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グッド・バイ の商品レビュー

4

144件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    29

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2013/07/16

「男女同権」笑った。現代的だなぁ。なんか掲示板読んでるみたいな。 「饗応夫人」読んだの何回目かだけど、前は夫人にいらついたけど、今回はなぜか深く同情してしまった。 「グッド・バイ」、未完。 これを下敷きに書かれた伊坂幸太郎の「バイバイ、ブラックバード」を割と最近読んだんだけど、...

「男女同権」笑った。現代的だなぁ。なんか掲示板読んでるみたいな。 「饗応夫人」読んだの何回目かだけど、前は夫人にいらついたけど、今回はなぜか深く同情してしまった。 「グッド・バイ」、未完。 これを下敷きに書かれた伊坂幸太郎の「バイバイ、ブラックバード」を割と最近読んだんだけど、バイバイされるほうの女はすごく魅力的なのに繭美の描写にいささか無理があるように感じられた。リアリティとかそういう次元じゃなく。 今回「グッド・バイ」を読み返してなるほどと思った。 これより魅力的にはどう考えても書けまい。

Posted byブクログ

2013/07/09

伊坂幸太郎さんの「バイバイ、ブラックバード」の元になったのが太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」だと知り、読んでみることにしました。恥ずかしながら、太宰治の作品をきちんと読むのはこれが初めてです。これもひとつのご縁かな。 本作に収められているのは、終戦直後に書かれたという太宰の後...

伊坂幸太郎さんの「バイバイ、ブラックバード」の元になったのが太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」だと知り、読んでみることにしました。恥ずかしながら、太宰治の作品をきちんと読むのはこれが初めてです。これもひとつのご縁かな。 本作に収められているのは、終戦直後に書かれたという太宰の後期作品16編。戦後の人々のなんとも言いようのない葛藤というか、やるせなさのようなものが伝わってくるものばかりでした。時代の変わり目というのは、さまざまな希望が生まれると同時に、こういう鬱屈した想いも抱いてしまうのが素直な人間の心なんだろうなと思います。なんだか、現代にも通じるものがあるのかなと思ったり。 さて、「グッド・バイ」ですが、正直言って、未完であることがとても惜しい。田島はどんな女性たちと別れていくことになるのか、キヌ子との関係性は……。もし書きあげられていたら、とても興味深い作品になったのではと思います。他に収録されている15編に比べて、この最後の「グッド・バイ」はどこかユーモアの感じられる作品でした。太宰が何を書こうとしていたのか、最後まで読んでみたかった。もしかしたら、同じような想いを抱きながら、伊坂さんは「バイバイ、ブラックバード」を書いてくれたのかもしれない。せめてここにひとつの形を示そうと。まぁ、私の勝手な想像でしかありませんが。 その他の作品でいうと、「男女同権」はなんだか身につまされる思いが。今の世の中にも十分通用する風刺のように思います。男女平等を叫びながら、女性の権利ばかり主張して、ともすれば男性の権利をないがしろにしかねない人々に読んでもらいたいかも。皮肉ですけどね。あとは「メリイクリスマス」「眉山」も良かったです。 初めて太宰の作品を読んでみて、彼の風刺が今でも十分通用すると思えることに驚きました。そこから学べることは少なくないのかもしれません。ちょっとずつ、他の作品も読んでいってみようかなと思いました。

Posted byブクログ

2013/06/21

太宰治が大好きな人は読むべきかもしれない。 主に短編集でほとんどが作者の体験的な話のような気がする。 時代小説というか、時代背景が戦後なので話や心境を理解できないためわかりづらい。 最後のグッドバイは伊坂幸太郎に続編執筆依頼が来て、正確には続編ではないけれどバイバイブラックバード...

太宰治が大好きな人は読むべきかもしれない。 主に短編集でほとんどが作者の体験的な話のような気がする。 時代小説というか、時代背景が戦後なので話や心境を理解できないためわかりづらい。 最後のグッドバイは伊坂幸太郎に続編執筆依頼が来て、正確には続編ではないけれどバイバイブラックバードという作品が書かれました。 私はそちらを読んでからこちらを読んだので期待が大きかったせいか思ったより面白くなかったです。 グッドバイは数人の女性と別れるために偽の恋人役を連れて歩くのですが、この偽の恋人役がすごく魅力的です。 怪力で性格も女性らしくないのに見た目が美しすぎる不思議な女性。

Posted byブクログ

2013/04/13

終戦から死までの3年間の作品ばかり16編。好き。面白い。太宰治を初めて読んだ気がした。 思いっきりの主観で、惨めさ悔しさ卑怯さ臆病さ偽善に溢れていて、しっくり来た。

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2013/04/03

表題は太宰治の未完の遺作、著者の代表作である「人間失格」や「斜陽」と比べると軽口でユーモラスも富んでいる。 この文庫におさめらている作品の「饗応婦人」を読んでも改めて実感させられるのだけど、太宰治の真骨頂は女性的視点がもの凄くリアルなところだと思う。 女性が読んでどう思うかは...

