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グッド・バイ の商品レビュー

4

141件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

    45

  3. 3つ

    28

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2020/04/18

太宰治の晩年の作品 大泉洋と小池栄子で映画になるとの事で、手にしました。 晩年と言っても38歳 38歳の文章だとは思えない 重さ 戯曲は読みづらかったけど どんな困難な時代でも女性が強かった事が伝わってきました。 未完のグッバイは面白かったです。 死を選ばずに生を選んで 50代...

太宰治の晩年の作品 大泉洋と小池栄子で映画になるとの事で、手にしました。 晩年と言っても38歳 38歳の文章だとは思えない 重さ 戯曲は読みづらかったけど どんな困難な時代でも女性が強かった事が伝わってきました。 未完のグッバイは面白かったです。 死を選ばずに生を選んで 50代60代になった 太宰治の作品も読んでみたかったなぁ

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2020/01/01

2020/1/1 新年一発目は太宰治のグッドバイ。16篇にも及ぶ短編集だけど、1つ1つがずっしり重い感じ。 また、初めてこの人の戯曲を読んだ。決してハッピーエンドではないし、グッドバイを書いている途中に自殺してしまったから未完なのだけど、もし作品として完成していたら…と考えるとと...

2020/1/1 新年一発目は太宰治のグッドバイ。16篇にも及ぶ短編集だけど、1つ1つがずっしり重い感じ。 また、初めてこの人の戯曲を読んだ。決してハッピーエンドではないし、グッドバイを書いている途中に自殺してしまったから未完なのだけど、もし作品として完成していたら…と考えるととても読み応えがある。 時期は終戦の少し前から終戦を迎えて日本が復興し始める時期の人々のありのままの姿、リアルな姿がそれぞれの話で描かれている。 主に男女をめぐる話が多いが、時代の波に合わせて変わろうとしている日本のようすと、変わろうとしている人たちと、そうは言っても本質の部分で中々変わらない人間と…というようにすごいマッチングしているように思う。多分それを意識して書いたんだろうけど…。 作家ならではの皮肉もふんだんに盛り込まれている。特にすごいなと思ったのは、男女同権という話。タイトルだけ見たら何だろうと思うけど、男女同権になったのだからこれからは女性にも好き放題モノを言うことができる!なぜなら俺は今まで女性からいじめられて不当な扱いばかり受けてきたからだ!みたいなことが小説として書いてある。 逆転の発想ってこういうことなのかなと思いました。

Posted byブクログ

2019/06/27

被災・疎開の極限状況から敗戦という未曽有の経験の中で、我が身を燃焼させつつ書きのこした後期作品16編。太宰最後の境地をかいま見させる未完の絶筆『グッド・バイ』をはじめ、時代の転換に触発された痛切なる告白『苦悩の年鑑』『十五年間』、戦前戦中と毫も変らない戦後の現実、どうにもならぬ日...

被災・疎開の極限状況から敗戦という未曽有の経験の中で、我が身を燃焼させつつ書きのこした後期作品16編。太宰最後の境地をかいま見させる未完の絶筆『グッド・バイ』をはじめ、時代の転換に触発された痛切なる告白『苦悩の年鑑』『十五年間』、戦前戦中と毫も変らない戦後の現実、どうにもならぬ日本人への絶望を吐露した2戯曲『冬の花火』『春の枯葉』ほか『饗応夫人』『眉山』など。

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2019/06/06

青森の星のやで夜読んで、続きが読みたくて借りた 面白すぎる。すごいな太宰治って。もっと早く読めばよかった。食わず嫌いってよくないのね。日本文学も読むこととしよう。 言葉、流れ、情景がありありと浮かぶ様なんて今の小説家より深い深い深い。 先の先まで、空気まで、気温まで湿度まで浮か...

青森の星のやで夜読んで、続きが読みたくて借りた 面白すぎる。すごいな太宰治って。もっと早く読めばよかった。食わず嫌いってよくないのね。日本文学も読むこととしよう。 言葉、流れ、情景がありありと浮かぶ様なんて今の小説家より深い深い深い。 先の先まで、空気まで、気温まで湿度まで浮かぶ様、なところもあれば、 こちらの想像がそれを膨らませる様に綺麗に整えられていたり、 その全てのバランス、素晴らしい。 こんなものを書ける日本人が存在したなんて、日本てすごいんだな。 そして全く変わっていない日本。中身だけが下降して。

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2019/02/12

表題作よりは他の短編たちの方がよかったな 「饗応夫人」「眉山」は痛切にやり切れないし戯曲2本は閉じ方が上手いし戦争末期の津軽への道中は何回でも書きたくなるほどの出来事だったんだろう あと太宰がtwitterやってたら「苦悩の年鑑」みたいなことになってたんだろうな

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2019/02/13

 自殺による絶筆である表題作を含めた後期作品16篇。『走れメロス』を代表とした精神的に健全な作品の多い(らしい)中期とは大きく異なり、敗戦後の日本に期待をしつつも、やがて絶望したかのような暗い作品が多数を占める。  理不尽、不条理、実体の伴わない思想と挫折、、、そんな言葉が浮かぶ...

