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痴人の愛 の商品レビュー

3.8

618件のお客様レビュー

  1. 5つ

    153

  2. 4つ

    215

  3. 3つ

    156

  4. 2つ

    33

  5. 1つ

    6

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2025/01/07

他人事ではないような内容だった。主人公河合譲治は町のカフェである女を気に入り、彼女に教育を受けさせて自分好みの女に仕立て上げ妻にしようとする。その女がナオミで彼女は混血児のような容姿をしており周りからも美しいと言われていた。ナオミは譲治の金でピアノや英会話、ダンスを習うが譲治の知...

他人事ではないような内容だった。主人公河合譲治は町のカフェである女を気に入り、彼女に教育を受けさせて自分好みの女に仕立て上げ妻にしようとする。その女がナオミで彼女は混血児のような容姿をしており周りからも美しいと言われていた。ナオミは譲治の金でピアノや英会話、ダンスを習うが譲治の知らないところで男性との交友関係を広めていく。二人が鎌倉に1ヶ月住むことになった際には、譲治が働きに行っている間に慶應の学生らと関係を持ちその現場を目撃した譲治はナオミとの関係を断とうとするも既に彼はナオミの虜となっており、彼女と関係をやり直そうとする。最終的にはナオミの焦らすような対応によって譲治はナオミのいいなりのような関係となるが彼はそれでも彼女と一緒にいることを選ぶ。 読んでてもっと強気にいけよと思ったが、それすらも屈服されるような魅力がナオミにあったんだろうな。ところどころ谷崎の性癖が出てて面白い。足フェチだったんだ。ナオミという名前も旧約聖書に登場するNAOMIに関係しており「楽しみ」を意味しているところも関係があるのだろう。ナオミのような女性は一緒にいたらダメにされちゃうから物理的な距離をとって心を落ち着けないとな、

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2024/12/25

この本を読んだきっかけは、又吉が選ぶ名作20選という帯が目に入ったから。 タイトルからは、どんな本か想像できなかったけど読み進める中で納得。 人間は心の中で抑えられないような欲動、情欲が潜んでいるだなと思った。 ナオミに関する描写が生々しいが、日本語が美しいためスラスラと読み進...

この本を読んだきっかけは、又吉が選ぶ名作20選という帯が目に入ったから。 タイトルからは、どんな本か想像できなかったけど読み進める中で納得。 人間は心の中で抑えられないような欲動、情欲が潜んでいるだなと思った。 ナオミに関する描写が生々しいが、日本語が美しいためスラスラと読み進めてしまった。 主人公は途中からナオミを心の中で淫婦と呼ぶが、そう呼ばれても仕方ないことを平気でしてしまう。 読む中でしんどい場面が幾度となくあったが、怖いもの見たさのような感情から、ページを捲る手が止まらなかった。 愛し方、愛され方には色々あるが、幸せにパートナーと生きるとはどういうことかを考えさせられた。

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2024/12/23

初めての谷崎作品。 あらすじを知ってはいたものの、 想像を超えるナオミの下品さと 譲治のアホさで終始「まじかよじょーじ、、」 という感じ。 譲治に全く感情移入ができないので、 ナオミへの想いや、いかに美しいか、延々と続く描写に辟易とし、なかなか読むのに時間がかかった。 とは...

初めての谷崎作品。 あらすじを知ってはいたものの、 想像を超えるナオミの下品さと 譲治のアホさで終始「まじかよじょーじ、、」 という感じ。 譲治に全く感情移入ができないので、 ナオミへの想いや、いかに美しいか、延々と続く描写に辟易とし、なかなか読むのに時間がかかった。 とはいえ、古臭さは全く感じず、 巧みな描写で世の男性が胸に秘めている “翻弄されたい、尽くしたい欲”を当時刺激し続けたのだろう。 当時のいろんな作品を読むことで 谷崎の凄さがより浮き彫りになるかもなあ、という感じ。 初見で村上春樹の凄さが分からなかったときの感覚と似ている。 レールに乗るだけが幸せじゃないよね、 当人同士しか分からんことがあるよね、という象徴。

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2024/12/16

317P 谷崎ほんとキショ過ぎて好き。キングオブキショインテリ。 男から見た女の可愛さみたいなのが好きだから、谷崎潤一郎の痴人の愛は最高に好きだな。痴人の愛好きなノンケの女って居るのかな。普通の女はこの小説キモイって言いそう。 谷崎潤一郎 1886年東京・日本橋生まれ。東京...

317P 谷崎ほんとキショ過ぎて好き。キングオブキショインテリ。 男から見た女の可愛さみたいなのが好きだから、谷崎潤一郎の痴人の愛は最高に好きだな。痴人の愛好きなノンケの女って居るのかな。普通の女はこの小説キモイって言いそう。 谷崎潤一郎 1886年東京・日本橋生まれ。東京帝国大学国文科中退。1910年に第2次「新思潮」を創刊し、「刺青」「麒麟」などを発表。耽美主義的な作品で知られ、生涯3度の『源氏物語』現代語訳を手がけた。1949年、第8回文化勲章受章。1964年に日本人で初めて全米芸術院・米国文学芸術アカデミー名誉会員に選ばれる。1965年7月没

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2024/12/05

ずっと気になっていたところ 今年の夏のプレミアムカバーが素敵だったので購入。 初めて最近の作品以外を読むので、読みきれるか心配だったけど、 注釈もあるし、物語も譲治とナオミの関係性が面白くて読み切ることができた。 どうしようもないのに、憎めないふたり。 谷崎潤一郎はこれから少...

