他人の顔 の商品レビュー
主人公の気持ちがよく…
主人公の気持ちがよく分かる!有り得ない話ながら、もしもこんな事が起こったら、ボクも同じ行動を取っただろう!
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男は他人の顔を使っ…
男は他人の顔を使って何を取り戻そうとしたのか?傷を負った者が背負う哀しさと卑屈さにジリジリと神経を逆撫でされるような感覚に陥ります。それにしても傷を負った者とその周囲の者の受け取り方というのは、全く違うものなんだなぁ、と改めて実感。
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何とか読み通したけれど、辞書の角で殴打された気分。みぞおちに青あざができていない現実の方が不思議。 他人と通じる通路の回復というスタートから、ああでもないこうでもないと言葉をこねくり回したのが主人公であり、そのこねくり回した言葉でもって、他人を攻撃してみせたところが一つのゴールと...
何とか読み通したけれど、辞書の角で殴打された気分。みぞおちに青あざができていない現実の方が不思議。 他人と通じる通路の回復というスタートから、ああでもないこうでもないと言葉をこねくり回したのが主人公であり、そのこねくり回した言葉でもって、他人を攻撃してみせたところが一つのゴールとなって、非常に硬質な気持ち悪さに仕上げられていると感じた。 妻(他人)への情熱と執着が仮面に移り、仮面への情熱と執着が自己に移り、もてあました性欲を被覆するために被害者の皮にあたる日記を綴った、というところに気持ち悪さがある。 ところが結末では、文化的代弁者の自己を一息で構築した、変な小説。 妻の手紙(批評)ではっきりしたのは、主人公が受けるであろう抑圧を回避していた間にも妻に与えた抑圧へ微塵も関心を払わなかったこと。 回避したかった抑圧から回避することはできていないかったということ。 そこまでしないと向き合えない抑圧に、なんだかんだ立ち向かってみせたのは面白かった。 それも筆を置く、という行為を見せるあたり、なかなか心憎いやり方。これはこの主人公ならではの重みを持つ行為だと感じる。 『他人の顔』の主人公は思いつめた結果として自己の限界までさかのぼってその時の思考を整理した結果として、「~するよりほかにない」というような反駁を自分で反射的に応答させてしまっている。 だから仮面というアイデアから自己への正当化へ向かう。 そこでこそ他人に「どう思う?」と進めたらよいのだけれど、そこで踏み出さなかったという選択に、言い訳はいろいろ立つにせよ、形式的な回避がある。 ただ、自己正当化を禁止すべきだという形式でも非現実的だとは書いておいた方がいいと思う次第。 自己正当化が自己防衛本能でもあるなら、その反応が他人との間でどのようにふるまうのかについて知ることこそがとても大切だと思う。 そう思うと、「他人知らず」という妻の評は的確で、最後に空気拳銃の安全ロックを外すことも納得。 どういうレベルでの振る舞いからはじめるべきかわからない、という状態なのかもしれない。 小説の総合的な印象は、個へのしがみつきだった。 生み出したものがどれだけ技術的に優れているように思えたとしても、それ(ここでは仮面。自分が見破られまいと思っても、きっちり見破られていた)がヒロイズムに堕することのないように批評が機能させるというと、もはや超古代文明的な力学かもしれない。憧れ。 ちなみに、何も批評的な論駁をすることだけが批評の実態ではないはずなので、私はひとまず遊べばよかろうと思ってみたい。もっともらしいことを言う一方で遊び惚けるのではなく、遊ぶ中でもっともらしいことについて考えてみること。
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液体空気の爆発で受けた、顔一面のケロイド瘢痕。 自分の顔を喪失してしまった男は、失われた妻の愛を取り戻すために、プラスチック製の仮面を仕立てる。 他人の顔を手に入れるという特異な着想、仮面を仕立てるまでと、その後の綿密な心理描写。 精緻な科学的記載も交えて、顔に関わって生きている...
