ビルマの竪琴 の商品レビュー
10月初旬にビルマの隣国タイへ旅行したが、読まう読まうと思ってゐた本書をふと書店で見かけたので、購読した。 著者の執筆の動機は「義務を守って命を落とした人たちのせめてもの鎮魂をねがうことが、逆コースであるなどといわれても、私は承服することはできません。」である。「童話」である事に...
10月初旬にビルマの隣国タイへ旅行したが、読まう読まうと思ってゐた本書をふと書店で見かけたので、購読した。 著者の執筆の動機は「義務を守って命を落とした人たちのせめてもの鎮魂をねがうことが、逆コースであるなどといわれても、私は承服することはできません。」である。「童話」である事にも驚いた。昭和21年から23年にかけての作品であるが、今こそ老若男女へ読み伝へるべき本だと思ふ。
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微妙な作品。設定に無理があったりするのは、児童向けに書かれたためであろうか。戦争の無力感は伝わってくるし、駄作というほどのものではないが、やはり微妙。
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実はきちんと読んだことが無かったので図書館で借りてみました。水島さんが何故異国に残る決意をしたのか知らなかったのでそういうことか、と思いました。 戦後、善悪の尺度が180度変わり、それにより翻弄された人々の怒りが軍部や警察に向かったのはわかります。が、それと同時に特に弊害を受け...
実はきちんと読んだことが無かったので図書館で借りてみました。水島さんが何故異国に残る決意をしたのか知らなかったのでそういうことか、と思いました。 戦後、善悪の尺度が180度変わり、それにより翻弄された人々の怒りが軍部や警察に向かったのはわかります。が、それと同時に特に弊害を受けていない人々が声高に戦前の状況を非難することに対しおかしいと思っていた人たちは居たのだなと思うと何となくほっとする思いです。ベトナム戦争で金持ちの息子はヒッピーになり徴兵を免れたのに対し、貧民層は徴兵されベトナムに行かざる負えなかったという歴史を思い出しました。 もう戦争なんて起こさないようにしないといけませんね。
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「おーい、水島、一緒に日本にかえろう。」 「ああ、やっぱり自分は帰るわけにはいかない!」 石坂浩二が隊長役やってた版の映画、けっこう面白かったかも
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児童文学だが、実に思想的。 ちょうど今の中東の情勢や、国内の貧富の差による二極化に目を向け直すのにピッタリの一冊。本来、人間はどうあるべきかを改めて考えずにはいられなくなる。
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ノンフィクションじゃないかと間違うほど、戦時下のビルマで戦う日本兵の姿を克明に描いている。読みやすい文体だが決して内容が軽い訳ではない。ビルマ人と日本人の生き方においての比較を随所に出し、生きる上で本当に大事なものとは何なのか、読者に問いかける。
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若いが寡黙で、男気のある竪琴の演奏者である水島兵を含む日本部隊の本国への帰還までの物語。友人から借りて読んだが、引き込まれる様に、読んだ。友人自身は、「読みにくい本」と称していたが、むしろ私には入り込みやすかった。 穏やかに生きる人達の居る東南アジア(中国 韓国等は除く)を旅す...
若いが寡黙で、男気のある竪琴の演奏者である水島兵を含む日本部隊の本国への帰還までの物語。友人から借りて読んだが、引き込まれる様に、読んだ。友人自身は、「読みにくい本」と称していたが、むしろ私には入り込みやすかった。 穏やかに生きる人達の居る東南アジア(中国 韓国等は除く)を旅すると、感じる自分もアジア人で仏教徒であるという事を感じる作品。静かに穏やかな心の中の情景が広がる。 128ページのエピソードにも共感。口ばかり偉そうに言う人は、戦争中も戦後も、あまり役に立たない。黙々と働いている人は、それらの人にバカにされながらも、黙々と働いており、こういった方の数が多ければ、日本が再興するのではないかと書かれています。後書きによると、戦後間もなくの作品で検閲もあったようなので、はっきりとは書いてないのですが、無能でただ贅沢をむさぼる政治家と地をはって働く昔ながらのまじめな日本人の一般的な姿を象徴しているのではないかと感じました。今も、努力するのは格好悪いと低俗な芸能人ばかりにスポットライトがあたって、努力する子がださいとバカにされる風潮を嘆く自分自身の考えと重なりを感じました。 水島兵からの手紙には、穏やかに生きるアジアの人の方が、心が豊かなのではないかという事を記してあります。私もアジアを旅行したり、昔話の光景を見たりすると、今は大国の影響を受けている私達の国ですが、穏やかに農耕で自給自足で生きていた方が幸せなのではないかと、思ったりして、賛同します。 多いに考えさせられる、そして自分の仏教徒としての原点を見つめ返させられる作品でした。 児童文学として出版されたというのは、驚きでした。
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本当の幸福とは何かを問いかけてくる本。誰もが水島のように生きられないと分かりつつ、それでも彼のような慈愛を持って生きたいと思った。戦争で戦った人を一様に悪と罵った戦後の風潮の中で、昭和23年という年に本書が発刊された事実が偉大。そんな時代に、戦って命を落とした人への鎮魂を願って本...
本当の幸福とは何かを問いかけてくる本。誰もが水島のように生きられないと分かりつつ、それでも彼のような慈愛を持って生きたいと思った。戦争で戦った人を一様に悪と罵った戦後の風潮の中で、昭和23年という年に本書が発刊された事実が偉大。そんな時代に、戦って命を落とした人への鎮魂を願って本書を執筆した作者の優しさと強さに心から敬服する。
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小学生のときに映画を見んだけど、「なんで水島は帰らなかったんだっけ?」と気になって読んでみた。やはり名作でした。
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