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グッド・バイ の商品レビュー

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143件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    29

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    4

  5. 1つ

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2016/02/27

「春の枯葉」より (雪がとけて、その下から去年の秋に積もった枯葉が出てきたシーンで、主人公の男性のセリフ) 永い冬の間、昼も夜も、雪の下積になって我慢して、いったい何を待っていたのだろう。ぞっとするね。雪が消えて、こんなきたならしい姿を現したところで、生きかえるわけはないんだし...

「春の枯葉」より (雪がとけて、その下から去年の秋に積もった枯葉が出てきたシーンで、主人公の男性のセリフ) 永い冬の間、昼も夜も、雪の下積になって我慢して、いったい何を待っていたのだろう。ぞっとするね。雪が消えて、こんなきたならしい姿を現したところで、生きかえるわけはないんだし、これはこのまま腐っていくだけなんだーーーー

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2016/02/22

2015/08/08読了 今回、伊坂幸太郎の「バイバイ・ブラックバード」がグッド・バイに影響されたと言うことで、まず読んでみようと思い手に取った。太宰治の本は有名な作品しか読んだことがなかったが、社会等に対する皮肉、ユーモアや会話のやり取り、文章の構成など、現代の作家が大きく影...

2015/08/08読了 今回、伊坂幸太郎の「バイバイ・ブラックバード」がグッド・バイに影響されたと言うことで、まず読んでみようと思い手に取った。太宰治の本は有名な作品しか読んだことがなかったが、社会等に対する皮肉、ユーモアや会話のやり取り、文章の構成など、現代の作家が大きく影響を受けたことが伝わってきてどの作品も楽しく読めた。

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2015/07/24

定番の私小説は相変わらずだが、純粋な創作が実に面白く、作家として熟成していく時期なのに遺作集になってしまったのが何とももったいない。皮肉たっぷりで痛快な「男女同権」、チェホフ風戯曲形式の「冬の花火」は最後にキレまくる女性主人公、遺作となった未完の「グッド・バイ」の怪力美女など逞し...

定番の私小説は相変わらずだが、純粋な創作が実に面白く、作家として熟成していく時期なのに遺作集になってしまったのが何とももったいない。皮肉たっぷりで痛快な「男女同権」、チェホフ風戯曲形式の「冬の花火」は最後にキレまくる女性主人公、遺作となった未完の「グッド・バイ」の怪力美女など逞しい女性達が面白い。逆に「饗応夫人」のような哀しい女性を描いた作品も。そして「眉山」は太宰の短編で最高傑作。ユーモア小説として書いたかもしれないが、トシちゃんの人柄と生き様を思うとせつない思いが溢れる。

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2014/09/12

太宰治と同じ時代に生きてそばにいたら 私が一緒に 玉川上水で死にたかった。 どんな美人をみようが私は諦めないと思うけど。 あざとい太宰が大好き。 グッドバイ

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2019/11/05

全部おもしろかった。 男女同権も演劇っぽいやつも。 めりいくりすますも。他も。 たまにぷっ。ってなるし。たまに暗いし。たのしかった。 グッドバイの続きが読みたい。。

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2013/12/05

太宰の後期作品16篇。 サービス過剰な「饗応夫人」 遣る瀬無くなる「眉山」 が好き。 「男女同権」は女性の優遇さを引き摺り下ろすことを喜ぶ老人の演説。 太宰はあんなにもてたのに、こんなに女性が怖かったんだとびっくりした。

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2013/11/19

青空文庫にて。 昔、女生徒を読んだ時、今はどうしてかわからないが吐き気を催して、トラウマでなかなか読み出せなかった太宰治(笑)久しぶりに読んだら、あれ?凄いすらすら読める(笑)最近の中では一番読みやすい作家だなあと感激。すいすい読めるとはまさにこの事か。気づいたら10、20ページ...

