浮雲 の商品レビュー
授業で必要なので読み…
授業で必要なので読みましたが・・・正直、面白いとは思えませんでした。でも、有名な作品だし、一生に一回くらい読んでおくのもいいかと。
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雲のジュウザが好き☁ ってな事で、二葉亭四迷の『浮雲』 明治26年の二葉亭四迷の処女作。 ページを捲り2~3行読む…。 まあ、サッパリ意味が解らん、明治の人々はこんな難しい言葉を使ってるの❓って思い読むのを断念しようと思ったが、グッと堪えて読み進めて行くうちに、あれ❓何か...
雲のジュウザが好き☁ ってな事で、二葉亭四迷の『浮雲』 明治26年の二葉亭四迷の処女作。 ページを捲り2~3行読む…。 まあ、サッパリ意味が解らん、明治の人々はこんな難しい言葉を使ってるの❓って思い読むのを断念しようと思ったが、グッと堪えて読み進めて行くうちに、あれ❓何か内容が判り出した、わし明治の人に成ったんかって程じゃないが、小説が色を得てイメージ出来るように読み終えた。 これは明治の恋愛小説なのか、現代のストーカーの様な気の狂った思い込み野郎の小説なのか、家族愛の小説なのか、金原ひとみさんで良く出てくる気難しいと言うのかぶっ飛んだギャルの出てくる小説なのか、何とも言えないミクスチャーな小説じゃったなと疲労感たっぷりの余韻を残しての読破した画期的な名作らしい。 登場キャラの文三、お勢、お政を軸に人間的らしい心情を描いた内容は、今も昔も人間ってあんまり変わらんのんじゃなって思った。 しかし、文三のキャラが何とも言えないヤキモキさせる憎い奴。 お勢との恋愛感情を純なまでな想いを応援しながら読んでたけど、段々と情けねぇ奴 → 煮え切らねぇ奴 → 勘違い野郎甚だしい奴 → 繊細かと思いきや実は図太く未練タラタラなDreamerと言う素晴らしい男であった。 2024年18冊目
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小説神髄の理論を支える作品。 「小説の主脳は人情なり、世態風俗これに次ぐ」の実践。冒頭の髭の描写など、遊び心がある。 おもしろかったのは文三が恋するお勢の母、お政が文三をまくし立てるシーン。 文全体を貫く落語的テンポとあいまって飛ぶように読める。人情的庶民(お政)と論理的...
小説神髄の理論を支える作品。 「小説の主脳は人情なり、世態風俗これに次ぐ」の実践。冒頭の髭の描写など、遊び心がある。 おもしろかったのは文三が恋するお勢の母、お政が文三をまくし立てるシーン。 文全体を貫く落語的テンポとあいまって飛ぶように読める。人情的庶民(お政)と論理的知識人(文三)の対立を見ることができ、ぼろ負けしている文三が笑える。声を出して笑ってしまった。 二葉亭四迷は新時代を迎えた世の中の「人間」を自分も含めて信じていなかった。夏目漱石と同様の問題意識がある。
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言文一致の文体で書かれた作品。 それでも最初は難しく感じましたが、慣れてくると引き込まれました。言葉のリズムも良くて面白いです。 未完とのことで、良いところで終わってしまいます。続きが読みたかった。 大人になった今これを読むと、文三もお勢もまだまだ若くて、若いが故に浅はか。 叔...
言文一致の文体で書かれた作品。 それでも最初は難しく感じましたが、慣れてくると引き込まれました。言葉のリズムも良くて面白いです。 未完とのことで、良いところで終わってしまいます。続きが読みたかった。 大人になった今これを読むと、文三もお勢もまだまだ若くて、若いが故に浅はか。 叔母がうるさくいう気持ちも、少しだけわかりました。 もし、学生時代にこれを読んでいたら、文三やお勢に対して感情移入していたかもしれません。
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※このレビューにはネタバレを含みます
久しぶりの日本文学。東京の叔母の家に下宿する主人公文三、その家に住む従姉妹のお勢、文三の友人の昇の3人が主要人物である。前半は文三とお勢の仲睦まじい様子が描かれ、どこかラブコメ風の雰囲気となっている。明治東京の都会的な雰囲気を背景に、男女の関係が芽生える前のハッピーなストーリーが進んでいく。ヒロインのお勢は華やかに描かれ、とても可愛いらしい。 文三が官職を免職となる後半からストーリーの風向きが大きく変わる。文三のプライドが高く、内でひたすら悩む気質や、お勢の気まぐれな気質が前面に現れてくる。お勢は文三が免職になって以降はあまり彼と関わろうとしなくなり、後半は文三とお勢の掛け合いもうまくかみ合わず、文三の悶々とした内面をひたすら見せられような形になり、読み進めるのに苦労した。そんな中で、明るく要領の良い昇がお勢と仲良くなる姿を不器用な文三が指をくわえて見ているという、今でもありそうな男女関係における厳しさをまじまじと見せつけられる。ストーリーは主人公の文三がお勢への想いを告げようか思いあぐねている場面という、中途半端なところで幕を閉じる。(著者自身の事情があったらしいが) (文体について) ・言文一致小説の先駆けらしいが、言葉の使い方は現代と異なっているため、なかなかスムーズに読むことは難しい。漢字は要注意で、ふりがながあれば意味は分かるが、字面のみでは意味が分からない漢字が多く出てくる。ふりがなが振られている漢字はよく覚えておいた方がよいだろう。(直後にふりがな無しの漢字が再出し、前に戻るということを何度も繰り返した) ・語りは三人称となっており、章の終わりや区切りのいいところでは、落語調になっている。(ストーリーもどこか落語っぽい気がする...) ・Kindleの青空文庫だと注釈がないので、自信がない方は新潮文庫で読んでみるとよいでしょう。 ・「理想的な女性」という意味で「アイドル」という言葉を使っているのは興味深い。完全一致ではないにしても当時からこのような使い方がされていたことが驚きだった。
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近代文学始まりの作品。 旧思想と新思想の合間の日本人を描いた文学。 江戸文学から離れて新文学が出始めたころ、明治二十年に発表された、言文一致によって書かれた二葉亭四迷の処女作。 内海文三の内面の苦悩を描写したこの作品は、日本の近代小説の先駆とされます。 この時代にこの描写、この内...
