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痴人の愛 の商品レビュー

3.8

588件のお客様レビュー

  1. 5つ

    145

  2. 4つ

    203

  3. 3つ

    150

  4. 2つ

    32

  5. 1つ

    6

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2023/09/03

譲治は、ナオミを「育て上げてやろう」みたいなスタンスで接し始めるしのだけれど、実はひと目会った瞬間から全てナオミの手のひらの上で転がされているのに過ぎないのではないか? 育てられているのは譲治のフェチと、ナオミの図々しい奔放っぷりであり、物語のどの辺から「愛」をわたしは読者とし...

譲治は、ナオミを「育て上げてやろう」みたいなスタンスで接し始めるしのだけれど、実はひと目会った瞬間から全てナオミの手のひらの上で転がされているのに過ぎないのではないか? 育てられているのは譲治のフェチと、ナオミの図々しい奔放っぷりであり、物語のどの辺から「愛」をわたしは読者として感じられるんだろう…と思っていたら終わってしまいました(笑) 後半の欺きの連続は凄く生々しかった…。 ナオミの強かさが眩しく羨ましささえ覚えましたが、絶対に身近に居たらやべーやつ…。書かれた時代からして読みにくいか?と身構えたけれど読みやすかったです。現代でもまったく通ずるお話でした。

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2023/08/30

初めて読んだ谷崎潤一郎先生の作品でした。 妖艶で美しくなっていくナオミは私の中では高貴な野良猫のように感じられました。 現代でクズ男に沼っている女の子たちも譲治のように、頭ではわかっているけど心がついていかないような気持ちなのかななどと重ねて考えたりもしながら読み進めることができ...

初めて読んだ谷崎潤一郎先生の作品でした。 妖艶で美しくなっていくナオミは私の中では高貴な野良猫のように感じられました。 現代でクズ男に沼っている女の子たちも譲治のように、頭ではわかっているけど心がついていかないような気持ちなのかななどと重ねて考えたりもしながら読み進めることができて面白かったです(^_^*)

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2023/09/07

美しい文体で読みやすく、容易く一気読みしてしまった。 ナオミの蠱惑に翻弄される主人公が絵かがれる。 肉体美を希求し、翻弄される事を喜びと感じてしまう異常性。いや、異常ではなく、肉体美と性浴に取り憑かれる我々を思えば、あくまで普遍的で社会的なマゾヒズム構造を描いた作品なのかもし...

美しい文体で読みやすく、容易く一気読みしてしまった。 ナオミの蠱惑に翻弄される主人公が絵かがれる。 肉体美を希求し、翻弄される事を喜びと感じてしまう異常性。いや、異常ではなく、肉体美と性浴に取り憑かれる我々を思えば、あくまで普遍的で社会的なマゾヒズム構造を描いた作品なのかもしれない。

Posted byブクログ

2023/08/23

無口で利巧そうに見えたナオミが成長するにつれ夫を心理的にも経済的にも支配する妖婦へと変わっていく様は実在のモデルがいるかのようにリアルだ。ナオミの策略が明らかになるところもミステリー風で面白い。

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2023/08/15

めちゃくちゃ気持ち悪いけどこういう人間って案外そのへんにごろごろ転がってる 恋愛は間違えると人を人以下にしてしまう

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2023/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2023.08.13 読了。 わかりみが深い作品。 何十年経とうと、人間って変わらないんだな、 と思った。 理解していても沼へハマっていく様。

Posted byブクログ

2023/08/12

今まで数多くの物語を触れてきたとは言わないが、多少なりとも触れてきたと思う。その中で淫乱な女、悪女が出て来た作品はあったがヒロインがそうだった事はなく新鮮だった。大正時代に書かれた小説なのに全く新しいものに感じた。当時のほうが今よりも自由だったのではというのがナオミの生き方を通し...

今まで数多くの物語を触れてきたとは言わないが、多少なりとも触れてきたと思う。その中で淫乱な女、悪女が出て来た作品はあったがヒロインがそうだった事はなく新鮮だった。大正時代に書かれた小説なのに全く新しいものに感じた。当時のほうが今よりも自由だったのではというのがナオミの生き方を通して伝わってきた。

Posted byブクログ

2023/07/28

凄い作品。 ナオミという女性(ひと口に怪物)に、男が性倒錯を深めながら依存していってしまう話で、現代に至るまで本作をフォーマットに数え切れない作品が生み出されている。 読んでいくうち読者は、いつの間にかナオミに振り回され悶々としてゆき恐怖を感じるわけだが、私はナオミの恐ろしさで...

凄い作品。 ナオミという女性(ひと口に怪物)に、男が性倒錯を深めながら依存していってしまう話で、現代に至るまで本作をフォーマットに数え切れない作品が生み出されている。 読んでいくうち読者は、いつの間にかナオミに振り回され悶々としてゆき恐怖を感じるわけだが、私はナオミの恐ろしさではなくカリスマ性に言及したい。 他作品でここまでブラックホールの様な引力を持つ登場人物は、自分はお目にかかった事がないかもしれない。 個人的谷崎不動の1位であると共に、文学史に輝く名作。

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2023/06/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「幸せになってくれ…!」とはよく言うがちゃんとナオミと譲治が「幸せ」になって終了。良い……。 もちろん恋愛的な要素がメインなのだが、ナオミも譲治も元は孤独な人というのを踏まえて読むと、お互いがお互いを心の底から必要としていることがうかがえて、家族の獲得という意味を見いだせる気がしている。そういう意味では二重に楽しめるともいえるかもしれない。 ナオミは本物のファムファタール。振り回されても憎めないし魅力に溢れていると思う。“Naomi”の意味は“私のよろこび”らしいので、“私”がナオミ自身のことなのか譲治のことなのかは分からないがずっと自由奔放でいてほしいと思う。

Posted byブクログ

2023/06/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分と理想的な妻になるように子供の頃から教養や物欲を与えていたけど、破産するまで捧げた女に結局は虐げられる事になる。そこまで尽くす事で途中で嫌気がさして離れるのだけど男は返って 欲情に抑えが効かなくなり女もそれを承知としていてどんどんつけ込むようになるのだが、男は それさえも望んでいるように映り、結局は男の 敗北となっているが本人はそれを良しとしていて 勝利者にも垣間見えられるところから人間の歪な あるいは純粋が故の心理描写が感じれた。 単なるドMなのだろうか。笑

Posted byブクログ