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流れる の商品レビュー

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67件のお客様レビュー

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文章の美しさが人物の…

文章の美しさが人物の気もちも美しく伝えます。すごい

文庫OFF

もとは裕福な奥様だっ…

もとは裕福な奥様だった梨花だが未亡人となり、寮母、掃除婦、そして芸者置屋の住込み女中に流れつく。

文庫OFF

芸者置屋で暮らすこと…

芸者置屋で暮らすことになった主人公の目から見る、人々の姿。名文だと思います。

文庫OFF

2024/06/01

濃い、でも読める、これが上手い文章というべきか。 それがないと、いやそれがあるからか、人間の生態というか嫌らしさが抉り取られて読者の真正面に据え置かれる感じで読み進めたいけど重いというか。 今はもうないだろう古き歓楽の世界も垣間見えて、風俗史としても楽しめる一面があります。 巻末...

濃い、でも読める、これが上手い文章というべきか。 それがないと、いやそれがあるからか、人間の生態というか嫌らしさが抉り取られて読者の真正面に据え置かれる感じで読み進めたいけど重いというか。 今はもうないだろう古き歓楽の世界も垣間見えて、風俗史としても楽しめる一面があります。 巻末の解説も女性らしさを前面に押し出した解説で時代を感じさせてくれます。ただ、女性にしか分からない感覚はどうしたってあるはずですが、それを万民に肌感で読ませるのもこの作家の力量かと。

Posted byブクログ

2024/03/27

ミーハー極まり無いけど『PERFECT DAYS』で作家に興味がわいて。 登場人物たちの日常の、流れるように移ろい行く様を利発な女中の主人公の視点で柔らかく描く。 舞台となる芸者置屋のちょうど転換期を描いてはいるけど、派手な事件が起きるでも無く、淡々と日常が過ぎていく。 芸妓...

ミーハー極まり無いけど『PERFECT DAYS』で作家に興味がわいて。 登場人物たちの日常の、流れるように移ろい行く様を利発な女中の主人公の視点で柔らかく描く。 舞台となる芸者置屋のちょうど転換期を描いてはいるけど、派手な事件が起きるでも無く、淡々と日常が過ぎていく。 芸妓の着物や持ち物や化粧の艶やかさ、表情や声色や仕草から溢れる心情、花街の情景が主人公の目を通して鮮烈に綴られて読み手を本の世界へ引き込む。 主人公の過去は細やかに仄めかす程度で、読み手に想像させる余白のバランスも良い。 読み進める内に構造や雰囲気に映画と共通するものが見つかり実に興味深いと感じた。

Posted byブクログ

2024/01/08

芸者置屋で働くことになった梨花という女性のお話です。華々しい世界の裏側の描写も面白かったし、梨花の心理描写も小気味良いテンポで描かれていて、読んでいて飽きなかったです。筆者の流れるような美しい文章に圧倒されました。とにかく物語の世界に没入できましたし、読んだあとの余韻が凄くて中々...

芸者置屋で働くことになった梨花という女性のお話です。華々しい世界の裏側の描写も面白かったし、梨花の心理描写も小気味良いテンポで描かれていて、読んでいて飽きなかったです。筆者の流れるような美しい文章に圧倒されました。とにかく物語の世界に没入できましたし、読んだあとの余韻が凄くて中々現実世界に帰って来れなかったです(笑)

Posted byブクログ

2023/11/01

文章が独特で、調子が悪い時は頭に入って来ず苦労した。でも、面白い部分は面白かったし、今の職場に似ている場面がたくさんあった。女が集まるとどこもこうなるのかな。仕事のできる梨花さんかっこいい。

Posted byブクログ

2022/10/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公の梨花が、傾きかけた芸者の置屋に住込みの女中として働き始めるところから話は始まる。 「くろうと」の世界に初めて入った「しろうと」なのに、右も左もろくすっぽ説明されないうちにこき使われる。 なんと初日は晩ご飯を用意されていなかったのだ。住込みなのに! 梨花は目端が利いて、気働きができるので、次第に主人一家からも通いの芸者たちからも信頼されてくる。 梨花の賢いところは大事なことを見逃さず、出過ぎた振る舞いをしないこと。 誰に対しても公平であること。 彼女の半生については多くを語られないので、戦前は女中を持つ側の奥さんであったこと、家族とは死別したことくらいしかわからない。 多分戦後のどさくさで財産を失くしたうえに、家族の病気治療などで没落していったのかなと想像できる。 先日読んだ『小さいおうち』の時子がもし戦後生き抜いていたら、このような境遇にならなかったとも限らない。 置屋の主人とその娘、姪とその娘という女所帯のうえ、通いの芸者が3人。 元は7人いた芸者が3人に減っているのだけれど、その減らし方もよろしくない。 どうにもお金のやりくりが苦しくて、あちらにもこちらにも不義理を働いている様子である。 けれども「しろうと」の梨花はこの世界に身を置こうと思い決めている。 タイトルは『流れる』。 流されるではなく流れるなのだから、彼女たちの生き様を非難しているわけではない。 ただどうしようもなく時代は流れていき、人は低い方に流れるものなのだ。 物語の最後、女たちはそれぞれに身の振り方を考えていく。 そして梨花にもそれなりの話が来るところで終わる。 いちおうはハッピーエンドなのかもしれないけれど、梨花のこれからがハッピーである保証はない。 タイトルは『流れる』だけれど、流されていくのでも、流されまいと気張るのでもなく、流れを見据えながらそこに根を張ろうとする梨花が主人公というところに納得した。

Posted byブクログ

2022/06/08

 1956(昭和31)年作。  住み込みの女中となった女性の視点から、落ち目の芸者家の様子を描いた小説。  文章がとても良い。ちょっとした言葉の選出などにいちいち味があり、絶えず気を配った彫琢された文体である。これに浸っているだけで充実感がある。  一方物語内容や構成などにはさし...

 1956(昭和31)年作。  住み込みの女中となった女性の視点から、落ち目の芸者家の様子を描いた小説。  文章がとても良い。ちょっとした言葉の選出などにいちいち味があり、絶えず気を配った彫琢された文体である。これに浸っているだけで充実感がある。  一方物語内容や構成などにはさして出色のものはないと感じたが、どうだろうか。が、平凡な日常を細やかに描出した小説世界は、それはそれで価値を持つのかもしれない。

Posted byブクログ

2022/04/06

言葉はきれいだけど、話はよくわからなかった 久しぶりに眠い話だった 自分には合わない作風なのかな でも、言葉の表現はきれいなので、他の作品を読んでみようと思った

Posted byブクログ