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黒い雨 の商品レビュー

3.9

212件のお客様レビュー

  1. 5つ

    52

  2. 4つ

    77

  3. 3つ

    55

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    1

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2020/09/10

日本に生きている以上避けては通れない原爆、中学の頃読み通せなかったものをようやく最後まで辿り着けました。石炭会社や軍部との関係などが少しわかりづらく、黒い雨にうたれた矢須子さんについてもう少し踏み込んで欲しかった。全滅、という言葉が出るたびに胃がぎゅっとなった

Posted byブクログ

2020/08/18

積読でありながら、今まで避けてきてしまった作品。高校の教科書で習った時から、原爆被害の描写が衝撃的で、読まなきゃいけないけど、どうしても手が出なかった。しかし今年、戦後75年の節目ということもあり、勇気を出して読んだ。 この作品は、ありがちな戦争小説、原爆小説のように、被害の生々...

積読でありながら、今まで避けてきてしまった作品。高校の教科書で習った時から、原爆被害の描写が衝撃的で、読まなきゃいけないけど、どうしても手が出なかった。しかし今年、戦後75年の節目ということもあり、勇気を出して読んだ。 この作品は、ありがちな戦争小説、原爆小説のように、被害の生々しい描写で恐怖を与えて、NoWarを訴えるものとは違った。原爆投下の日から終戦までの数日間を、回想日記の形で示している。日常の中の原爆、あくまで日常の中での大きな被害が描かれていて、尚更胸が締められる思いもするが、「生き残ったから生きなきゃのらない」その生活が一番の主題となる。だから、恐怖ばかりが強調されるわけでなかったから、より深く原爆について考えることができた。

Posted byブクログ

2020/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

田中好子主演「黒い雨」が頭にあり、原爆に翻弄された矢須子の話だと思い込んでいた。それが原爆投下後の重松日記を延々と読むことになりがっかり。映画を見てないが映画もそんな内容なのか? 今は「こんなひどいことがありました」だけでは伝わらないと思う。聞き飽きたとは言わないが、たくさんのひどい話の一つにしかならない。なぜ核兵器を無くす必要があるのか? それは一瞬にしてあるべき未来を奪うからで、そこを伝える必要があると思う。だから、この本では矢須子の話が中心にあった方がよかった。

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2020/08/13

課題で読まされた本 描写がリアルで読み進めるのがしんどかった 一生のうちで読んでおきたい、知っておきたい話ではあるけど中学生のうちに読むのは少し辛かった……

Posted byブクログ

2020/07/26

言葉では、言い表せないような凄惨な場。 それを言葉にして、見事に描ききる。 体験していない僕たちは、このような文学や体験記でしか知り得ることができない。 想像も絶する、世界だったのだろう。 言葉のひとつひとつから、滲み出る凄味がある。

Posted byブクログ

2020/07/20

高校三年生の時に感想文を書く宿題を結局やらずにやり過ごしてしまった本をようやく読んだ。 黒い雨というタイトルから凄惨な原爆投下後の広島の姿が描かれるかと思いきや、まさしくその通りなんだけど、語りの構造が、原爆投下の頃の日記を終戦後に清書するという形で間接的になっているせいか客観性...

高校三年生の時に感想文を書く宿題を結局やらずにやり過ごしてしまった本をようやく読んだ。 黒い雨というタイトルから凄惨な原爆投下後の広島の姿が描かれるかと思いきや、まさしくその通りなんだけど、語りの構造が、原爆投下の頃の日記を終戦後に清書するという形で間接的になっているせいか客観性が強まっているし、終戦後の生活に原爆が与えた不自由さが物語の大きな主題になっていると感じられるので、原爆被害そのものよりも、戦争に翻弄される市井の人々の押し殺された感情が浮かび上がる。とても技巧的な構造だけど文章は平易で明るさと鷹揚さのあるもので、広島の惨状がとてもよく伝わりつつもあまり暗くならないのが不思議に感じるほど。とはいえ決して軽いわけではなく、日常に入り込む悲劇というのは実際はこのようなものなんだろう。広島で起こったことと井伏鱒二の技量の双方に恐れを抱く。

Posted byブクログ

2020/02/04

広島の原爆の日々とその時の人々の暮らしが、とても生々しく再現されている。著者の表現力は凄まじい。ことばが古くて読みづらいときもあったけど、途中からその世界に引き込まれていった。 戦争ものだけど、ただ感傷に訴える物語ではなかったのが救いで、冷静に読むことができた。星4つに限りなく近...

広島の原爆の日々とその時の人々の暮らしが、とても生々しく再現されている。著者の表現力は凄まじい。ことばが古くて読みづらいときもあったけど、途中からその世界に引き込まれていった。 戦争ものだけど、ただ感傷に訴える物語ではなかったのが救いで、冷静に読むことができた。星4つに限りなく近い3つ。

Posted byブクログ

2019/10/20

僕らの世代は戦争を知らない世代だ。 子供のころに、はだしのゲンの映像を見て、戦争、原爆に対する恐怖を感じた。昔の写真週刊誌には時々知らない国の戦争の様子や死体の写真が載っていることもあったが、今では生々しい死体の写真すら見ることはなくなった気がする。 時にはグロも必要だと思う。で...

僕らの世代は戦争を知らない世代だ。 子供のころに、はだしのゲンの映像を見て、戦争、原爆に対する恐怖を感じた。昔の写真週刊誌には時々知らない国の戦争の様子や死体の写真が載っていることもあったが、今では生々しい死体の写真すら見ることはなくなった気がする。 時にはグロも必要だと思う。でないと人が何人死のうとイメージができないからだ。 娯楽的な戦争映画で戦争を学ぶのも良いと思うが、こういう戦時中の生々しさを描写してくれる作品で、より戦時中の悲惨さと、それでいながらの日常を知ることができました。

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2019/02/27

広島の原爆投下前後の状況を一般の夫婦とその姪を通じて描いている。自分が見たこと、人から聞いた話等を交えており、リアリティがあり、その悲惨さがよくわかる。 直接被爆していなくても、救助に向かった人、避難時に通り抜けた人が後々後遺症に苦しんだこともよくわかる。淡々とした記述だが、だ...

広島の原爆投下前後の状況を一般の夫婦とその姪を通じて描いている。自分が見たこと、人から聞いた話等を交えており、リアリティがあり、その悲惨さがよくわかる。 直接被爆していなくても、救助に向かった人、避難時に通り抜けた人が後々後遺症に苦しんだこともよくわかる。淡々とした記述だが、だからこそ引き込まれるものがある。 若い世代にも読み継がれるべき戦争作品の傑作と思う。

Posted byブクログ

2019/01/16

原子爆弾で破壊され尽くした広島。 終戦間際から終戦、そして数年後。 日記、記録の形で綴られる、その時。その後。 歴史の教科書では見えない市井の人たちの戦争。 今までぼんやりとしていた戦争が、視界に、胸に、迫ってくる。 とは言え、とにかく読みやすい。 夢中で読んだ。

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