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痴人の愛 の商品レビュー

3.8

588件のお客様レビュー

  1. 5つ

    145

  2. 4つ

    203

  3. 3つ

    150

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  5. 1つ

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2023/05/24

恐ろしい程気持ちが悪くて美しい作品だった。 ナオミの妖艶さに河合がひれ伏し堕落していく様はただただおぞましかった。 美しさを求めるあまり世の理も目の前のことも失われるのが怖かった、美を至上としても、美の感覚は人それぞれ違う、けど美!美!美!だった!上手くまとめられないけど! ナ...

恐ろしい程気持ちが悪くて美しい作品だった。 ナオミの妖艶さに河合がひれ伏し堕落していく様はただただおぞましかった。 美しさを求めるあまり世の理も目の前のことも失われるのが怖かった、美を至上としても、美の感覚は人それぞれ違う、けど美!美!美!だった!上手くまとめられないけど! ナオミの接吻を椿の花弁が押し付けられるようだと表現したり肌の白さを林檎の実のようだとたとえてるの素敵、女性美を日本語でここまで表現してるのすごいなぁって。

Posted byブクログ

2023/05/03

いつもながらトンチンカンなことを書くが、これは(少なくとも私の基準での)「愛」の物語ではないと思った。むしろここまで赤裸々につづられる譲治のナオミへの執心は「依存」なのではないか。文字通り、ナオミを求める心が思い余って彼女なしでは過ごせなくなり、彼女のことばかり考えてしまう……そ...

いつもながらトンチンカンなことを書くが、これは(少なくとも私の基準での)「愛」の物語ではないと思った。むしろここまで赤裸々につづられる譲治のナオミへの執心は「依存」なのではないか。文字通り、ナオミを求める心が思い余って彼女なしでは過ごせなくなり、彼女のことばかり考えてしまう……そんな(特に後半部分で縷々とつづられる)記述に私自身も同じ「依存」で苦しんだことを思い出す。その「依存」は病なのかもしれない。だが、ならばどう治せばいいのか。この作品では譲治は結局ナオミに屈服し、狂気に陥ることを選んでしまったのだが

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2023/04/30

ナオミの魔性に侵され苦しみ堕落していく主人公の様子が凄まじく、小説の世界に引き込まれてしまい谷崎潤一郎の文章の凄さを改めて感じるものだった。 騙されて翻弄されても尚、男を狂気の沙汰に貶めていくナオミは『酷い女』なのだが、最後の『これを読んで馬鹿々々しいと思う人は笑って下さい。教訓...

ナオミの魔性に侵され苦しみ堕落していく主人公の様子が凄まじく、小説の世界に引き込まれてしまい谷崎潤一郎の文章の凄さを改めて感じるものだった。 騙されて翻弄されても尚、男を狂気の沙汰に貶めていくナオミは『酷い女』なのだが、最後の『これを読んで馬鹿々々しいと思う人は笑って下さい。教訓になると思う人は、いい見せしめにして下さい。私自身は、ナオミに惚れているのですから、どう思われても仕方がありません。』と言う締めくくりは、全ての読者を納得させる、ではないが、何処かしらに落とし込んでくれるものだと思った。 読者に語りかける一人称と言う形式が一層リアリティを増した様になっているのも面白い。大正時代の街の様子、生活様式や流行り、風俗、価値観に触れる事が出来るのも近代日本文学を読む楽しみの一つ。

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2023/03/15

山田詠美の「賢者の愛」に登場してきたので読んでみた。譲治が腑抜けなんじゃなくて、どんなに嫌な思いさせられても「好きだから」でここまで堕ちてしまう人間の愚かさ恐ろしさ ナオミの顔がなんとなく想像できて面白かった

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2023/02/11

どストレートな女性崇拝と西洋崇拝大好き 絶対精神休まらないのに羨ましいと思ってしまう、私もナオミに転がされたい あたかも美しい物語みたいに思えてしまうのはなんなんやろう…

Posted byブクログ

2023/01/21

甘く熟れたパイナップルみたいな一冊 芳醇で甘美な水分にどっぷり浸かった次の日、舌先の痺れに痛い目を見てしまいました 谷崎潤一郎=肉欲 だと勝手に勘違いしていたのですが、決してそんなことなかったです。ていうかこんな後味悪い作品があるかよ。Georgeがナオミを追い出してハマチャン...

