掌の小説 の商品レビュー
経験上、ここまで短い小説を集めると3割から4割は駄作があるもんだけど、本書にはただの一つもないってのはすごい。さすが川端。 とは言え、こういうのって毎日ちょっとずつ読むのがいいんだろうね。僕は一気に読んじゃったから、後半はちょっとうんざり感があった。
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はい.みなさん御存じ川端康成さんです. これは短編集ですね. まあ数えるのもめんどくさいくらいの作品がのっております. 187ページの「百合」って話がとくに傑作. ウケますな
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文章そのものを楽しむという意味では、 短いストーリーがたくさん詰まったこの形式がいい味出してます。 数ページで話が終わり、ころころ舞台が変わるので、 そのたびにほうそう来たかと唸らされます。 (導入の文章がまた上手くて2つ3つの文章でぐいと引き込まれます) 日本語が綺麗という声...
文章そのものを楽しむという意味では、 短いストーリーがたくさん詰まったこの形式がいい味出してます。 数ページで話が終わり、ころころ舞台が変わるので、 そのたびにほうそう来たかと唸らされます。 (導入の文章がまた上手くて2つ3つの文章でぐいと引き込まれます) 日本語が綺麗という声も聞きますが、 比喩や情景の描写も含め美しいイメージのみを連ねる美意識の高さと、 いらないものをそぎ落とした簡潔さに持ち味があるので、 英訳してもきっと凄いだろうなと思いました。 また、思いのほかに綺麗さの押し売り感はなく、 短いながらもどの物語もしっかりストーリーが立っていて、 様々な視点からものを見る作家としての多面性が味わえます。
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通勤やちょっとした移動時間にサラッと読み終える掌サイズの物語集。見開き2ページで終わる超短編も少なくないから読みやすい。中身も切ないもの、心温まるもの、余韻が残るもの、よく分からないもの、心に突き刺さるものなどなど味わい深い。ずーっとこんな本を探し求めてた。
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川端康成の短編集があると知り、なんてお得なんだと思い、購入した 珠玉の短篇集、とは正にこのこと 詩集と表現してもいいかも知れない いつかまた読み返したい一冊
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ずっと大切にしたい超短編小説集。 小さな宝石の粒の集合体のようだ。 ひとつひとつは確かに短くて小さな話だけれど、だからといって長編大作に劣るとは限らない、ということを証明してくれる作品だ。 読む人によって気に入る作品が違うはずであるので、それを誰かと話してみたい気持ちになる。
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久しぶりに読みました。 ときどき思い出して、くりかえし読む本です。 やはり、いいです。名作だらけですね。
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1編3~10頁の掌編。「時計」の男の心意気がすごく好きだ。あと、「屋上の金魚」「貧者の恋人」「夏の靴」「門松を焚く」「母国語の祈祷」「三等待合室」「縛られた夫」。川端康成は文体の魔術師だなあ。「古都」の文体があまりにも他の作品と違うような気がして、あとがきに「睡眠薬でらりってたか...
1編3~10頁の掌編。「時計」の男の心意気がすごく好きだ。あと、「屋上の金魚」「貧者の恋人」「夏の靴」「門松を焚く」「母国語の祈祷」「三等待合室」「縛られた夫」。川端康成は文体の魔術師だなあ。「古都」の文体があまりにも他の作品と違うような気がして、あとがきに「睡眠薬でらりってたからちょっとよく覚えてない頃に書いた」というようなことを書いてあったのをふと思い出した。
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「時雨の駅」は雨の日に雨傘を持って駅で夫の帰りを待つ妻たちの姿を ――家庭的な余りに家庭的な愛を一本の雨傘にふりかざして人妻の大軍がひしひしと攻め上がって来るのである。 と表している。 語り手が誰なのかわかりにくくて読みにくかったが 面白いことが書いてあるなと思った。 つい人の...
「時雨の駅」は雨の日に雨傘を持って駅で夫の帰りを待つ妻たちの姿を ――家庭的な余りに家庭的な愛を一本の雨傘にふりかざして人妻の大軍がひしひしと攻め上がって来るのである。 と表している。 語り手が誰なのかわかりにくくて読みにくかったが 面白いことが書いてあるなと思った。 つい人の顔色をうかがってしまう「日向」はすっと心に落ちる。 死んだ妻を想って日々を生きる「手紙」も素敵だ。 全体を通してとにかく鮮やかだ。 短編であるからこそ、ひとつひとつの文章を強く感じた。 漢字をわざとひらがなにしたり、ひらがなが自然なところを漢字にしたり、言葉の意味がより入るようになっているのだと思う。 短いので、なにやら意図が分からない話もいくつかある。 それでも川端康成がどんなことを考えていたのか 頭の中の断片を覗いているようで楽しい。 若干肉に対する欲が多い気もするが、読み手側の欲も影響されているのかもしれない。
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ノーベル文学賞作家の、短編を100以上集めた、小さな小説の集。小さな掌サイズの物語は、最初に手にとったのが、小学校6年か中学1年か・・・その後、年をおう事に、読み返すごとに、印象が変わっていく。人生の傍らにおいておきたい本。(某大手企業部長推薦本)
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