど100年目だそうな。 これは新田次郎が、もと気象庁予報官ならではの考察を交えながら遭難を小説化した実に怖い怖い本である。 その100年前、十分な知識も装備もないまま行軍訓練に入った歩兵第五連隊。昼は陽気の中重いソリをひっぱって、木綿の肌着に汗をかいたまま、記録的な大寒波の夜を迎えたらどうなるか。 歩兵たちは外套すら持たず、胸までの新雪の中でソリは当然埋もれ、握り飯は凍り付き、小便がしたくとも指は凍傷で動かず…冬山の恐ろしさをイヤというほど感じさせてくれる。 痛ましすぎ。
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新田次郎作品は、どれも読み始めから没頭までに少し時間を要していたのだが、本作は最初から一気に没入してあっという間に読み終えた。 登山経験があるだけに、夫々の登場人物の立場に立って自分ならどうしたかという視点でも読むことが出来、最後まで非常にドキドキさせられた。 生還した第二十一...
新田次郎作品は、どれも読み始めから没頭までに少し時間を要していたのだが、本作は最初から一気に没入してあっという間に読み終えた。 登山経験があるだけに、夫々の登場人物の立場に立って自分ならどうしたかという視点でも読むことが出来、最後まで非常にドキドキさせられた。 生還した第二十一聯隊のその後の人生も衝撃の一言。
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史実に基づくフィクション。想像を絶する。 不条理な命令に従っていく人たち。強いのか弱いのか。 一度訪れて祈りを捧げなくては。
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何度目の再読だろうか。 エンタメとしても一級品だが、やはりどうしても組織論、リーダーとはとか、第二次大戦前の日本という国のあり方の問題点等の視点で読んでしまう。色んな読み方が出来るのが本書のすごいところ。 確か昨年遭難事故の真実を描いた作品が出てるはずなのでそちらも読んでみた...
何度目の再読だろうか。 エンタメとしても一級品だが、やはりどうしても組織論、リーダーとはとか、第二次大戦前の日本という国のあり方の問題点等の視点で読んでしまう。色んな読み方が出来るのが本書のすごいところ。 確か昨年遭難事故の真実を描いた作品が出てるはずなのでそちらも読んでみたい。
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読み物としては面白い。この事件(?)を後世に語り継ぐための性質が強いように感じ、メッセージ性は少ないように感じた。 そもそもこれは日露戦争への準備として起こったものだったため、世界大戦を通して日本がどれだけ謝った道を選んでしまったのかについて、戦争の直接的ではない部分からそれを見...
読み物としては面白い。この事件(?)を後世に語り継ぐための性質が強いように感じ、メッセージ性は少ないように感じた。 そもそもこれは日露戦争への準備として起こったものだったため、世界大戦を通して日本がどれだけ謝った道を選んでしまったのかについて、戦争の直接的ではない部分からそれを見ることには役立つ。 >学んだこと ・優先順位を謝る危うさ(自分の立場を保護することを優先してしまう) ・昔の日本の軍部内、あるいは軍部と民間の関係性(現在の日本にも通づることはある) ・自然の脅威の具体例
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組織論として非常に示唆の富む内容です。 1.この本を一言で表すと? ・極限状態での軍の悲惨な結末 2.よかった点を3〜5つ ・凍えている人の様子が目の前で見えるような描写 ・徳島隊と神田隊との対比 ・軍という組織の不条理さ ・生き残った人のその後 2.参考にならなかった所(...
組織論として非常に示唆の富む内容です。 1.この本を一言で表すと? ・極限状態での軍の悲惨な結末 2.よかった点を3〜5つ ・凍えている人の様子が目の前で見えるような描写 ・徳島隊と神田隊との対比 ・軍という組織の不条理さ ・生き残った人のその後 2.参考にならなかった所(つっこみ所) ・小説の途中に史実を挟むのはどうかと思う 3.みんなで議論したいこと ・神田大尉はなぜ指揮権を取られる結果となったのか ・なぜ2つの隊を競わせて雪山行軍をおこなわせたのか 4.全体の感想 ・「失敗の本質」そのものではないか? あいまいな戦略目的・・・そもそもこの雪中行軍はひつようだったのか コンティンジェンシープランの欠如・・・計画書に引き返す条件がなかったのでは? 空気の支配・・・下士官からの突き上げで行軍続行を決断 間違った勝利の条件を強要・・・根拠のあいまいな者への田代温泉への嚮導役交代 不適切な人事・・・事件の関係者は誰も責任を問われなかった
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壮絶・・・という言葉しか浮かばなかった。 色んな場面で惨禍を逃れられる機会をことごとく逃していく様子が綴られているのも印象的だった。
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組織論,リーダー論としても素晴らしい.ライフセーバーも含め様々な現場を率いる立場の人は一読の価値あり.高倉健主演で映画化さらた「八甲田山」の原作.映画と小説では多少異なるが,映画の方も素晴らしい.神田大尉役の北大路欣也の抑えた演技が光る.こちらもお薦め.
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八甲田山の遭難は知っていたけど、ここまで壮絶な内容だったとは…暑い日に読むと、心がどんどん冷えていくのは良かった。組織の危うさなんて100年前も今もたいして変わらないんだなと。しがらみを気にせずノーと言える人でいたいよ。映画も見てみよう。
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実際に起こった八甲田山雪中行軍遭難事件を題材とした小説。もちろん脚色はされているので事実そのままではない。 遭難の原因は一つではないだろうけど、最初の田代まで(だったか?)の行軍演習がトラブルなくうまくいってしまったのも仇になったんだろうなぁ。 自然を甘くみてはいけない。装備...
実際に起こった八甲田山雪中行軍遭難事件を題材とした小説。もちろん脚色はされているので事実そのままではない。 遭難の原因は一つではないだろうけど、最初の田代まで(だったか?)の行軍演習がトラブルなくうまくいってしまったのも仇になったんだろうなぁ。 自然を甘くみてはいけない。装備と食料は可能な限り万全に。雪山ではおにぎりを懐に入れるべし。
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