美しい星 の商品レビュー
三島由紀夫の作品は二冊目だったが、独特の世界で最初はとまどったけど、これも三島 ワールドならではだと思える一作。
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40年前、既に彼には未来が見えていたのでは、と思わせる。 現代で人は、政治や社会、果ては戦争や暴力に人々は不安を持つ。 そういう人間が最後に頼るのは一体なんであるだろうか。人間の与り知らない未知の世界に救いを求めるのがひとつの方法だと思う。 宇宙人という非常にSFチックな存在が...
40年前、既に彼には未来が見えていたのでは、と思わせる。 現代で人は、政治や社会、果ては戦争や暴力に人々は不安を持つ。 そういう人間が最後に頼るのは一体なんであるだろうか。人間の与り知らない未知の世界に救いを求めるのがひとつの方法だと思う。 宇宙人という非常にSFチックな存在が、単なる宇宙人でなく、現代の日本と隣り合わせの存在として描かれている。
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昭和37年刊。長男が誕生した頃に書かれている。体裁は、純文学の三島には珍しいSF小説なのだが、そこに登場する一家の名を借りて、三島の政治、文明、思想を表現している。当時の時代的な背景の下に、核兵器による人類の滅亡という未知の不安や人類の行く末を案じる姿を描き、痛烈な現代の日本(人...
昭和37年刊。長男が誕生した頃に書かれている。体裁は、純文学の三島には珍しいSF小説なのだが、そこに登場する一家の名を借りて、三島の政治、文明、思想を表現している。当時の時代的な背景の下に、核兵器による人類の滅亡という未知の不安や人類の行く末を案じる姿を描き、痛烈な現代の日本(人)に対しての批判をしているように思える。それは、40年以上を経た現在のわが国の惨状を予見しているように思えて仕方が無い。 SF的な手法でありながら、深く読み進むうちに宗教的な表現が、巧みに散りばめられている事に気づく。宗教の本質的な部分である「死」と、その後の魂が、宇宙とどのようにかかわっていくのかというテーマを三島は、後に輪廻転生ということとリンクして、遺作となる『豊饒の海』で、その思想を成熟させて表現している。したがって、本作は、その初期段階の作品といえるのかもしれないと考えるのは、深読みであろうか。
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一人一人のキャラクターの立った一家ものにはどうも惹かれる その1 初めて読んだ三島由紀夫の作品。これを読んでた最中は、ただただ この人すごい と繰り返していた。 SFの要素あり、哲学あり、そして社会風刺もあり。 私に身近な街が舞台になっているというのも好きな理由の一つ。
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三島由紀夫の作品ですが、気楽に読めます。自分は宇宙人であると信じる一家……読みながら頭の中に浮かぶビジュアルはぜったい魔夜峰央……
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