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白痴 の商品レビュー

3.8

140件のお客様レビュー

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    35

  2. 4つ

    42

  3. 3つ

    37

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    4

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2015/05/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

★更新中★ 初・坂口安吾。青空文庫で読み進め中。 ☆白痴 現在は使われていない単語のため、具体的にどのくらいどういう状態を白痴と呼ぶのかは想像を巡らせるしかない。登場するとある女を明らかな白痴と表現しているけれど、物語を読んでいくと主人公本人も含めて、誰もが戦時下のどうしようもない中で、おかしな感じになっているのが物悲しい。 私たちが多くの戦争作品で出会う「欲しがりません勝つまでは」のような美しい国民像とはかけ離れた、ひとつの本当の姿を描いた作品なんだと思う。 途中で出てくるメディア批判にはニヤニヤさせられた。いつの世も意外と変わらないのかな。 ☆母の上京 ☆外套と青空 ☆私は海をだきしめていたい ☆戦争と一人の女 ★青鬼の褌を洗う女 何だろう、お妾さんの子供がお妾さんとして生きていく様を一人称で淡々と語る、不思議な作品。モデルがいるのかなぁ…すごく身勝手に思えるのにちっとも憎めない、不思議な魅力を醸し出している女性なのだ。男の人の目線でこういう作品を書くの、難しそうだと思うけど、女性作家が書いたら「ちっとも憎めない」女性にはならないと思う。上手く説明できないけど。その感性というか、バランスというか、この主人公の立たせ方が際立っていた。

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2015/02/19

ニヒリズムについて興味をもった。 いずこへが一番気に入った。 考える気力がないので次の本を探しに行く。

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2014/10/02

ぐっさりやられた、好き。体と頭、行動と思考の流れ。「あべこべに」なってしまう絶対的孤独感と強烈な理想主義はあまりに身近で同族嫌悪を感じるほど親しみがある苦しさ。それにすら冷たい視線を浴びせてひっくり返ってしまうところも。今回好きなのは<白痴><私は海をだきしめていたい><青鬼の褌...

ぐっさりやられた、好き。体と頭、行動と思考の流れ。「あべこべに」なってしまう絶対的孤独感と強烈な理想主義はあまりに身近で同族嫌悪を感じるほど親しみがある苦しさ。それにすら冷たい視線を浴びせてひっくり返ってしまうところも。今回好きなのは<白痴><私は海をだきしめていたい><青鬼の褌を洗う女>。特に<青鬼を~>は(現実的な事柄はともかく)母娘関係の苦しさが「まさにソレです!」と。受動的に選択していると、戦争に対するスタンスや見方がこういう姿勢の作品というのを手に取る機会が無いので新鮮でもあった。

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2024/01/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『全てがなんて退屈なんだろう、だけど、何故、なつかしい』 坂口安吾を読む女に碌な人はいないので目安にすればいいと思う。太宰治好きは自己顕示欲の強い女、芥川龍之介が好きな女は頭でっかちなだけの無知なのであしからず。そもそも、本を読んでるような女は表面は涼しそうな顔していても大概地雷なので、避けて通ったほうが良い。 坂口安吾はアウトローだったのか。私には分からないけれど、彼の言う堕落論は常に私の傍でトグロを巻いている。それは、見ているだけで痛々しく醜く、苦しくて辛いものだ。 彼はいずこへ。

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2014/06/10

青空文庫で『白痴』と『青鬼の褌を洗う女』のみ読了。 『白痴』は正直よくわからなかった。 『青鬼のー』はミステリーとかとは違う満足感。この作品に限ったことではないが、坂口さんの文章のリズムが好き。

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2014/01/15

戦後の退廃美。廃れた穏やかさが漂う。どの文もセンスがある。 私は海を抱きしめていたいがイチオシ。 私の冷たい心が、女の虚しい激情を冷然と見すくめていた。 なんとも哀れで癖になる。もう一度じっくり読むことにする。

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2014/01/04

表題作を含む7つの短編集。 「私はそのころ耳を澄ますようにして生きていた。」 「匂いって何だろう?」など、どの話も出だしの文章が特にかっこいい。 『青鬼の褌を洗う女』が好き。 希望がなくても生きていかなければならない人間臭さはわかるんだけど、 現実と理想のギャップにもっとじたば...

表題作を含む7つの短編集。 「私はそのころ耳を澄ますようにして生きていた。」 「匂いって何だろう?」など、どの話も出だしの文章が特にかっこいい。 『青鬼の褌を洗う女』が好き。 希望がなくても生きていかなければならない人間臭さはわかるんだけど、 現実と理想のギャップにもっとじたばたしている方が私は好みだ。 お屠蘇気分で読んでいたので、きちんと読み取れなかったかも。 またいつか読み返してみようと思う。

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2013/12/02

戦中、戦後を舞台にした短編集。そんなふうにいうと暗い話かと思われるかもしれないが、それだけではないのが面白いところ。短編ごとに違う人物の主観で語られていくのだが、境遇も違えば考え方もそれぞれで、興味深い。 男だけじゃなく、女の行動の裏側(理由とか)の描写が秀逸で驚いた。特に最後の...

戦中、戦後を舞台にした短編集。そんなふうにいうと暗い話かと思われるかもしれないが、それだけではないのが面白いところ。短編ごとに違う人物の主観で語られていくのだが、境遇も違えば考え方もそれぞれで、興味深い。 男だけじゃなく、女の行動の裏側(理由とか)の描写が秀逸で驚いた。特に最後の話「青鬼の褌を洗う女」は、たぶん傍から見たらいけ好かない女であろう主人公を、そちら側から描くことによって憎みきれない人物として存在させている気がする。好きとか嫌いとかではなくて、そういう人もいるんだなと思わせるような。

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2013/11/16

舞台が戦争の時代なのでその描写が克明にされているのですが、怖くないんですよね。とってもリアルな表現で臨場感たっぷりなのに、震え上がるようなことはない。そんな最中にも貞操観念とかそういうことばかり考えているのですか、というツッコミを入れてしまえるくだけた文章でした。

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2013/11/01

敗戦直前男女を描いた短編小説です。戦時中という不安定な世界での無常感とむなしさを感じました。短いので本が苦手な人にもオススメです。 九州大学 ニックネーム:山本五朗

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