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ひかりごけ の商品レビュー

3.8

65件のお客様レビュー

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 「人肉食い」がテー…

 「人肉食い」がテーマの表題作を含む、4つの短編が収められている。「ひかりごけ」では、何があったのか最初に提示し、後半は戯曲の形で進行していく。人肉食いなど「言語道断」と裁判で糾弾していく描写はすさまじく、一気に読み進めてしまった。エンディングでは、思わず「えーっ!」と声がでた。

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「人肉喰い」というテ…

「人肉喰い」というテーマを、戯曲形式を交えたアバンギャルドな手法で綴った名作。

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ひかりごけを含む短編…

ひかりごけを含む短編4つ。人食いの話であれだか寸劇のやりとりは面白い。

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ひかりごけを始めとす…

ひかりごけを始めとする短編中篇4編が収められている。『ひかりごけ』は、雪と流氷に閉ざされた北海の洞窟の中でのカニバリズムを描いた作品。戦争末期、難破した輸送船の船長が2ヶ月ぶりに帰還し一時は英雄ともてはやされるものの、実は乗組員の人肉を食べて生き延びていたことが判明するという話。...

ひかりごけを始めとする短編中篇4編が収められている。『ひかりごけ』は、雪と流氷に閉ざされた北海の洞窟の中でのカニバリズムを描いた作品。戦争末期、難破した輸送船の船長が2ヶ月ぶりに帰還し一時は英雄ともてはやされるものの、実は乗組員の人肉を食べて生き延びていたことが判明するという話。非常に重い話である。飽食日本の危うさを感じる。

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「ひかりごけ」は戯曲…

「ひかりごけ」は戯曲形式。ラストのどんでん返しには納得してしまいました。

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2025/09/16

「人間でありながら人間以外の何ものかとして生きることを余儀なくされた若き僧侶」という紹介文に惹かれ、この本を手に取った。 人間の際は想像以上に手前にある。その向こうには何があるのか、何が見えるのか。出家者、食人者。彼らの話に魅かれてしまう。 一方で、「この世の「生」について、つま...

「人間でありながら人間以外の何ものかとして生きることを余儀なくされた若き僧侶」という紹介文に惹かれ、この本を手に取った。 人間の際は想像以上に手前にある。その向こうには何があるのか、何が見えるのか。出家者、食人者。彼らの話に魅かれてしまう。 一方で、「この世の「生」について、つまずいたり、ころがったり、密着したり巻き込まれたり」したいと思っている。これがなかなか人並みにできないから、人の際を越えて一挙的な解決を図ることに憧れるのだろう。 人を越えたい、世を越えたい。超えた先をこの目で見てみたい。 「私は茫洋たるもの、模糊として捉えがたいもの、たとえば山水画にあらわれた中国大陸のとめどない岩と水と樹木の重なり合うそのまた奥の白雲たちこめる宇宙の一角にあこがれていた。」仙境に魅かれる心をこれほど的確に表した文章が存在するか。

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2025/06/14

表題作のことを知らなくて、昔そんな名前の芸人がいたななんて軽い気持ちで手に取ったらだいぶ陰鬱な作品だった 極限状態での葛藤とか、人の本性の恐ろしさとか、今書こうと思っても書けるものではないだろうな 戦争を経験している人にしか出せない凄みがある

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2025/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

192ページ1行目に「私たち肉食獣」とあるのに気付いたときは驚いた。 戯曲部分で皆の首の後ろに光の輪が点る。船長は西川に人を喰うと「普通の人間」じゃなくなると言うが、そもそもその「普通の人間」は我々(劇中の検事を含む)が考えているような平和的なものなのか? 作者は「私たち肉食獣」と記すことで戯曲部分への伏線を張っていたのだ。

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2025/05/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

流人島にて:冒頭、その島にたどり着くのがどんなに難しいかの描写。流人島であったH島から不良が送られるQ島は最果ての僻地で、秘密を持った人々がいる。主人公はそこに隠れ住む男に殺された(はずが漂流中に救助され生き延びた)非行少年。男の過去を調べ上げ、周囲に気づかれずに一定の復讐を果たし、何食わぬ顔で東京に戻る。(素朴な疑問:人はなぜそこまで人を害することができるのか。自分の暴力を正当化するためにさらに過激化するのか。瀕死になったら、焦っていっそ殺して隠そうとするのか) 異形の物:仏門の修行の場。集団生活。指導層による体罰をきっかけに修行集団がストライキして交渉成功。ただ体罰の背景は、修行者集団が、ごく一部を除いてだらしなく、僧侶にふさわしいのかという疑問に誘導、最後は内輪ゲンカの暴力を予感させる。 ひかりごけ:解説によると、ノンフィクションで設定を語り、それを戯曲にして、最後はフィクションで閉じる手法が革命だったとか。テーマは、人食いがおこった極限での心理とその後。死にゆく人が食べられたくないと言い、次に死ぬ人は食べて生き残って証言してくれと言い、しかし証言するはずの人は生き残れずに食べられた。生き残った船長のは裁判(フィクション)で死刑となるであろうが、「我慢」発言は関係者に理解不能で裁判を混乱させる。作者の意図は、人を食って生き延びた人にも、自己嫌悪を「我慢」して生き続ける苦しさがある、ということか。現実の船長は無罪で生き延びた。この作品の発表は生前?。作者と船長は一度会っている。

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2025/05/12

おもしろくて一気に読んだけどめちゃくちゃ疲れた。 情景描写がかなり多い。想像が追いつかないところもあるけど、ストーリーにも台詞にも引き込まれる。 「ひかりごけ」の第二幕、裁判のシーンは検事の言っていることがすごく浅いというか、人間社会の中だけのルールの話をしていて、そもそも人間は...

おもしろくて一気に読んだけどめちゃくちゃ疲れた。 情景描写がかなり多い。想像が追いつかないところもあるけど、ストーリーにも台詞にも引き込まれる。 「ひかりごけ」の第二幕、裁判のシーンは検事の言っていることがすごく浅いというか、人間社会の中だけのルールの話をしていて、そもそも人間は動物であるという視点が根本的に欠けているように感じられ、でもそれはわたしたちが普段持ち合わせている意識そのものなのだよな〜と思った。 4つの短編全部、舞台も状況も違うのだけれど、人間という大きなひとつの集団のなかの、細分化されたレイヤー、絶対にその境界を踏み越えることはできない別世界の存在を感じて絶望する。わたしたちは自らに課されたあらゆる属性によって様々な層に分類され、それらがどれほど混沌としているといえど、絶対に交わらない部類というものが存在する。

Posted byブクログ