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眠れる美女 の商品レビュー

3.8

204件のお客様レビュー

  1. 5つ

    44

  2. 4つ

    69

  3. 3つ

    49

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    4

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2016/04/27

表題作の美しさに感嘆。映像的な描写で、すでに海外含め複数映画化されているようだ。性と生、それに死のイメージ。

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2016/04/20
  • ネタバレ

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眠れる美女、片腕、散りぬるをの3短編。 解説 三島由紀夫氏。 恩田陸氏の作品に登場したので読んでみる。 う~ん、、一切感情移入できないのだが 妙にひっかかり、残るというか。。 男性ならではの観点、感情なのか。。。 一つの出来事で色々思いだし、それらを文学としてまとめるのは凄いと思うが。 眠れる美女はいくらでも下品にできるネタであるし。 ちょっと高尚すぎて、まだ理解しきれません。。

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2016/03/03

受け付けない人は、全く受け付けない類の小説だろう。特に漱石や鴎外を好む様な人は、この種の小説は嫌いだと思う。私はどっちも好き…笑。 以下の方々の作品には共通する雰囲気がある。 哲学者:ニーチェ 小説家:ドストエフスキー、川端康成、三島由紀夫 映画監督:ルキノ・ヴィスコンティ、増...

受け付けない人は、全く受け付けない類の小説だろう。特に漱石や鴎外を好む様な人は、この種の小説は嫌いだと思う。私はどっちも好き…笑。 以下の方々の作品には共通する雰囲気がある。 哲学者:ニーチェ 小説家:ドストエフスキー、川端康成、三島由紀夫 映画監督:ルキノ・ヴィスコンティ、増村保造 耽美的、退廃的とでも言えばいいのだろうか? 美と悪と夜と女は、結び付ける人の腕が良ければ途轍もない美しい作品が出来上がる。但しこの種の作品はハマり込み過ぎない方がいい、とも感じる。 二本目に収録されている「片腕」は、つげ義晴氏の「必殺するめ固め」、「夜が掴む」、「ねじ式」といった作品に作風がよく似ている。

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2016/02/28

指先は眠りのやわらかさで、こころもち内にまがり、しかし指のつけ根に愛らしいくぼみのあるのがわからなくなるほどにはまげていなかった。

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2015/12/24

川端康成初読み。普通の人は『雪国』や『伊豆の踊り子』などが思い浮かぶけれど、なぜかこのファンタジックなタイトルと裏の解説に惹かれて手にとった。話自体も確かにファンタジックで、浮世離れしている。眠れる美女がいる館に通う江口老人が、徐々にその美女たちの魅力に引き込まれていく過程を描い...

川端康成初読み。普通の人は『雪国』や『伊豆の踊り子』などが思い浮かぶけれど、なぜかこのファンタジックなタイトルと裏の解説に惹かれて手にとった。話自体も確かにファンタジックで、浮世離れしている。眠れる美女がいる館に通う江口老人が、徐々にその美女たちの魅力に引き込まれていく過程を描いていく。毎回変わっていく美女たちの表現が繊細で、匂いに重点を置いているのが面白かった。確かに、人間は匂いによって呼び起こされる記憶などが多いし、印象に残る。そして目の前にいる少女たちを抱くことができない江口老人の行く末が気になりながらラストまで読んでいくと、館の女の最後のセリフにとどめを刺される。言葉自体は柔らかいのに、その裏に隠された意味を想像すると、奥の深さに鳥肌が立つ。

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2015/10/05
  • ネタバレ

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デカダン文学として紹介してもらったわけで、生(性)と死のテーマが当たり前に横たわる……濃い……胃もたれしそうな濃さ 三島先生の解説でやっと悪夢のよーな三篇がどういう意味合いを持つかなんとなくわかったぐらいで、この本は、1周じゃまずわからない。 眠れる美女:薬で眠らされ意思疏通も完全にできない(必要ない)、男にとっては最も都合の良い状態である生きた人形の状態である少女達、 老人相手に「安心出来るお客さま」として「決して手を出してはいけない」制約を立て商売する女、 まだ男性機能を維持し続けているが制約をあえて破らないでいる、客としてはイレギュラーな江口老人、 この三つの関係の設定そのものが頭ぐわんぐわんするような醜悪かつデカダンで読んでて大変疲れた。 肉体の緻密な描写のしつこいエロス。 合間の老人と商売女の会話は、残酷な現実そのものなのでは。 「眠れる美女」「片腕」でトコトン男の性欲、理想を、「片腕」の”母体の娘”で女性の本体、意思そのものへの畏れ、欲望を描写して、 最後に「散りぬるを」が来るのに関して三島先生の解説に同感。 散りぬるをで余りの寂しさで勢い余って悲劇を起こした三郎は、他2篇の男達と同質で、別な運命を辿った人間のように思う。 3篇とも終わり方が劇的でいい。 「眠れる美女」の女の「娘ももう一人おりますでしょう」の残酷極まる言葉、 「片腕」の目覚めた「私」が戦慄しながら腕を付け替える様子、その後に女の腕に甘える様子の意味…、 「散りぬるを」の自己対話と記憶の会話のリフレイン。個人的には散りぬるをが、推理小説的でもあり一番好きかな。 そして、3篇とも、状況説明がされておらず、何もわからない状態から手探りで情報を掴み取り、読み解かなければならないのが、小説としては美しいが読みづらい。最後まで読めば概ね、さわりだけではわからなかった話と登場人物の輪郭が読み取れるが… ライトな小説で慣らされた状態で読むには難しかった。笑 …あと正味な話、カバーの作者解説の川端康成の写真のせいで、「眠れる美女」の江口老人のイメージがそれになってしまったのが原因で、読書にノるにノれない。 いやそういう老人の醜さ自体が、美しい少女と対称的でこれまたデカダンなんだろーけどー。作品として凄いのは理解できるが単純にそこで燃え(萌え)なくなっちゃった。笑 文学としての美しさは評価するが、好みの問題で★3.5、ぐらいで・・・。 2周読めば読み心地は変わるだろうけど、疲れてしまったので再読は暫く無さそうである。