表題は太宰治の未完の遺作、著者の代表作である「人間失格」や「斜陽」と比べると軽口でユーモラスも富んでいる。 この文庫におさめらている作品の「饗応婦人」を読んでも改めて実感させられるのだけど、太宰治の真骨頂は女性的視点がもの凄くリアルなところだと思う。 女性が読んでどう思うかは不明だけれども、男性の自分が読み進めると、本当に細やかに女性の感情を描ききっていると思う。多くの女性と浮き名を流した著者だからこそ出来る技なのかもしれない。 或る評論で太宰作品は「青年の麻疹」と呼ばれているのを思い出したけど、それは太宰治が目指すところが「純粋な善意」であり、偽善に対する羞恥心を全面にだす著者の青臭さが共感を呼ぶのだと思う。 20代で読む太宰は、ちょっと距離を置いて読めるようになった感じ。

Posted byブクログ

2013/04/01

伊坂幸太郎のバイバイ、ブラックバードがこちらのオマージュということで読んでみた一作。 昔読んだ太宰作品よりは素人にも読みやすかった。 単純に、続きにどんな人達が登場するのか知りたかったなぁと。

Posted byブクログ

2013/03/13

太宰治の後期の作品。 日本人の心を、的確に、しかも平易な言葉で書き表しているのは凄い。 でも、酔っ払いばかり出てくるので、途中で少し嫌になってしまいました。(笑)自虐なんだろうけど…。

Posted byブクログ

2013/03/09

【眉山】 ええ子やないか 超みじかい作品だけど太宰よんで久々に切なくなった 【フォスフォレッスセンス】 これが一番すき マグリットの「光の帝国」を見ているような感じ 病んでるとき、こんなだよなー。 ってことで、この人は病んでいる。 【女族】 個人的にびみょう

Posted byブクログ

2013/02/11

歪んでるが、はっとする真実がある。特に戯曲の中で、敗戦による喪失感が爆発するセリフは心に残った。太宰は敗北者の代弁者である。

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2013/02/05

一体全体、本と言うものはどうやって出来上がるんだろうか。 提供される情報の量と順番、種類と。 それが違っていたらあたしの感想はかなり違っていたのだろうに。 中学生の頃、好きだった男の子が太宰治の人間失格を読んでいて、そうして急にあたしに冷たくなったあの日から?あるいはたまた...

一体全体、本と言うものはどうやって出来上がるんだろうか。 提供される情報の量と順番、種類と。 それが違っていたらあたしの感想はかなり違っていたのだろうに。 中学生の頃、好きだった男の子が太宰治の人間失格を読んでいて、そうして急にあたしに冷たくなったあの日から?あるいはたまたま探したサイトで太宰治のちょっとけだるげな表情を見て、自殺未遂を繰り返し、挙句の果てには心中を失敗してひとり生き残り、その後に心中を成功させた人なんだなと思ったときに? いずれにしてもどうも、この人はあたし向きではない、と、思ったのでした。 でもあたしももう、いちいち影響されるような子供ではありません。客観的にこの作家がなぜ評価されるのかが知りたいなぁと思ったのも事実。でもなんとなく手が出なかったところに、あたしのブック・ソムリエともいうべきTさんがそっとタイミングよくこの本を推薦してくれました。ありがとう。 本ってそういうことがあって、望んだときに手にはいるのがシアワセなマリアージュだと思うあたし。「走れメロス」とか「駆け込み訴え」くらいしか正直しらなくて、なんか「よろしくお願いします」と、見合いでもするみたいに、文庫本に挨拶してみる。 感想としては・・ と、冒頭に返ります。 この並びがね。 男女同権、冬の花火、春の枯葉などでなんとなくこの人の女性に対するどうも粘着質な思い込み?というか失望をちらつかせた切望がうっとうしいなーと思うにいたる。これはあたしが上記の太宰の生き様に少し嫌悪感を覚えているからなんだろう。いかんいかん。 ぶるぶるぶるっと、アタマを振って、煩悩を払う。だめだめ、ちゃんとピュアに、作品を鑑賞しなければ。 メリイ・クリスマスや眉山で、あたしのもやもやはすっかりはれて、この文章そのものに魅了されはじめた。ふーん。ようやくアタマも冷静になり、作品として本を鑑賞できるようになってくる。 と、確かに描かれる内容は時に、ストレートすぎる時代への失望や周りへの蔑視、世を拗ねた姿勢で飾られているかもしれない。でもこの人の文章には本当に、膝を抱えてぎりぎりと圧迫されたものだけが持つ、鋭い錐のような一刺しがある。なぜ? もしかしたらその表現を生んだのは、太宰の自分に対する非情なまでのストイックさゆえだったのかも、と、あたしは思ったりもする。いじましいばかりに他人に愛されたいと願い、その一方で自分への絶望感(自分の描く自分の理想像と現実の自分とのギャップ)にさいなまれ、そのバランス上でぎりぎりまで絞られた、人間観察に根っこがあるのかもしれない。 この人が死を選んだことを、あたしは決して評価しない。しないけれどもそれでも、この人の残した美しい文章と、子供のようなむき出しな感情を、あたしは愛せると思った。 冬の花火の中に「いやらしくって、にくらしくって、そうして、なんだか淋しくて、思いきり我慢して悪い事をして、そうしてお母さんと大喧嘩をしたくて仕様が無かったの」というセリフがあるけれど、もし太宰がこんな風に思う相手がいて、愛がゆえに喧嘩を仕掛けては仲直りをし、それを相手がわかって受け容れてくれて、毎度毎度埒もないけんかの真似事をできるようだったら。 ね、太宰さん。 そうしたらあなた、死んじゃったりしなかったんじゃないの? もっと、ぶつかってみっともないとこ、誰かに見せればよかったんじゃないの? クールに頬杖をつく太宰の写真を見ながらあたし、少し悔しくなった。 ・・・何があってもね。しんじゃダメだよ。ばーか。

Posted byブクログ