青空文庫にて。 昔、女生徒を読んだ時、今はどうしてかわからないが吐き気を催して、トラウマでなかなか読み出せなかった太宰治(笑)久しぶりに読んだら、あれ?凄いすらすら読める(笑)最近の中では一番読みやすい作家だなあと感激。すいすい読めるとはまさにこの事か。気づいたら10、20ページ過ぎている。青空だけに字が大きいのもあるかもしれないが(笑) とても読みやすい親しみやすい文の書き方ですね。私はそう思います。キヌ子がおしっこと言うように、田島がバカ野郎!と言うように、少し下品ちっくな言葉を使っても、うわあ…と思うどころか、クスクスっと笑えてしまう。面白いだけに未完なのが惜しい。

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2013/09/03

妻子連れて4人戦火を逃れ、三鷹から甲府、故郷津軽へと疎開した太宰であるが、戦時中の疎開生活から日本の無条件降伏によって幕が降りた大戦後の日本、そこに生きる人々、男女、そういったものが、そのままそっくり、描かれている。 そのままそっくり、というのは、当時の表現者たちといえば「偽善的...

妻子連れて4人戦火を逃れ、三鷹から甲府、故郷津軽へと疎開した太宰であるが、戦時中の疎開生活から日本の無条件降伏によって幕が降りた大戦後の日本、そこに生きる人々、男女、そういったものが、そのままそっくり、描かれている。 そのままそっくり、というのは、当時の表現者たちといえば「偽善的」で「サロン派」な平和主義者ばかり、しかし太宰というひとはそうではなかった。 家族との乞食同然の生活の惨めさ、日本敗戦の口惜しさ、情けなさ、今後への展望、ユートピア信奉、田舎出身の自虐的態度、都会の不変さ。 全てが気取らず(仮に気取って書かれていても、気取り自体をまた如実に告白するのが太宰という男かと)、残酷な程に生々しく投影されている。 グッド・バイは未完のままであったが、他作品に比べ、皮肉的ではあるがユーモアがある。コメディがある。 解説にもあったが、太宰の第四期は花開き掛けていたのであろう。

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2013/09/02

表題作「グッド・バイ」は太宰の死によって永遠に未完となった作品。太宰にはめずらしく三人称で書かれ、全体的に軽い調子だ。主人公とキヌ子がユーモアたっぷりな人物で、この二人が物語を進行していくのだが、これはまったく新しい太宰文学なのではないか。タイトルのグッド・バイとは「人間失格」の...

表題作「グッド・バイ」は太宰の死によって永遠に未完となった作品。太宰にはめずらしく三人称で書かれ、全体的に軽い調子だ。主人公とキヌ子がユーモアたっぷりな人物で、この二人が物語を進行していくのだが、これはまったく新しい太宰文学なのではないか。タイトルのグッド・バイとは「人間失格」の完成を一区切りにし、今までの自分にさようなら、これからは新しい小説を書こうとする太宰の心の表れではないか。こんなこと言っても一読者の妄想に過ぎず、真相は太宰にしかわからない。

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2013/07/16

「男女同権」笑った。現代的だなぁ。なんか掲示板読んでるみたいな。 「饗応夫人」読んだの何回目かだけど、前は夫人にいらついたけど、今回はなぜか深く同情してしまった。 「グッド・バイ」、未完。 これを下敷きに書かれた伊坂幸太郎の「バイバイ、ブラックバード」を割と最近読んだんだけど、...

「男女同権」笑った。現代的だなぁ。なんか掲示板読んでるみたいな。 「饗応夫人」読んだの何回目かだけど、前は夫人にいらついたけど、今回はなぜか深く同情してしまった。 「グッド・バイ」、未完。 これを下敷きに書かれた伊坂幸太郎の「バイバイ、ブラックバード」を割と最近読んだんだけど、バイバイされるほうの女はすごく魅力的なのに繭美の描写にいささか無理があるように感じられた。リアリティとかそういう次元じゃなく。 今回「グッド・バイ」を読み返してなるほどと思った。 これより魅力的にはどう考えても書けまい。

Posted byブクログ