孤高の人(上) の商品レビュー
日頃、寂しく感じるこ…
日頃、寂しく感じることがあるのは誰でも同じと思うが、”一人で生きる、自分の道を追求する。人目を気にしない”生き方に感動しました。誰もが憧れるが、出来ない生き方では。
文庫OFF
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※このレビューにはネタバレを含みます
ずっと、自分と山と向き合い続ける加藤文太郎の生き様が好きです。 孤高とはいうものの、孤独であり不器用なのですが、そこが魅力でもあります。 だから、誰かと共にあろうとするとき、彼には悲しい出来事が決まって起きてしまう。 唯一、伴侶が出来て、子どもを授かった時に、山から距離を置いたあのときが、彼にとって誰かと幸せを共有できた時間で、それがとても尊いものに感じました。
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以前から気になっていた本で、やっと上巻を読み終えました。夢中になって読む事ができました。 ただ登山をしたことがない自分にとっては難しかった。 本の中でなぜ山に登るのか 汗を書きたいからとか、自己満足とか 何なのでしょう。 また本のはじめの方に、やりたいことをやる とありましたが、...
以前から気になっていた本で、やっと上巻を読み終えました。夢中になって読む事ができました。 ただ登山をしたことがない自分にとっては難しかった。 本の中でなぜ山に登るのか 汗を書きたいからとか、自己満足とか 何なのでしょう。 また本のはじめの方に、やりたいことをやる とありましたが、 大谷翔平のことを思い出し、みんなか二刀流は駄目だという中、ただやってみたかった なにか共通するものを感じました。 では、自分がやりたいものは NHKの虎と翼ではないけど、はてと考えてしまいます。 全くまとまりのない感想でした。
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山岳小説の草分けの作品。 神戸から六甲山系が描かれていてgood。 大正から昭和の不穏な空気感はあるが、時代を超えて普遍的な人間の感情に浸れるのが凄い。 下巻へ進む。
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新田次郎にハマりいろいろ読んでます。 冬山の過酷な環境や、美しい自然の描写、人間について面白おかしく?読めてしまうのが、すごいです。初版が昭和48年、50年も昔の小説なのに、今も読み継がれる普遍性はいったいどこにあるんでしょうか。 単独登山の第一人者として、有名人になっていく様子...
新田次郎にハマりいろいろ読んでます。 冬山の過酷な環境や、美しい自然の描写、人間について面白おかしく?読めてしまうのが、すごいです。初版が昭和48年、50年も昔の小説なのに、今も読み継がれる普遍性はいったいどこにあるんでしょうか。 単独登山の第一人者として、有名人になっていく様子もドラマチックでわくわくします。 メモ ・懐中コンロってなんだろう ・文太郎の食料最終アンサーは、甘納豆とから揚げの干し小魚、テルモスのお湯 ・そこからいよいよ濃い霧になった。氷の霧だった。どのにでも、触れれば氷の花をつくる霧だった。白い花は、加藤の身体中に咲いた。 →霧氷ってどんな感じなんだろう。 ・大きな荷物を背負っていては、風に吹き飛ばされる危険があった。雪庇(せっぴ)もいたるところにあった。風のために磨かれた氷盤もあった。雪の吹き溜まりがあるかと思うと、アイゼンの爪も立たないように固く凍った雪盤もあった。 滑落、雪崩、強風、凍死、道迷い、あらゆる遭難へのデスロードを回避して、自分と対話しながら己の限界を超えていくのが登山家だよな
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『単独行の加藤文太郎』と呼ばれる登山家が、どのようにして山に導かれ進んでいくのかを追った物語。 序盤の神港造船所の技術研修所に、研修生として五年間在籍している間の話は非常に面白かった。木村敏夫は影村一夫からの嫌がらせや罵倒に嫌気が差し出ていく。地図の読み方などを教えてくれた新納友明は肺結核にかかり死に、金川義助は主義者として逮捕され…。彼と共に過ごす人達は何らかの形で不幸な道を辿ってしまい、加藤は俺といない方がいいと考え、孤独に生きていく。 冒頭からずっと彼を気にかけている外山三郎の存在も大きいと思う。山岳会に入らないかと仕切りに勧めるが、加藤はそれを拒絶する。しかし、外山から本を借りたり、会食に招かれれば訪ねて行ったりと、どこかしらで繋がり続けている所が、加藤は本当は誰かといたい気持ちもあることに気付かされる。 剣沢小屋の6人のパーティーに拒絶されてもついていこうとする加藤のシーンは心惹かれた。単独行を好んで進めた部分もあるが、どこかで誰かと共に登山をしたい気持ちもある。けれど自分の登山速度が速すぎることや、人とのコミュニケーションをうまくとれないことも相まって、結局は孤独に、1人冬山を登っていく姿はとても印象に残っている。
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評伝なのか、ノンフィクションノベルなのか。 昭和初期に実在した登山家の一生を描いたもの。私には登山の趣味はないが、登山をモチーフにした本を読むのは大好き。その極限における自然との戦いがなんとも言えず心を打つものが多い。 主人公は誤解を受けることが多い人間性でかなり付き合いずら...
評伝なのか、ノンフィクションノベルなのか。 昭和初期に実在した登山家の一生を描いたもの。私には登山の趣味はないが、登山をモチーフにした本を読むのは大好き。その極限における自然との戦いがなんとも言えず心を打つものが多い。 主人公は誤解を受けることが多い人間性でかなり付き合いずらい感じもする。しかし登山に対するストイックな姿勢にはある意味感銘を受ける。 下巻ではどんな展開が待っているのか楽しみだ。
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昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造...
昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった“単独行の加藤文太郎”。その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した加藤文太郎の、交錯する愛と孤独の青春を描く長編。
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2022年7月14日読了。 上巻の半分くらいまではさっと読み進められたのだけど、後半時間がかかった。 前半は、山にのめり込むまでの、加藤の職場の人間模様とか今でいうパワハラとかの話だった。どんよりして嫌な雰囲気にもかかわらず、なぜか読み進められた。 後半、山行の話や加藤自身がコ...
2022年7月14日読了。 上巻の半分くらいまではさっと読み進められたのだけど、後半時間がかかった。 前半は、山にのめり込むまでの、加藤の職場の人間模様とか今でいうパワハラとかの話だった。どんよりして嫌な雰囲気にもかかわらず、なぜか読み進められた。 後半、山行の話や加藤自身がコミュニケーション下手で苦悩する話になっていく。下巻への序章という感じで、読み進めるのに時間がかかったけど、下巻も期待。
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今でも登山界で単独行のレジェンドである加藤文太郎。働きながら、厳しいトレーニングと休日の山行に励む生活は、超人だと思った。 新田次郎の山岳小説は、山と人の心が、研ぎ澄まされた無骨な言葉で表現されている。山で感じる言葉にできない感動や恐怖をありありと思い出した。 槍ヶ岳の描写で素...
今でも登山界で単独行のレジェンドである加藤文太郎。働きながら、厳しいトレーニングと休日の山行に励む生活は、超人だと思った。 新田次郎の山岳小説は、山と人の心が、研ぎ澄まされた無骨な言葉で表現されている。山で感じる言葉にできない感動や恐怖をありありと思い出した。 槍ヶ岳の描写で素敵だと思ったところ 槍ヶ岳の岩は、彼が想像していた岩ではなく地球の骨であった。地球の骨の突出部が歳月と風雪を越えて彼の前にさらけだされているさまは、むしろ悲愴でさえあった。
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