金閣寺 の商品レビュー
美に取りつかれた少年僧の物語、三島由紀夫の美しい日本語で表現されております。 感情や描写を日本語でしか表現できない言葉で、描かれており、ただただ圧倒されます。 読むのに少し体力がいる気がします!笑 ですが、これぞ美しい日本語と言われる三島文学の最高傑作と呼ばれるこの作品是非読...
美に取りつかれた少年僧の物語、三島由紀夫の美しい日本語で表現されております。 感情や描写を日本語でしか表現できない言葉で、描かれており、ただただ圧倒されます。 読むのに少し体力がいる気がします!笑 ですが、これぞ美しい日本語と言われる三島文学の最高傑作と呼ばれるこの作品是非読んで頂きたく思いますー。
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言うまでもなく、1950年の金閣寺放火事件をテーマとした、放火犯視点での一人称独伯形式の小説。 インタビューに基づくドキュメンタリーでは勿論なく、報道から想像を膨らませて書いた作品、ということで、どこまで犯人の内面に迫っているのか分からないが、フィクションとして読む分には、全くも...
言うまでもなく、1950年の金閣寺放火事件をテーマとした、放火犯視点での一人称独伯形式の小説。 インタビューに基づくドキュメンタリーでは勿論なく、報道から想像を膨らませて書いた作品、ということで、どこまで犯人の内面に迫っているのか分からないが、フィクションとして読む分には、全くもって理解不能というほどの狂人ではなかった。(それがこの事件をテーマとした作品群における各作者の腕の見せ所なんだろう。) モデルの犯人は、この作品の連載が始まってほどなく、1956年3月に結核と統合失調症で亡くなっているようなので、犯人自身がこの作品を読んでどう思ったか?という点は、(多分読んでないのだろうが)確認出来ないのが残念だ。
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三島由紀夫の作品を初めて読んだ。 圧倒的な比喩表現とボキャブラリー。 金閣寺を放火するという結末がわかっている上で、 主人公の気持ちや考えがいかに放火に突き動かされていくかを詳細に描かれていた。 この世界を変えることについて 主人公は行動、柏木は認識という考えは納得。
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“混沌” 高校生の授業以来、文学作品。 知らない間に、人生の不安に駆られてしまう。 それも気づいたらって感じで。 「将来何になりたいかな」 「自分の将来ってどうなってんだろう」 「幸せって何だろう」 大学生なら誰しも、こんな問いを考えたことがあると思う。 読みながらそれを...
“混沌” 高校生の授業以来、文学作品。 知らない間に、人生の不安に駆られてしまう。 それも気づいたらって感じで。 「将来何になりたいかな」 「自分の将来ってどうなってんだろう」 「幸せって何だろう」 大学生なら誰しも、こんな問いを考えたことがあると思う。 読みながらそれを再び考えてしまった。 それも、マイナスなことばかり考えてしまう。 ちょっと油断すると、そっちの世界に入ってしまうような。 何度、自分自身を律したか。 別にマイナスに考えることが悪だと言いたいんじゃない。 世の中にはそれで苦しんでいる人だっていっぱいいて、 自分は環境と運に恵まれている。 それでも私は、マイナスに考えすぎていいことが起きるのが人生ではないと思う。 悲観的に考えたうえで、最後は楽観的になる。 「何とかなるよね。」って。 最後に楽観的になれれば、しんどくなりすぎないと再認識した。 自分にはこれがあっている。 「自分の頭脳の編み出した無数の理由が、自分でも思いがけない感情を私に強いるようになる。その感情は本来私のものではない」 「しかし変ったことを仕出かせば、又人はそのように見てくれるのじゃ。世間は忘れっぽいでな」 このもやもや、誰かと共感できるのかな。。
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被写体の選択行為とは。「荒涼とした風景」を表現した写真を観ての感想である。JGバラードの「結晶世界」というSFがある。タイトルの通り精神病患者の「荒涼」(結晶世界)とした心象風景を表現した作品であり名著と呼ばれている。SFには外の宇宙(スターウォーズのような作品)を表現した作品だ...
