眠れる美女 の商品レビュー
信頼のおける客だけ訪れることの許される宿。そんな宿に一糸まとわぬ姿の、若く美しい娘たちが強い薬で眠らされている。主人公の江口老人は添い寝するだけの関係。美女を通して自らの死を想う。映画も出てるみたい。 http://www.nemurerubijo.jp/
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2007/11 買った。普通に文庫で見かける本だったっけ、平積みまでしてなんなの、と思っていたら映画化するらしい。爪の描写がいい
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一人の老人男性が、眠れる美女の隣に横たわりながら、過去の女を思い出すという肉体的描写のリアルさを追求した作品です。 エロティックだけど、いやらしさを感じません。 むしろ美化されているという感じを受けました。 回春というか、年を取って、死が近づいて来るのを感じながら、昔の事を思...
一人の老人男性が、眠れる美女の隣に横たわりながら、過去の女を思い出すという肉体的描写のリアルさを追求した作品です。 エロティックだけど、いやらしさを感じません。 むしろ美化されているという感じを受けました。 回春というか、年を取って、死が近づいて来るのを感じながら、昔の事を思い出すのでしょうね。自分もまた、そうなるのかしらん、と思いました。 片腕はちょっとおぞましい、というか川端文学にこういう展開があるとは思いませんでした。 生々しくて、ちょっと背筋が凍ってしまいそうです。 ホラー傾向かも? 散りぬるをは、犯人の深い心理を追求しようとこだわった描き方だなぁという感じでした。 理論的じゃないため、理系の人にはやや苦しいものがありますが。
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真紅のびろーどのかあてんの部屋で交わされる蜜月な夜のお話。 格調高い官能小説。 「江口」という主人公の名前がいちいち「エロ」と読めてしかたがなかった。 ただのネクロ小説だとは思えない。フェティッシュでアンモラルな設定を、ひたすら叙情的に描いている。主人公の冷静な目線と美しい文章も...
真紅のびろーどのかあてんの部屋で交わされる蜜月な夜のお話。 格調高い官能小説。 「江口」という主人公の名前がいちいち「エロ」と読めてしかたがなかった。 ただのネクロ小説だとは思えない。フェティッシュでアンモラルな設定を、ひたすら叙情的に描いている。主人公の冷静な目線と美しい文章もさすが。不思議な余韻が残る。彼の作品は冒頭一行目にインパクトがある。そして突然断ち切ってしまうようなエンディングもおもしろい。三島由紀夫氏絶賛。
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文学とはこういうものをいうんですね。 <眠れる美女> 表題作。 簡単にいえば、おじいちゃんがお金を払って睡眠薬で眠らされた女の子の横で一夜を過ごすというすごい話です。 生娘のよこで、過去を振り返るじいさん。ただ横で寝そべっているだけなんだけど、そこが川端文学のすごいとこ...
文学とはこういうものをいうんですね。 <眠れる美女> 表題作。 簡単にいえば、おじいちゃんがお金を払って睡眠薬で眠らされた女の子の横で一夜を過ごすというすごい話です。 生娘のよこで、過去を振り返るじいさん。ただ横で寝そべっているだけなんだけど、そこが川端文学のすごいところ。憧憬だらけで、どんどん読ませます。 <片腕> 簡単にいえば、女の子から片腕を借りた男が、アパートにその片腕を持って帰って片腕と会話をする話。 そんな話を川端さんが書いていたとはつゆ知らず。 破天荒さな設定のなかにある可憐な文章が好き。 <散りぬるを> つまらぬ。途中で脱落。
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江口老人は他の友人の老人と違って、やがてその日(男性機能の喪失)が来るけれどまだまだ現役なんですね。 解説の三島由紀夫の言う「息苦しさ」、「官能の閉塞状態」ってそんな所からも来るんですね。 当時(1960)の時代もあるだろうが敢えて限られた性描写の中で、この息苦しいエロティシズム...
江口老人は他の友人の老人と違って、やがてその日(男性機能の喪失)が来るけれどまだまだ現役なんですね。 解説の三島由紀夫の言う「息苦しさ」、「官能の閉塞状態」ってそんな所からも来るんですね。 当時(1960)の時代もあるだろうが敢えて限られた性描写の中で、この息苦しいエロティシズムは何だ。現代で同じテーマをストイックに書く事なんてちょっと想像しにくいですね。 描写の文章が美しいです。
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「京都に着いた江口とその娘とは朝早く竹林の道を歩いた。竹の葉は朝日を受けて銀色にかがやきそよいでいた。老年になって思い出すと、竹の葉は薄くやわらかい、まったくの銀の葉で、竹の幹も銀づくりであったようである。」
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この作品は、先の「世界最高の日本文学」に紹介されていたので読んでみた。 川端康成は勤める学校の卒業生。 だから読まなくっちゃ、と思ったのはウソで、川端作品の「ヘンタイ性」に興味を持ったのだ。 主人公の老人の名前は「江口」、つまり「エロ」である。 何かの薬で眠ったまま目覚め...
この作品は、先の「世界最高の日本文学」に紹介されていたので読んでみた。 川端康成は勤める学校の卒業生。 だから読まなくっちゃ、と思ったのはウソで、川端作品の「ヘンタイ性」に興味を持ったのだ。 主人公の老人の名前は「江口」、つまり「エロ」である。 何かの薬で眠ったまま目覚めない裸体の少女と同衾する老人の話という設定だけでも、「ヘンタイ」でしょ? 文章表現のうまさにはさすがと思わせられることもあるけれど、やっぱりジットリ、ネットリ感が残りますね。
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表題作は倒錯的で面白かった。眠らされている美女の隣で眠る老人の話。ゼミで取り扱うつもりだったけど長引いた風邪のせいで出来なかった…。後期にやろうかな。
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『眠れる美女』他3篇収録。 タイトルの作品はすごかった。老人が若い、眠り続けている女の子を買う話。一緒に眠るだけ。しかし、老人の一方的な会話、こころの中の葛藤の描写がすごい。 残りの2作品はあんまりかな・・・。
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