 自殺による絶筆である表題作を含めた後期作品16篇。『走れメロス』を代表とした精神的に健全な作品の多い(らしい)中期とは大きく異なり、敗戦後の日本に期待をしつつも、やがて絶望したかのような暗い作品が多数を占める。  理不尽、不条理、実体の伴わない思想と挫折、、、そんな言葉が浮かぶ。閉塞感がすごい。それを笑い飛ばして前に進んでいくような明るさを持っていたのが表題作『グッド・バイ』だっただけに、絶筆であることが非常に悔やまれる。 『薄明』  戦時中に疎開を繰り返している男の話。家が焼けたり子供の目が見えなくなったりと起きていることは前途多難だが、つい酒を飲んでしまうところやどことなく穏やかな雰囲気が描かれており戦時中の話という感じは受けない不思議。  まだ敗戦後ではないというのもあるのだろうか。子煩悩で朗らかな印象の暖かい短編。 『男女同権』  男女平等が謳われるようになった時代に、女性から散々虐げられた男による「女尊男卑」的側面が語られる。  いかにも天邪鬼な発想ではあるけど、男女という人間を2種類に分ける方法ではこうした歪みは当然のごとく発生してくるわけで、男女同権が「思想」として潔癖なものになってゆくことへの反感というか危惧というか、そういうものを感じた。時代の空気や心?のようなもので変わるのと、思想・制度としてガッと変えるのでは、受け入れ方も違ってくるのだろう。 『冬の花火』  戦後の時期にこんなもん演劇で見せられたらテンションダダ下がりで頭おかしくなるんじゃなかろうか。それとも、そんな時期に演劇見られる層ならしんみりする余裕もあるのだろうか。  ありとあらゆる生々しい現実を装飾するように、戦争・桃源郷・お百姓、様々な物語が作られ、人はそうして初めて世界を飲み込むことができた。そんなオブラートが戦争によってひっぺがされてしまった。そんな話なのかなと感じた。 『春の枯葉』  敗戦後の焼け野原に現れた新たな価値観と淘汰されてゆくであろう田舎の価値観。「わたくしのような、旧式の田舎女は、もう、だめなのでしょうか。」(p.226) 『朝』  夜に酔っ払い女性と二人きり、女性の机上には『クレーヴの奥方』。自分の本能と相手を尊ぶ気持ちがせめぎ合う短篇。分からんでもない。 『饗応婦人』  ただただ悲しい話。先の2つの戯曲も含めて、この感情をどうしたらいいのか分からない。 『グッド・バイ』  愛人作りすぎて収拾付かなくなり、偽の妻を連れていって諦めさせようとする色男の話。本妻は別にいる。最期には妻にグッド・バイされるというオチを想定していたらしい。  コメディ調で書かれているため、他の暗い作品ならともかく、これ書いてるうちに自殺したのかと驚いた。

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2019/01/13

太宰治、晩年の短編作品集。なんとも言えない味わい、太宰の作品は後期が好みかも。 特にメリイクリスマス、フォレスフォレッセンス、朝、美男子と煙草、眉山、女類、渡り鳥、グッドバイあたりのシニカルな笑いを挿入しつつ、軽快な文体が好み。眉山でのエピソードは味噌クソの語源か?思わず吹き出し...

太宰治、晩年の短編作品集。なんとも言えない味わい、太宰の作品は後期が好みかも。 特にメリイクリスマス、フォレスフォレッセンス、朝、美男子と煙草、眉山、女類、渡り鳥、グッドバイあたりのシニカルな笑いを挿入しつつ、軽快な文体が好み。眉山でのエピソードは味噌クソの語源か?思わず吹き出しつつ、余韻ある寂しげなラストは見事です。 太宰の作品は個人的に好悪があるが全般的にユーモアのある作品が好みです。

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2018/09/05

太宰治の未完の作品である「グッド・バイ」を含む後期の作品が数多く収められている1冊。 戦争後期から戦後にかけての激動の時代を必死に生き抜きながらも自己否定、道化精神、自己破壊的な精神状態が極限にまで達して後の太宰の自殺までがまざまざと文字に現れていて、 ページが残り少なくなる程に...

太宰治の未完の作品である「グッド・バイ」を含む後期の作品が数多く収められている1冊。 戦争後期から戦後にかけての激動の時代を必死に生き抜きながらも自己否定、道化精神、自己破壊的な精神状態が極限にまで達して後の太宰の自殺までがまざまざと文字に現れていて、 ページが残り少なくなる程に「ああ、太宰がいなくなってしまう」という空虚な寂しさに襲われました。 「春の枯葉」にある 「めぐり来れる春も、このくたびれ切った枯葉たちには、無意味だ。なんのために雪の下で永い間、辛抱していたのだろう。」という文章や 「グッド・バイ」に於ける全てを清算して平穏な生活を目指すところなどは、「人間失格」に於ける破天荒な生活や絶対的な絶望感から更に先の脱力感や極限突破した精神状態を感じました。 大好きな太宰文学の新境地がこれから幕を開く、というところで命を絶ってしまいましたが 「自殺の許可は、完全に幸福な人にのみ与えられる」というヴァレリイの言葉も引用していたので 彼が生前僅かでも幸福だと思えることがあったのだと信じたいです。

Posted byブクログ

2018/04/18

太宰治の遺作ですが、これからどう展開させていくかというところで未完であり、田島がどうなるかの前に自分の命を絶ってしまうというのは、いかにも残念です。 太宰が小説家として何を残していったのか、それを考えていこうと思います。

Posted byブクログ

2018/02/25

新婚旅行中に読了。 太宰さんの死により未完となってしまった『グッド・バイ』、その他太宰さんの後期に書かれたものが集められています。 戦後の日本を思わせるお話の中にも太宰節が感じられて、私は好きでした! 『グッド・バイ』、最後まで読みたかったな~!

Posted byブクログ