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阿部一族・舞姫 の商品レビュー

3.7

54件のお客様レビュー

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鴎外のドイツ留学体験…

鴎外のドイツ留学体験が基となった「舞姫」は、やはり名編です。

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「舞姫」ドイツで知り…

「舞姫」ドイツで知りあった踊り子との悲恋。最後は踊り子が発狂してしまうのが悲しいー。

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教科書でならってから…

教科書でならってから、読み直してみました。舞姫は悲しい。男のずるさやひどさにむかむかしてきます。文章は鴎外らしく、難しくて慣れるまで時間がいりました。

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殉死を禁じられた阿部…

殉死を禁じられた阿部一族の悲劇を描いた「阿部一族」。自伝的要素の濃い「舞姫」の他もいくつか短編が収録されています。

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武士にとって仕えた主…

武士にとって仕えた主君の死に伴い、殉死を許されないことが一族末裔まで続く悲劇になるとは。なんとも悲しいすぎるお話です。

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2024/02/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

舞姫 確か初めて読んだのは中学生のとき。 そのときは、豊太郎はなんてクズなんだろうと思った。同じ女性として、捨てられたエリスがかわいそうだと思った。(読書感想文にも豊太郎の悪口を書きまくったように記憶している。) しかし、今、大人になって再読してみると、豊太郎が「ただのクズ」から「理解できるクズ」に変化していた。 位階をとるか、愛する女性をとるか。このチャンスを逃したら、もう二度と故郷での栄達は望めないかもしれない。そんなときに「当然、エリスを捨てて故郷での出世を選ぶんだよね?(意訳)」とまるで確定事項のようにお偉いさんや友人に言われてしまったら(しかもエリスのいない場所で!)、本心はどうあれ、「私はエリスを選びます」と言える人間はなかなか少ないんじゃないだろうか。豊太郎は積極的にエリスを捨てたわけじゃなく、いろんなものに流され続けた結果、エリスを捨てざるを得ない状況に追い込まれてしまったわけだ。 有名な最後の一節「嗚呼、相沢謙吉が如き良友は世にまた得がたかるべし。されど我脳裡に一点の彼を憎むこころ今日までも残れりけり。」これも以前読んだときは「他責思考の激しいクズ」としか思わなかったけれど、今読んでみるとこう言いたくなる豊太郎の気持ちもちょっと分かる。 自分も大人になったなあ…と少し苦い気持ちになった。 その他、「かのように」などを特に興味深く読みましたが、長くなったので感想は省略。

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2024/01/02

「舞姫」を読んだのは学生の時以来。豊太郎とエリスの気持ちが当時よりはわかるようになった。この間にベルリンのウンター・デン・リンデンも歩いたので情景描写も鮮明にイメージできる。 いまの価値観からしたら不可解な豊太郎の振る舞いではあるし、最後の言葉などはその最たるもの。でも時代背景や...

「舞姫」を読んだのは学生の時以来。豊太郎とエリスの気持ちが当時よりはわかるようになった。この間にベルリンのウンター・デン・リンデンも歩いたので情景描写も鮮明にイメージできる。 いまの価値観からしたら不可解な豊太郎の振る舞いではあるし、最後の言葉などはその最たるもの。でも時代背景や若者が立身出世を最上位の概念とする当時の考え方からすると違った見方もできる。これだけ読み継がれる理由もその辺りにあるのだろう。

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2023/02/10

20年漬けた梅酒みたいな一冊。よーーーーく味わってみると、たしかに費やされた長い年月に相当する滋味のようなものを感じることができる。 舞姫いいなぁ。古文調だからこその文章の美しさがある。妊娠の事実さえなければ国語の教科書に載りそうなのに勿体無い(何様か) 「余を以て色を舞姫の...

20年漬けた梅酒みたいな一冊。よーーーーく味わってみると、たしかに費やされた長い年月に相当する滋味のようなものを感じることができる。 舞姫いいなぁ。古文調だからこその文章の美しさがある。妊娠の事実さえなければ国語の教科書に載りそうなのに勿体無い(何様か) 「余を以て色を舞姫の群に漁するものとしたり。(17頁)」 「貧きが中にも楽しきは今の生活、棄て難きはエリスが愛(23頁)」 舞姫○ うたかたの記× 鶏△ かのように× 阿部一族○ 堺事件○ 余興△ じいさんばあさん△ 寒山拾得△ 森鴎外、それにしても扱うジャンルが広く深い。歴史物、社会科学、ときて本業医者か。普通に天才では?

Posted byブクログ

2022/08/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『舞姫』では、主人公の太田は恋人のエリスを思うがゆえに彼女を裏切る決断ができず、取り返しのつかない状況に陥ってしまう。太田の心の弱さが際立つように書かれているが、私は「辛いけど分かる」と心を傷めながらページをめくっていた。 『舞姫』発表後、森鷗外は方々から非難され、妻との別居や文学活動の停止を余儀なくされたらしい。そうなることは発表前に予想がついていただろう。にもかかわらず、この悲しいだけの恋を執筆し発表した。ここに森鷗外の苦しみ・誠実さが垣間見える。エリスを忘れられず、かといって忘れたくもなく、書いて形にしなければ自分が壊れてしまうような、相当の後悔の果てに生まれた作品なのだろう。 太田は心の弱さゆえに酷いことをしたヤツだと当然思うのだが、私はそれを責める気にはなれない。程度の差はあれど、自分にも太田のような一面があるし、心の弱さと誠実さは表裏一体だからだ。

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2022/03/08

初めて森鴎外の作品に触れた。 舞姫。途中はがんばれ青年、と応援したのも束の間、最後はなんとも愚かな結末であり、その時代背景もあるだろうが、なぜそっちにいってしまったんだ、ともどかしい気持ちを抑えられなかった。 阿部一族は、ああ自分は絶対阿部側の人間だな、と思った。でも、子ども...

初めて森鴎外の作品に触れた。 舞姫。途中はがんばれ青年、と応援したのも束の間、最後はなんとも愚かな結末であり、その時代背景もあるだろうが、なぜそっちにいってしまったんだ、ともどかしい気持ちを抑えられなかった。 阿部一族は、ああ自分は絶対阿部側の人間だな、と思った。でも、子どもらに迷惑かけたくないから名誉なき自死はしないで自分だけ苦しもうとなるかもしれない。それで病むんだろうけど。自分だけ。 そのほか、「かのように」の葛藤も、「鶏」の滑稽さもとてもおもしろかった。こんな作品を書いているんだと正直驚いた。歴史ものはちょっとよくわからんが、森鴎外といえばドイツ、または医学、みたいなイメージを勝手に持っていたので、沢山の歴史ものがあることにそもそも驚いた。

Posted byブクログ