暁の寺 の商品レビュー
前半はインド仏教、後半は老醜に起因する少女愛? 本多の冷酷さと明晰さ。 ジンジャンの純粋さと脆弱性。片言の日本語。 やっぱり三島は美少年は描けても美少女はだめだなんだなぁ。 インド仏教の記述はよかった。
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この作品は世間では難解と言われている。 確かに輪廻転生の突き詰めた話の部分 (40ページぐらい展開されている) は相当理解が困難な文章であったが、他の大部分は、 「豊饒の海」をここまで読んできた人なら、 きっと読みこなせることだと思う。 これもよく言われることだが、 タイとインド...
この作品は世間では難解と言われている。 確かに輪廻転生の突き詰めた話の部分 (40ページぐらい展開されている) は相当理解が困難な文章であったが、他の大部分は、 「豊饒の海」をここまで読んできた人なら、 きっと読みこなせることだと思う。 これもよく言われることだが、 タイとインドの情景描写が非常に素晴らしい。 情景がえもいわれぬ迫力を持って 読者の前に迫ってくるのである。 炎…暁の眩しい太陽…熱帯の深緑の中に聳え立つ煌びやかな寺院…。 その他にも、様々なイベントが散りばめられていて 読者を飽きさせない。最後の鬼気迫る展開も見ものである。 次の「天人五衰」を読むのが非常に楽しみだ。
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そもそも、なんで三島由紀夫のこのシリーズを読もうと思ったのかというと、 タイに旅行に行ったときに暁の寺に観光に行って、ガイドさんに「三島由紀夫がこれをテーマにした作品かいてま〜す」とか言われたのがきっかけなんですが、 前作2冊の中で一番よくわからない感じで終わってしまいました。 ...
そもそも、なんで三島由紀夫のこのシリーズを読もうと思ったのかというと、 タイに旅行に行ったときに暁の寺に観光に行って、ガイドさんに「三島由紀夫がこれをテーマにした作品かいてま〜す」とか言われたのがきっかけなんですが、 前作2冊の中で一番よくわからない感じで終わってしまいました。 とりあえず今回の生まれ変わりはタイの御姫様ということで、テイストちがうかんじですね、はい。って感じ。 ごめんなさい、三島由紀夫あんまり上手に読めませんので。。。
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2010/6/26購入 邱永漢さんの本棚より 未読 三島由紀夫が死ぬ前日?邱さんの家にこの本を持ち訪れたそうです。
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豊饒の海、第三巻。テーマは「性」 三度、本多が出会ったのはタイの幼い姫。 この巻の冒頭部分は、ちょっと厄介でした。笑
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ちょっと驚いた! 二巻は「笹百合」登場でアシュか!とテンションあげたら、三巻では「サティ」ってのが出てきたよ! なんだコレ! いやいや、実際は「サティ」なんて一言しかでてこないし、もちろん某ナーサティア兄様のことではないんですけれども。インド神話・シヴァ神の妻の一人がサティで、そ...
ちょっと驚いた! 二巻は「笹百合」登場でアシュか!とテンションあげたら、三巻では「サティ」ってのが出てきたよ! なんだコレ! いやいや、実際は「サティ」なんて一言しかでてこないし、もちろん某ナーサティア兄様のことではないんですけれども。インド神話・シヴァ神の妻の一人がサティで、その像が寺にあったってだけなんですけれども。 いやぁ、三巻はインドが舞台でもあるのでインドの風は濃密に嗅いだんですが、まさか、ね、二巻に引き続いて常世の風が吹いてくるとは思わないじゃないですか。なんなんだ三島先生、四巻では誰がでるんですか、シャニですかリブですか皇ですかムドガラさんですか!ってなもんです。変に期待に胸が膨らんでしまうよ、どうしてくれるんだ! 頑張って期待しないで読もう(なんか方向性が間違っている) 肝心の内容ですが……女体の美しさの賛辞が零れんばかりです。最後は衝撃でした。つーか、あの本多君がっ、と涙を呑みました。若いってやっぱすごいことなんじゃなかろうか。
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「すべての観念、すべての神々が、力をあわせて巨大な輪廻の環の把手をまわしていた。」(87頁)という表現が、タロットの10番目のカード「運命の輪」を思い起こさせました。 その他にも、「時間とは輪廻の生存そのものである」「無我の流れ(=阿頼耶識)が生死に輪廻する」「縁生としての個人の...