Posted byブクログ

2015/11/30
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「片腕を一晩おかししてもいいわ」という文から始まる片腕。娘が右腕をはずして男に一晩腕をあずける約束をする。その腕は話すこともでき、なんとも品があって美しい。あまりの美しさと愛らしさにとうとう男は自分の腕をとりはずしてその娘の腕を自分につける。 エキセントリックなお話のはずなのに、女の腕の美しさを極上の言葉で描いていて、怖さも気持ち悪さも感じさせない。 でも一番おもしろいのが、後半 主人公がひと眠りして目覚め、あんなに美しいと褒れこんだ片腕をみて「うげ!なんじゃこりゃ!気持悪っ!」って ほうりだすところが、思春期の頃夜眠るとき好きな人のことを考えすぎて朝めざめたら、 おもいのほか「あーめんどくさ」って気持ちが冷めていた経験を思い出しました 笑 不思議な余韻を与えてくれるお話です。

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2015/09/29

 川端康成の小説の中で、際立って耽美であり、馥郁としたエロティシズムが香る。  この物語に登場する、男たちの老いの悲哀が、「眠れる美女」と呼ばれる少女たちの、花片を開いたばかりの薔薇のような瑞々しい美貌を引き立てる。清らかなものはものは醜いものに支配され、蹂躙されることにより、...

 川端康成の小説の中で、際立って耽美であり、馥郁としたエロティシズムが香る。  この物語に登場する、男たちの老いの悲哀が、「眠れる美女」と呼ばれる少女たちの、花片を開いたばかりの薔薇のような瑞々しい美貌を引き立てる。清らかなものはものは醜いものに支配され、蹂躙されることにより、より一層美しさを増す。    眠らされた少女たちは、生き人形であるがゆえに、男たちにとっては観念的な存在になる。それゆえに、老いた男たちに少女たちは安らぎを与えることができるのだ。  少女たちの傍らで男たちは「老いの絶望」を嘆き、過去を回顧し、悔い、生き生きとした生命そのものの少女たちに触れることにより、喪失した己の生そのものを取り戻そうとする。  男たちは少女を通して自分を見ているのである。少女たちは小説の最後まで決して誰も目を覚まさない。観念という美の世界を完成させるために、永遠に「眠れる美女」なのである。    

Posted byブクログ

2015/08/26

デカダンス文学の傑作と言われる作品。 読もうと思ったきっかけは、原宿ブックカフェという番組で浅田次郎さんが“人生を変えた一冊”に挙げていたのを観たから。 薬か何かで眠らされた少女と、添い寝して一夜を過ごすことが出来る部屋。知人から聞きつけた江口老人は、ある日そこを訪れる。 奥の...

デカダンス文学の傑作と言われる作品。 読もうと思ったきっかけは、原宿ブックカフェという番組で浅田次郎さんが“人生を変えた一冊”に挙げていたのを観たから。 薬か何かで眠らされた少女と、添い寝して一夜を過ごすことが出来る部屋。知人から聞きつけた江口老人は、ある日そこを訪れる。 奥の部屋の布団に眠る若い女は一糸纏わぬ姿で、そしてどんなことをしても絶対に目覚めない。 そこを訪れるのは大抵、もはや男性としての機能を失ってしまった老人ばかりであるが、江口老人はまだ完全に機能を失ってはいない。 隣に眠る若い女を犯して破壊してやろうかという衝動にも襲われるが…。 直接的な肉体の交わりのないエロティシズムが却って妖しさを引き立てていて、死が見え始めている老人が若い肉体を目の当たりにした時に感じる寂寥感がそこはかとなく漂っていた。 その妖しげな家にいる女主人が最後に放つ一言が、凄まじく悲しい真理だった。 他に二編収録されている中の一編「片腕」は一人の男がある女性から片腕を借りて家に持ち帰る物語なのだけど、表題作同様、現実離れしていて不思議な物語だった。 三作目の「散りぬるを」はひとつの殺人事件を小説家が語るつくりで、これだけは雰囲気が全然違った。 解説を三島由紀夫が書いていて豪華。とても絶賛している。 発想力も文章力も凄い。昔の文豪が残した傑作はやはり面白い、と思わされた一冊。

Posted byブクログ

2015/08/21
  • ネタバレ

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『眠れる美女』…老人が眠れる美女(少女)と 添い寝ができる宿を利用する。目を覚まさない 少女の横で過去の女性遍歴を思い出したり、 少女を起こそうと試みたりするうちに、 添い寝する行為にだんだんと嵌っていく。 文章力の力強さに圧倒される。この力がなければ この作品は芸術に昇華できない。 ただし… 「(主人公は)まだ男でなくなってはいない」と考える 場面が作中に数回出てきて「そこ、こだわるのね…(¬_¬)」と思ってしまいました。 『片腕』…これが読みたくてこの本を手に取ったのですが 『眠れる美女』に圧倒されてしまいました。 『散りぬるを』…個人的にはこの作品が一番 読みやすかった。三島由紀夫の「今よみかえしてみても 少しも古びていない」という解説に共感。

Posted byブクログ