ずっと気になっていたところ 今年の夏のプレミアムカバーが素敵だったので購入。 初めて最近の作品以外を読むので、読みきれるか心配だったけど、 注釈もあるし、物語も譲治とナオミの関係性が面白くて読み切ることができた。 どうしようもないのに、憎めないふたり。 谷崎潤一郎はこれから少しずつ読んでいきたい。

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2024/12/03

やっぱり谷崎潤一郎は面白い、巧い、すごい。 どうしようもない奴なのにどうしても憎めないナオミがすごく魅力的。こんな人をこんなふうに好きになっちゃうと大変だ。主人公の愛し方危険。こんな人いるの?って一見突拍子もなさそうな人物たちなのに、ひしひしと身近に感じる説得力が、さすが谷崎潤一...

やっぱり谷崎潤一郎は面白い、巧い、すごい。 どうしようもない奴なのにどうしても憎めないナオミがすごく魅力的。こんな人をこんなふうに好きになっちゃうと大変だ。主人公の愛し方危険。こんな人いるの?って一見突拍子もなさそうな人物たちなのに、ひしひしと身近に感じる説得力が、さすが谷崎潤一郎。

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2024/12/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

譲治目線で語られていたから隠れがちだったけど、一回り以上も年下の貧しい女の子を引き取って嫁にするって事実だけ見ても、譲治がだいぶ気持ちが悪い。(ナオミの気持ち悪さは当然として) その後読者みんなの予想通りの結末になったけど、腑に落ちるような落ちないような…といった感じ。 いちばん印象的だったのは、ラストのナオミの「どう?私の恐ろしいことが分った?」というセリフ。 どこまでこの女は傲慢で自分勝手なんだとイライラを通り越して感心してしまった。笑 もしかしたら譲治は、ナオミに虐げられることを最初から望んでいたのではないかと思う。 百姓出身の田舎者の生い立ちや真面目な世間評価、彩りのない東京での生活から、刺激的な生活を心のうちではずっと望んでたんじゃないかな それを叶えてくれるような器の女はナオミくらいしかいない。笑 そう考えると2人はお似合いな夫婦 ストレスめっちゃ溜まったし、それが晴れることもない結末だった。 作品に共感を見出したいタイプの私には向いてなかったけど、世界には色々なドMがいるということを知れた

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2024/11/24

きっと、男性だけが知覚できる女性のエロティシズムが豊満にあってキショかった。しかも、性描写を全くなく。 アラサーが15の女を嫁にするために同居するって何?!って思ったが、同居中のじゃれあいはかわいかった。

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2024/10/29

告白形式で書かれていることが何とも生々しかった。 というのも、僕も過去に蠱惑的な女性に陶酔して自我を失いそうになった(というか失った)経験があり、どうも他人事としては読めなかったからだ。。。 (男なら誰しも一度は経験することかもしれない。) ジョージはナオミの「足」が特に魅力...

告白形式で書かれていることが何とも生々しかった。 というのも、僕も過去に蠱惑的な女性に陶酔して自我を失いそうになった(というか失った)経験があり、どうも他人事としては読めなかったからだ。。。 (男なら誰しも一度は経験することかもしれない。) ジョージはナオミの「足」が特に魅力的であると繰り返し述べていた。それは美、悪、それからマゾヒズムに通じる、ある種の象徴的なものだったのではないだろうか。 最後の「ナオミは今年二十三で私は三十六になります。」という締めまで、非常に楽しめた。

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2024/10/21

ざっくり内容は知っていたのですが、谷崎潤一郎は好きなので読んでみました。 思っていたよりドロドロした内容ではなく、「悪女に骨抜きにされてしまった自分」をあっけらかんと告白しているといった雰囲気で。悪女が無双するというからには...と思っていたのですが、直接的な表現はなく、ふつうに...

ざっくり内容は知っていたのですが、谷崎潤一郎は好きなので読んでみました。 思っていたよりドロドロした内容ではなく、「悪女に骨抜きにされてしまった自分」をあっけらかんと告白しているといった雰囲気で。悪女が無双するというからには...と思っていたのですが、直接的な表現はなく、ふつうに電車内でも読めました。 「登場人物全員愚か者」なわけで、だらしないナオミに翻弄されて身を滅ぼす譲治は哀れなんだけど、そもそも「自分好みの女性に育ててあわよくば妻にしよう」という発想が頭オカシイしな。彼女が根っからの悪女だったのか?と考えると、やはり譲治が育て上げてしまった怪物がナオミと言えるのではないか。 あとがき解説に、谷崎の西洋崇拝への嫌悪めいたものがこの作品にも垣間見れるということが書いてあり、『陰陽礼讃』を読んでいたので西洋かぶれのナオミの白い肌の表現が妙に浮き出た印象になっていたのが納得いったかも。それをふまえていつかもう一度読んでみたいです。

Posted byブクログ