黒革の手帖(上) の商品レビュー
テレビの原作。結末は…
テレビの原作。結末はドラマと異なり悲惨ですが、水商売というか女性の恐ろしさを感じさせる読み物。はまりました。
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テレビでドラマ化され…
テレビでドラマ化された作品。米倉涼子の「悪女シリーズ」の契機になった作品でもあります。まじめな銀行員から水商売への転身・・・どんどん深みにはまっていく女の怖さを表現。
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ドラマの原作だったの…
ドラマの原作だったので読んでみました。テレビとは一味違って楽しめました。
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ヒロインの考え方には…
ヒロインの考え方には根本的な誤りがある。例え、それが不正で得た後ろめたいお金であったとしても、脅し取られた方は簡単に忘れることはできない。黙って泣き寝入りするような者たちではないのだ。その辺りの読みができず、恐喝行為を2度、3度繰り返してしまう愚行。恨みの積もった金は、恨みで返さ...
ヒロインの考え方には根本的な誤りがある。例え、それが不正で得た後ろめたいお金であったとしても、脅し取られた方は簡単に忘れることはできない。黙って泣き寝入りするような者たちではないのだ。その辺りの読みができず、恐喝行為を2度、3度繰り返してしまう愚行。恨みの積もった金は、恨みで返されてしまうのだ。彼女の冷徹だと感じさせる思考法は、最初からタイトロープを渡るような危ういバランスで保たれたものである。彼女の悲劇は必然であった。
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松本清張必読の一冊。…
松本清張必読の一冊。金・不正・女・悪・男・復讐...。そんなキーワードが浮かびます。夜の世界の裏側も覗けます。
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裏の世界の話って感じ…
裏の世界の話って感じです。腹の探り合い、人を蹴落とす事、当たり前な話。ドラマとは一味違ってました。 >
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テレビでドラマ化され…
テレビでドラマ化されたのを機に原作を読んでみました。原作はテレビと比べると、清張さんの人間描写に人間の裏の重さを感じました。
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前に米倉涼子でドラマ…
前に米倉涼子でドラマ化された作品(私はドラマは見てない)恐らく私が松本清張の作品を読むのもこれがお初なはず。 年をとれば居場所がなくなりお局になるか、お茶組み要因として白い目でみられるしかない女性社員。今は昔と違ってデキル女性にはそれなりの地位が与えられていますが、でもまだ中には...
前に米倉涼子でドラマ化された作品(私はドラマは見てない)恐らく私が松本清張の作品を読むのもこれがお初なはず。 年をとれば居場所がなくなりお局になるか、お茶組み要因として白い目でみられるしかない女性社員。今は昔と違ってデキル女性にはそれなりの地位が与えられていますが、でもまだ中には差別的意識があることは確か。とっとと結婚してヤメちまえ、とかね。
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見事!
横領した金を手に、男たちを手玉にとり銀座のママとして成り上がろうとする、原口元子。果たして、彼女の計画の行方は……?最後まで一気に読ませてしまう作者の力量に、ただ脱帽。お見事です。
abtm
引用。 26 「恋人に貢いだとお考えになってるんでしょう。それが預金使いこみ女子銀行員のこれまでのパターンですからね。」 40 「愉しかった、愉しかった。旅先ではイタリアの女性と恋愛したりしてね」 49 その着物だが「燭台」にいるときはいつも小紋だったのに、いまは淡い黄色の...
引用。 26 「恋人に貢いだとお考えになってるんでしょう。それが預金使いこみ女子銀行員のこれまでのパターンですからね。」 40 「愉しかった、愉しかった。旅先ではイタリアの女性と恋愛したりしてね」 49 その着物だが「燭台」にいるときはいつも小紋だったのに、いまは淡い黄色の地に草花を散らしたつけさげ、これを錆朱の蝶模様が入った黒の帯で引き締め、その帯の隙から帯揚げの若竹色を利かせている。 59 同僚らが結婚で次々と辞めてゆくのを傍観しているうちに、元子は女子行員の最古参者となった。仕事にうちこんだのも男の行員らに「売れ残り」と見られていることへの意地からであった。彼らの白い眼にむかって、だれが辞めてやるものかと対抗した。結婚した同僚が離婚したり、家庭がうまくいかないなどの噂を聞くと胸の中が明るくなった。 67 「あの中では波子という女の子がいちばんいいわ。顔もわりときれいだし、はなやかな感じだわ。いくら整った器量でも、寂しい顔の子はダメなんです。」 84 午前二時の街は車が少なく、途中の信号待ちが無意味なくらいで、市ヶ谷まで二十分とかからなかった。お濠端の反対側に折れて急な坂を上った。大きな印刷工場があって、そこだけは眩しいくらい灯がついていたが、べつな坂道へ向うと、寝静まった、暗い、路地のような横丁だった。 92 約束どおり翌日の午後五時、元子は手土産をもって赤坂の六階建マンションに波子を訪ねて行った。そこは高台で、マンションも半年前に建ったばかりという新しさ、チョコレート色の化粧煉瓦は、話に聞くロンドンかアムステルダムの高級住宅のようであった。 一階には貸店舗のレストラン、喫茶店、花屋などが派手にならんでいた。エレベーターで五階に上り、緑色の絨毯を踏んで廊下を左に歩いたが、それが一流ホテルのようで気圧された。もうあたりはスチームの暖気に包まれていた。 93 部屋を案内してくれたが、ゆったりとした四つのルームが連続していた。一つは洋風応接間、一つはキチンと食堂、一つは八畳の和風客間、最後は寝室だがこれは見せてもらいなかった。美しいタイルの浴室もトイレも余裕たっぷりだった。 104 アパートの窓の半分上を、青磁のように冷たく澄んだ空が占めている。下に灰色のこみいった低い屋根の群れと、多少の木立。この高台の下が谷で、その向うに東大教養学部の森があって、梢の群れが煙のようにぼかされている。 142 優生保護法第一章第一条には「この法律は、優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命健康を保護することを目的とする」と書かれてある。 147 四時五十分に元子は銀座のS堂に行った。二階の喫茶部は広くて、化粧品のように瀟洒ていて、舶来品のように高尚な雰囲気だった。 160 「そうね。わたしたちは愉しいことをしに行くんですからね。」 195 外神田の寂しいビルの灯が流れている。前を走る車が多く、その赤い尾灯(テイル)の列が、たったいまの成功を祝ってくれる提灯行列のように見えた。 197 「おう。ママ、どこで浮気していた?」 「浮気なんかしませんよ。だれも相手にしてくれませんもの」 270 「研究」となれば、古週刊誌くらいでは間に合わなかった。元子は、近くの区立図書館に行き、新聞の綴じ込みを繰って必要なところをコピーしてもらった。 276 元子は、地下鉄の赤坂見附で降りてコンクリートの階段を上った。午後四時半だった。 路上に出た正面に十五階のYホテルがある。一、二階がテナントの商店街で、そのならんだ陳列窓の賑やかさが、車の混雑する大道路を隔てたこちらからもよく見えた。一階のホテル入口はせまく、突き出た飾り日覆い(テント)の下に赤い服のドアマンが立っていた。
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