近代文学始まりの作品。 旧思想と新思想の合間の日本人を描いた文学。 江戸文学から離れて新文学が出始めたころ、明治二十年に発表された、言文一致によって書かれた二葉亭四迷の処女作。 内海文三の内面の苦悩を描写したこの作品は、日本の近代小説の先駆とされます。 この時代にこの描写、この内容、本当に驚きです。 巻末には用語や時代背景などについての詳細な注解がついています。 これを見ても、言文一致とはいえ、まだまだ知らない言葉が沢山あるなと思います。
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情景、人物の姿、そして何よりも心理の描写が精緻で引き込まれる。何度か使われているリズム感のある叙述は軽妙。序盤は恋に落ちた主人公の心理や言動に共感でき、読みながらにやついてしまうほど。しかし、そこから徐々に主な登場人物たちの心は壊れ、言動も常軌を逸していく。状況は緊張感を増しなが...
情景、人物の姿、そして何よりも心理の描写が精緻で引き込まれる。何度か使われているリズム感のある叙述は軽妙。序盤は恋に落ちた主人公の心理や言動に共感でき、読みながらにやついてしまうほど。しかし、そこから徐々に主な登場人物たちの心は壊れ、言動も常軌を逸していく。状況は緊張感を増しながらエスカレートしてゆく。何の変哲も無い設定なのに、描写の力で最後まで引っ張りきられてしまった。この作品は日本文学史上の最初の言文一致の小説で無かったとしても、傑作であると思う。今まで、読んでいなかった自分を愚かだとさえ思う。
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言文一致との事で興味本位に手を出したが、辛い読書になった。 書き手もさぞ大変だったろう。 話し自体は、興味をそそるものではなかった。 やはり、心描写を追えなかったからだろう。
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近代文学の端緒ともいえるこの作品、一度くらいは読んでおこうという気持ちで読みはじめたのだが、期待を遥かに超えておもしろかった! なんで未完にしちゃうのよ、四迷さん。 (確かに文学的意味がどれほどあるかと問われればわからないが……) さて何が良かったかといえば、何よりも心情描写が細やかなのだ。 時代を超えて登場人物たちに終始感情を揺さぶられまくり。 世故に疎いというか、頑迷な文三の様子には「こういう人いるよね」と思いつつ、説教したくなってしまうほどイライラさせられた。なぜ自分の都合の良いようにしか解釈できないのよ!と。 それなのに、終盤なんだか雲行きがおかしい。 あれ、文三の頑迷さはミスリードなのか? そんなことを感じさせたまま物語は終了。 やっぱりやっぱり、未完なのがただ惜しい。 師匠の坪内逍遙の作品よりもこちらの方が遥かに心情表現が豊かで洗練されているように感じられるのは、きっとロシア文学の影響なのでしょう。
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本作で二葉亭四迷が試みた、言文一致と言われる大胆な文章改革は、明治文学史上初のことであり、当時の画期的事件だったという。 言文一致と聞いて、話し言葉で書かれた小説かと思っていたが、作者の二葉亭四迷によれば「普通の話し言葉ではなく、感情をこめて、一つのリズムをもってトントンと運んで...
本作で二葉亭四迷が試みた、言文一致と言われる大胆な文章改革は、明治文学史上初のことであり、当時の画期的事件だったという。 言文一致と聞いて、話し言葉で書かれた小説かと思っていたが、作者の二葉亭四迷によれば「普通の話し言葉ではなく、感情をこめて、一つのリズムをもってトントンと運んで行くように特に作られた文体」だという。 近代文学を読み慣れていない私は、本書を手に取ったときに大量の注釈をみて躊躇し、読み始めてからも硬い表現や知らない言葉に困惑した。 少し諦めて、英語の多読をしている気持ちで読み進めていくうちに、いつの間にか、リズミカルな文章に心地よさを感じながら、明治時代を生きる人々の生活や文明開花の影響を色濃く受けた思想に惹きつけられた。 また、真面目で高潔な人物が世渡り上手な人物に敗北する現実、恋が人を盲目にしてしまい哲学を失うことは、現代でも共通することで、それに対する二葉亭四迷のキレのある皮肉、人間を鋭く洞察した文章は面白かった。 現代では使われない言葉、西洋語を日本語として定着させようとした工夫も沢山あり、言葉って人間と共に生きていて、変化し続けているんだなあと、今使っている言葉にも愛着が湧いてくる。 近代文学に興味を持ったので他の作品にも挑戦してみたい。
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