被写体の選択行為とは。「荒涼とした風景」を表現した写真を観ての感想である。JGバラードの「結晶世界」というSFがある。タイトルの通り精神病患者の「荒涼」(結晶世界)とした心象風景を表現した作品であり名著と呼ばれている。SFには外の宇宙(スターウォーズのような作品)を表現した作品だけでなく人間の内面の宇宙を表現した作品がある。文学作品でも三島由紀夫の「金閣寺」は人間の精神をシンボリックに表現した作品だし、映画作品でも「地獄の黙示録」はベトナム戦争を描きながら、人間の内面への旅路を表現した作品である。写真でもカメラマンの内面が表現される傾向は存在する。「荒涼とした」あるいは「殺伐とした」風景を好んで撮る行為には、カメラマンの精神性がそのまま現れる。被写体を選びシャッターを切る行為により心象風景が投影されるのである。春の「桜」や秋の「紅葉」だけが被写体ではないと思う。真摯に自己の精神と向き合えばシャッターボタンを押す行為にも内面が表現されることに気が付くであろう。写真技術を学ぶだけではなく文学作品に親しみ、そこから精神性を学ぶことにより、新しい作品のヒントを学ぶことも出来るであろう。写真の表現の幅を広げる為に文学・哲学を学ぶアプローチもあると思う。ありきたりの論考であるが、人間としてこの世に生を受けてきたからには、人間を学ぶことが非常に重要だと思う。この辺は文芸評論家「小林秀雄」の影響が非常に大きい。
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三島由紀夫著『金閣寺 102刷改版(新潮文庫)』(新潮社) 2003.5発行 2018.5.3読了 金閣寺を放火した実際の事件を題材にした小説。主人公の青年僧はかなりの変質者だが、それを告白体で語る三島由紀夫もまた変質者だ。何せ『金閣寺』を発表した14年後に自決しているのだか...
三島由紀夫著『金閣寺 102刷改版(新潮文庫)』(新潮社) 2003.5発行 2018.5.3読了 金閣寺を放火した実際の事件を題材にした小説。主人公の青年僧はかなりの変質者だが、それを告白体で語る三島由紀夫もまた変質者だ。何せ『金閣寺』を発表した14年後に自決しているのだから。生粋の吃りと寺の子という立場、敗戦の経験。外界から疎外されながらも、いや、外界から疎外されているからこそ、金閣寺という絶対的な美に囚われ、その美の対極に自分自身を配置することでしか存在意義を見出せなかった。青年僧は金閣寺を放火することで、人生を取り戻したかったのだ。この小説は三島由紀夫自身の暗黒の思想を告白したものなのだろうか。 URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000004352165
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内容的には読み難い異常な独白文ですが、すらすら読ませ切る文章の美しさと表現の迫力がすごい。 内向と卑屈を極めて、アイデンティティとした彼の言動や思考の幼稚さは目に余りますが、自分の劣った点を特別視し、内面で肥大化させてしまう傾向を持ち合わせている人は、自分含め、少なくないんじゃ...
内容的には読み難い異常な独白文ですが、すらすら読ませ切る文章の美しさと表現の迫力がすごい。 内向と卑屈を極めて、アイデンティティとした彼の言動や思考の幼稚さは目に余りますが、自分の劣った点を特別視し、内面で肥大化させてしまう傾向を持ち合わせている人は、自分含め、少なくないんじゃないかと思いながら読んでました。 ラストの彼の姿は、彼の金閣を焼く目的と気持ちよく合致しており、その整合性・解放感には小説的な美しさを感じて好きです。
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何故燃えたのか金閣寺、三島由紀夫の解釈はこうなんだろうな。言い回しが読みにくいが、それが天性のもので、凡人の私には難しい
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以前読んだときは途中で読むのをやめてしまったので、今回はじめて最後まで読んだ 読書を娯楽と捉えると、この手の作品は重過ぎる 実話を元にした話ではあるが、主人公の性格はきっと三島の想像だろう 何もかもを他人のせいにする男で好感は持てず、同情もわかないが、それはそのように書いた...
以前読んだときは途中で読むのをやめてしまったので、今回はじめて最後まで読んだ 読書を娯楽と捉えると、この手の作品は重過ぎる 実話を元にした話ではあるが、主人公の性格はきっと三島の想像だろう 何もかもを他人のせいにする男で好感は持てず、同情もわかないが、それはそのように書いたのだろう 読書初心者には根気のいる作品
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終始暗く、文章が難しく、読むリズムが崩されるのがbadな点。 正直、何とか読み切ったと言ったところ。 個人的に、小説は読む際のリズムが重要だと思っているが、本作ではどうもリズムが取りづらかった。
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