甘く熟れたパイナップルみたいな一冊 芳醇で甘美な水分にどっぷり浸かった次の日、舌先の痺れに痛い目を見てしまいました 谷崎潤一郎=肉欲 だと勝手に勘違いしていたのですが、決してそんなことなかったです。ていうかこんな後味悪い作品があるかよ。Georgeがナオミを追い出してハマチャンと盃を交わしたあたりなんかふうっっと胸を撫で下ろしたと言うのに、、、注釈を差し引いたとしても残頁がやたら多くて嫌な予感はしてたんですよ。。。クソッタレが! これは前々から思っているけども、古今東西ダメな女をダメな男が作るんだわ。ほんとそれ。その逆はない。たとい悪女に騙されようともそんな悪女を生み出したのは絶対に男だよ。金と贅沢で勘違いさせちゃうから世間知らずの虚栄心が像を持っちゃうのよ。あーーーーむかつくむかつくむかつく!!!これにむかつく人間はミソジニーとか言われるんだろうな?!だが俺がムカついてのはナオミにじゃなくてGeorgeにだぞ?!あーーーーー

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2023/01/18

読了後の率直な感想。まず約100年前に書かれたこの作品が何故これほどまでに読み易いのかを考えた。それは第一に共感である。また、魔性の女に振り回され深い穴の奥底へと転落していく、非常に情けなくも滑稽な、この愛すべき馬鹿者が魅力的に思わせられる筆者の緻密な心理描写からと思われる。いつ...

読了後の率直な感想。まず約100年前に書かれたこの作品が何故これほどまでに読み易いのかを考えた。それは第一に共感である。また、魔性の女に振り回され深い穴の奥底へと転落していく、非常に情けなくも滑稽な、この愛すべき馬鹿者が魅力的に思わせられる筆者の緻密な心理描写からと思われる。いつの世も男女間の痴情のもつれはドタバタ劇として面白い。そして、側から見ると落ちていく哀れな男に呆れ、軽蔑するが果たしてヒロインナオミの誘惑から 自分は逃れることができるのか?と考えると、困難な気もする。それほどナオミは恐ろしい。恋愛至上主義に生きている限り逃れられない性なのだ。 美は何にも変え難く強く、抗えず、恐ろしいほど残酷である。 筆者が耽美派たる所以も、この作品の完成度の高さからうかがえる。 ナオミは現代のサークルクラッシャーだ。 ナオミに翻弄される、主人公とナオミの間男の浜田との哀しき邂逅シーンは狂おしく好きだ。愛する女に騙された二人の間に生じる奇妙な友情に近いシンパシーは笑える。しかし精神の繋がりとして神秘的でさえある。全体、これほど読ませる、筆者の圧巻の筆力に完全に脱帽した。

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2023/01/14

女は金を、男は体を求めて。 共依存?パパ活?ロリコン? 2人の関係は端的に見ればこんなようなものだけど、なんだか単純に切っても切れない仲なんだなぁ。地獄。 面白かったのは、女を心底溺愛してる男も、生活に慣れれば、よその女にも意識が向くところ。 あと、ナオミの「若さ」故の自信、女...

女は金を、男は体を求めて。 共依存?パパ活?ロリコン? 2人の関係は端的に見ればこんなようなものだけど、なんだか単純に切っても切れない仲なんだなぁ。地獄。 面白かったのは、女を心底溺愛してる男も、生活に慣れれば、よその女にも意識が向くところ。 あと、ナオミの「若さ」故の自信、女に目覚めた時のあの自信。(BBAになったら覚悟しとけよ。) 単純に気になるけど、支配された男はいつまでこの女を愛し続けることができるんだろう?

Posted byブクログ

2023/01/13

堕落していく様がたまらない 譲二のどうしようもなさとナオミの自由奔放さにイラつきながらも魅了されていって一気に読んだ記憶 中三か中二の時1回読んだけど高校でまた読み返して良かったと思う 最後の1文本当にたまらない…「たまんねぇ…」って言いながら本を閉じた

Posted byブクログ

2022/12/27

冒頭の文章、最後の1文がしびれる。 なんかの小説の主人公がこの本を読んでたから読みたくて読み出したけど、当時の映像が浮かんできて面白かった! 親でもないのに人を1人育て上げようなんて傲慢だよね。ナオミも恐ろしい女だけど笑

Posted byブクログ