液体空気の爆発で受けた、顔一面のケロイド瘢痕。 自分の顔を喪失してしまった男は、失われた妻の愛を取り戻すために、プラスチック製の仮面を仕立てる。 他人の顔を手に入れるという特異な着想、仮面を仕立てるまでと、その後の綿密な心理描写。 精緻な科学的記載も交えて、顔に関わって生きている人間の不安定さとあいまいさ。 妻を誘惑する男の自己回復のあがき。 いったいその顔は、誰の顔なのか。 世界各国語に翻訳され、ノーベル文学賞に最も近かった作家の代表作です。
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仮面をかぶって、一番純粋にやりたかったことが、妻を痴漢することだったり。 一生懸命変装したにも関わらず、近所の女の子にすぐに仮面だと見抜かれて動揺したり。 コメディだった。
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“孤独というやつは、逃れようとするから地獄なのであり、進んで求める者にはむしろ隠者の幸せであるらしい。” “美とは、おそらく、破壊されることを拒んでいる、その抵抗感の強さのことだろう。再現することの困難さが、美の度合いの尺度なのである。” 安部公房さん...
“孤独というやつは、逃れようとするから地獄なのであり、進んで求める者にはむしろ隠者の幸せであるらしい。” “美とは、おそらく、破壊されることを拒んでいる、その抵抗感の強さのことだろう。再現することの困難さが、美の度合いの尺度なのである。” 安部公房さんの巧みな比喩表現に唸らされ… 難解な文章や展開を繰り広げながらも たまに読者目線におりてきてくれる 緩急ある構成で点の物語から 次第に面の物語へと姿をかえていく… 初めて安部公房さんの作品を読んでみたが 手記という描き方も気に入ってしまった!! 事故で蛭のような火傷により 顔という社会の接点を失ってしまう主人公 仮面を通じて社会との接点を持とうとする 膨大な思考は 主人公を少しずつ狂気の世界へといざなっていく… 人は素顔という不完全な仮面をかぶり 社会と関わり合い表層的な部分でしか お互いを判断していない それに対して主人公は 完全な仮面をかぶった自分は 本質にたどり着いた特別な存在として位置づける… 心が離れてしまった妻に誘惑していくのだが 次第に自分が創りあげた仮面に対して 嫉妬を抱くこととなる 妻に誘惑することで観えてきた本質的な世界_ 物語の8割は顔についての 考察にあてられているが… ラストで一気に本質的な部分を 読者に畳かけてくる!! すべて計算して描かれたのだと思うと… 安部公房さんの凄さを感じてしまい 鳥肌が止まらなかった!! また解説が大江健三郎氏とは…!! ラストまで目が離せない エンターテイメント作品で 今は読み終えて 満足感でいっぱいです
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4/6 他人の顔 阿部公房 強い女性の手のひらで転がされる男という構図が大好きなので本作も大好物。男性のあらゆる努力を水泡に帰す最後の手紙は鳥肌もの。素晴らしい。最後の事件は自暴自棄の結果なのか。
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主人公が自分で作った仮面(顔)を被ることで、普段自分では起こさないような行動をとり、仮面(顔)に体を乗っ取られたようになった場面が印象的だった。顔がその人を表すという言葉がありますが、そうかもなと思いました。
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読み始めと、途中と、読み終わってからとでは 印象が違って、すごく疲れた そしてもう一度読みたくなった 顔が仕事上の事故でケロイド状になってしまった主人公 妻から拒否されていると悲観する そこから始まった計画 完璧な仮面を作り、それを被ることによって 仮面に乗っ取られていく それは...
読み始めと、途中と、読み終わってからとでは 印象が違って、すごく疲れた そしてもう一度読みたくなった 顔が仕事上の事故でケロイド状になってしまった主人公 妻から拒否されていると悲観する そこから始まった計画 完璧な仮面を作り、それを被ることによって 仮面に乗っ取られていく それははたして他人なのか? そして妻への計画は成功するのか? 主人公がみた映画の内容がまたなんともいえず 主人公と重なり、さらに切なさを重ねる 主人公も妻も、不器用で、人間らしく いじらしい
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