「すべての観念、すべての神々が、力をあわせて巨大な輪廻の環の把手をまわしていた。」(87頁)という表現が、タロットの10番目のカード「運命の輪」を思い起こさせました。 その他にも、「時間とは輪廻の生存そのものである」「無我の流れ(=阿頼耶識)が生死に輪廻する」「縁生としての個人の存在は焔のような「事象の連続」」といった言葉が印象的でした。 インドの描写は壮絶で、私はかつて『深夜特急』でインドの魅力に触れたけど、それをはるかに上回る圧倒的な筆力でした。すべてを四大にかえす<焔>の印象が強烈にあります。 起承転結の「転」にあたる『暁の寺』は、「若者の純粋さ」がいきいきしていた前の2作と雰囲気がかなり異なっていて、「人の持つ醜さ」が全面に出されていたように思います。 タイの案内人菱川にしろ、今作主人公の本多さんにしろ、妻のリエさんにしろ、マキコさんや椿原夫人や・・・。わけても「女」が醜く描かれていると思います。まだ生きてた蓼科さんなんか、キョーレツです。三島は女が嫌いだったんでしょうね・・・。何かに付け、女が美化されて小説に登場する谷崎とは本当に正反対です。 谷崎といえば谷崎の「秘密」という短編小説を読んだことがあります。主人公の小説家(男)が、街で見かけた女物の着物に惹かれて、それを買い、自分で着てみて化粧をし、女になりきって往来を歩く。うまく女に見えているらしく、その「秘密」にドキドキする主人公、という小説でした。谷崎はその(ヤバイことしてるという)秘密を「美」とか「粋」の対象としてとらえているわけです。 だけど、三島は夜の公園でのぞきをやってる本多を「醜」の対象としてのみ描いているわけで、、、どちらも「美」を求め続けた大作家ながら、その考え方は正反対のようです。
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四部作の三番目です。起承転結の転のところでしょうか。 転生についての転です。二部までは確実に転生している、と思われたのが、今回は非常に曖昧でした。 しかし、女であり、タイの王女である月光姫がああいう死に方をするなんて……と絶句するところもありましたが、実は双子だったなんてそういう...
四部作の三番目です。起承転結の転のところでしょうか。 転生についての転です。二部までは確実に転生している、と思われたのが、今回は非常に曖昧でした。 しかし、女であり、タイの王女である月光姫がああいう死に方をするなんて……と絶句するところもありましたが、実は双子だったなんてそういうオチはないだろう、と突っ込みたくなりました。 ややこしや〜ややこしや〜。 転生についてとか、宗教についての説明文がやたら長かったのが印象的でした。 でも、面白かったんですけどね。
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今度の主人公はタイの姫に転生していました。 本多は日本に留学に来た姫に恋心を抱き、誰にも見られていない姫を一目見たいと、別荘に誘い覘き穴をつかって覘き見をしますが、姫がレズビアンであることを知った上、松枝清顕・飯沼勲の生まれ変わりであるという確信も得て、驚愕します。 第1作・2作...
今度の主人公はタイの姫に転生していました。 本多は日本に留学に来た姫に恋心を抱き、誰にも見られていない姫を一目見たいと、別荘に誘い覘き穴をつかって覘き見をしますが、姫がレズビアンであることを知った上、松枝清顕・飯沼勲の生まれ変わりであるという確信も得て、驚愕します。 第1作・2作とは違った趣の、気だるく官能的な作品でした。
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三部---マニカルニカガートがまざまざと描写されているくだりにむせび泣く。 三島の死への考え方を変えたんだろうなぁ。思想はともかくとして。
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