檸檬 の商品レビュー
なんとも誌的で美しい。情景が目の前に浮かぶにもかかわらず、幻想的なようで、病的なようで。奇を衒わない姿勢がすがすがしい。
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純文学は、それほど得意ではないですが、この作品の魅力はよくわかりました。とにかく、自然の描写が素晴らしいです。それと相反するような、人物の内面の暗さも、妙に共感してしまいます。 何度も読み返したくなる名作です。
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短編集という事もあり、そんなに古い作品だとは思えないほど読みやすかった。 若くして肺結核で亡くなったという作者の私小説的な感じなのかな。 言い回しや情景が目に浮かぶ独特な表現が好きだなぁ。 たぶん何回か読み直すとスルメのように味が出てくる気がする。
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疲れたぁw「金閣寺/三島由紀夫」が面白かったから苦手意識のあった日本文学、結構楽しめるのかも?!と思ったけど、やっぱり疲れたぁ〜w読後はTHE日本文学の疲れw最後の方はもうセンター試験の英語の長文問題みたいな。全然あたまに内容入ってこねぇ〜w もうすぐにでもこのミスみたいな作品読...
疲れたぁw「金閣寺/三島由紀夫」が面白かったから苦手意識のあった日本文学、結構楽しめるのかも?!と思ったけど、やっぱり疲れたぁ〜w読後はTHE日本文学の疲れw最後の方はもうセンター試験の英語の長文問題みたいな。全然あたまに内容入ってこねぇ〜w もうすぐにでもこのミスみたいな作品読みてぇ〜w と言いつつ、「檸檬」「Kの昇天」「ある崖上の感情」が面白かったです。あと桜の木の下の死体説って本書が元ネタなのね!!なんか感激しちゃうw ご多分に漏れず、教科書のイメージが強かった本作。全然内容覚えてないけど、なんとなく長編の一部かと思ってたら、この本自体が短編集だったんですね。 当時の社会のかんじが分からないから、いまいち頭に絵が浮かばず、頭を使って補正するからすんごい疲れるのね。日本文学は。 事象に対する自分の気持ちが書いてある分には、同じ人間の感情だから興味持って読めるけど、情景説明をいろんな表現でされると、元の情景が分からんからもう。 病気がちってのもあって終始アンニュイな雰囲気だから、自分も人生の猶予期間(大学生とか転職期間とか)みたいなときに読めば、もっとアンニュイに浸れたのかなぁと思う。するめのように何度も読んで楽しめる作品なんだろうなぁと思った。(読まないけど)(珍味もソフト系の方が実際好きだし)(なにw) ◆内容 31歳という若さで夭折した著者の残した作品は、昭和文学史上の奇蹟として、声価いよいよ高い。その異常な美しさに魅惑され、買い求めた一顆のレモンを洋書店の書棚に残して立ち去る『檸檬』、人間の苦悩を見つめて凄絶な『冬の日』、生きものの不思議を象徴化する『愛撫』ほか『城のある町にて』『闇の絵巻』など、特異な感覚と内面凝視で青春の不安、焦燥を浄化する作品20編を収録。
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退廃的というのはこういうことをいうのかなあ。心身ともに苦しくて、その苦しみがあることで同時に生命の存在を強く感じる、みたいな感覚があった。100年も前なのか〜。 【読んだ目的・理由】古典が読みたかったから 【入手経路】買った 【詳細評価】☆3.8 【一番好きな表現】ーー吾々は「...
退廃的というのはこういうことをいうのかなあ。心身ともに苦しくて、その苦しみがあることで同時に生命の存在を強く感じる、みたいな感覚があった。100年も前なのか〜。 【読んだ目的・理由】古典が読みたかったから 【入手経路】買った 【詳細評価】☆3.8 【一番好きな表現】ーー吾々は「扇を倒にした形」だとか「摺鉢を伏せたような形」だとかあまり富士のかたちばかりを見過ぎている。あの広い裾野を持ち、あの高さを持った富士の容積、高まりが想像出来、その実感が持てるようになったら、どうだろうーー(本文から引用)
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もしも同じ場所に立ち、同じ景色を眺めたとしても自分と梶井基次郎とでは見えている世界がまるで違うんだろうな。
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檸檬、桜の木の下、Kの昇天、ある崖上の感情など。 当時の肺結核が人々に与えた絶望感は凄まじいものであったと思う。 梶井基次郎も肺結核を患ったなかでの作品であるがゆえに、死がすぐ真後ろにいるような物語が多い。 頽廃的で陰鬱な雰囲気でありながら、ときに郷愁的で物哀しく美しい筆致で、令...
檸檬、桜の木の下、Kの昇天、ある崖上の感情など。 当時の肺結核が人々に与えた絶望感は凄まじいものであったと思う。 梶井基次郎も肺結核を患ったなかでの作品であるがゆえに、死がすぐ真後ろにいるような物語が多い。 頽廃的で陰鬱な雰囲気でありながら、ときに郷愁的で物哀しく美しい筆致で、令和風に言うとエモい。 月の光による自分の影をじっと見ていると、生物の気配があらわれてくる。 電燈の光線ではなく月の光がいちばんいい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読みずらい話が多かったが、"檸檬"は相変わらず落ちが面白い。泥濘、Kの昇天、桜の樹の下には、器楽的幻覚、冬の蝿が特に面白かった。 影とドッペルゲンゲル。私はこの二つに、月夜になれば憑かれるんですよ。この世のものでないというような、そんなものを見たときの感じ。その感じになじんでいると、現実の世界が全く身に合わなく思われてくるのです。だから昼間は阿片喫煙者のように倦怠です。 K君は、影は阿片の如きものだ、と云っていました。若し私の直感が正鵠を射抜いていましたら、影がK君を奪ったのです。(Kの昇天) 私は腑甲斐無い一人の私を、人里離れた山中へ遺棄してしまったことに、気味のいい嘲笑を感じていた。(冬の蝿)
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レモンの爽やかな香りと、綺麗なレモンエロウの色が、鬱々なとした雰囲気の中で際立って感じられた。 ゴッホの「夜のカフェテラス」がふと思い浮かんだ。
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気怠げな静謐感。 言葉にすると矛盾したような空気感が、一貫して漂っている。 空間や時間の描写にも湿度を感じ、読みながら、その空間に身を置いたような感覚にも陥る。内面凝視で、様々な感情の揺れを感じる。 1920年代に書かれてるから、よくわからない言葉が出てくるんだけど、それを調べ...
気怠げな静謐感。 言葉にすると矛盾したような空気感が、一貫して漂っている。 空間や時間の描写にも湿度を感じ、読みながら、その空間に身を置いたような感覚にも陥る。内面凝視で、様々な感情の揺れを感じる。 1920年代に書かれてるから、よくわからない言葉が出てくるんだけど、それを調べて、使われなくなった言葉の背景を想像するのも面白い。 それでも何故か、読後は気分スッキリする。 格調高い文章って、こういうのを言うのかなと、根拠はないけれど何となくそう思った。
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