グッド・バイ の商品レビュー
太宰さんの話は、やはり戦後の最晩年のがいいな。 戯曲『冬の花火』と『春の枯葉』が上手でびっくりした。
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饗応夫人、母をなんとなく思い出してしまって切ない気持ちになった。母は福島の人で、太宰と同じ東北人。 『津軽』にも似たような描写がありました、津軽、太宰の中でも好きな作品の一つです。
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伊坂幸太郎が『グッドバイ』から着想を得て書いたという『バイバイブラックバード』を読むために。 暗い話が多いけど、表題作はコミカルで面白い。 これを未完のまま入水するなんて・・・。 もし完成していたならどういう着地だったんだろうな。
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戦後,疎開先の故郷で書かれた作品を中心に読む. 「薄明」「苦悩の年鑑」「十五年」「たずねびと」「男女同権」「冬の花火」「春の枯葉」「朝」「饗応婦人」「眉山」. たぶん,ほとんどが再読. 少し前の「津軽通信」の軽やかな感じはもうここにはない.どれも戦後に対する失望,絶望が漂っている...
戦後,疎開先の故郷で書かれた作品を中心に読む. 「薄明」「苦悩の年鑑」「十五年」「たずねびと」「男女同権」「冬の花火」「春の枯葉」「朝」「饗応婦人」「眉山」. たぶん,ほとんどが再読. 少し前の「津軽通信」の軽やかな感じはもうここにはない.どれも戦後に対する失望,絶望が漂っている.今の私には読むのが辛い作品ばかりだった. ここのところ,太宰治を久しぶりに読み返してみて,その文章が平明でとても読みやすいことに感心した.構えずにすっと物語に入っていける.さすが.
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グッドバイ。 未完。これを残して死んだのか…というのはまた別の話としても、編集者の自分のストーリーで生きたいらしい様子には絶望的な気分になる。 すべてを思い通りにしたくて、そういかないことをただはかなむ姿勢!弱々しすぎじゃないの!ずるいわよ!と言いたくなった。 自分の気持ちを知る...
グッドバイ。 未完。これを残して死んだのか…というのはまた別の話としても、編集者の自分のストーリーで生きたいらしい様子には絶望的な気分になる。 すべてを思い通りにしたくて、そういかないことをただはかなむ姿勢!弱々しすぎじゃないの!ずるいわよ!と言いたくなった。 自分の気持ちを知ることができないのかも? ありたい自分について考えすぎると、かえって自分が見えなくなると思う。 流される自分が好きなんでしょ!キヌ子を軽蔑する資格はないでしょうよ! 続きがあったとしても、ハッピーではないでしょうなぁ。 眉山。 キヌ子のような眉山。ニコニコして、お節介でうっとおしい。 民衆の代表たる眉山に対する芸術家の目線が面白い。 絶対なりたくない!と思いながら安心感を得たり、ちょっとだけ愛したりするんだろう。
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人間を書く太宰作品はいつ読んでも、何を読んでも、惹きつけられ、深くその世界にのめり込むことができる。グッド・バイの続きを読みたいと思うと同時に、未完であることが彼らしくこの世への余韻を残しているのかとも思える。グッド・バイ
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太宰の小説は一気に読むのが勿体なくて、読むペースが遅くなりますね…。ここでは特に気に入った短編について書こうかと。 『薄明』娘を心配するお父さんの姿にほっこりしました。 『フォスフォレッセンス』「この時期の作品には、なぜか死者やあの世の影が濃い。」と解説にはありますが、不思議...
太宰の小説は一気に読むのが勿体なくて、読むペースが遅くなりますね…。ここでは特に気に入った短編について書こうかと。 『薄明』娘を心配するお父さんの姿にほっこりしました。 『フォスフォレッセンス』「この時期の作品には、なぜか死者やあの世の影が濃い。」と解説にはありますが、不思議と冷たく暗いイメージは無かったです。色で例えると無色透明。あくまでも私にとって、ですが。美しい文章に引き込まれます。つい引用してしまいました。 『グッド・バイ』田島とキヌ子の関係がすごくいい。表題作ということに納得。文章は淡々とリズムよく進んでいきますが、この二人の会話に思わずニヤリとさせられてしまいます。未完なのが残念…。
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戦後まもなく執筆された作品集。戦前、戦中と生きた太宰が、あらゆる事を知り、感じた上でのダメさとユーモア、表現がまた美しい。
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伊坂幸太郎さんの「バイバイブラックバード」を読むためにグッド・バイを軽い気持ちで読んだんだけど、 つづき、つづきが気になる…!!
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表題作が未完で終わってしまったのは惜し過ぎる。太宰は『人間失格』などの暗く重い私小説と並行して、今までに読者を笑わせるような、そんな滑稽な小説も何本も書いてきた。この『グッド・バイ』は、僕が読んだ太宰のユーモア小説の中では、一番おもしろいと思う。ところで、この短編集の中に『美男子...
表題作が未完で終わってしまったのは惜し過ぎる。太宰は『人間失格』などの暗く重い私小説と並行して、今までに読者を笑わせるような、そんな滑稽な小説も何本も書いてきた。この『グッド・バイ』は、僕が読んだ太宰のユーモア小説の中では、一番おもしろいと思う。ところで、この短編集の中に『美男子と煙草』という作品があって、この出だし2ページくらいにわたって、太宰の「古い者たち(他の文学者たち)」への怒りが吐露されている。これを読んだ当時、「年上だからって威張りやがって」という怒りが同じくしてあった僕は、共感し過ぎて泣いた記憶がある。
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