掌の小説 の商品レビュー
短くて読みやすいので、たまに手にとってぱらぱらします。 ものすごい数の作品が入っていて、 短いから面白いのも、短くてつまらないのもあるけど、 「ショートショート」というジャンルを確立して見せた点がすごいです。 伊豆の踊子とかのほうがおもしろいけど。
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一つ一つに奥深さがある、短編小説。 作者の人生が詰まった作品。 学生時代にゼミ発表しましたが、非常に使いやすかったです。
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駅前のジュンク堂書店に立ち寄ったら、「瀬名秀明書店」があった。 そこで目に止まったのがこの『掌の小説』。南は鹿児島まで網羅する全国最大手のこの書店には、作家が自分の著書とお薦めの本を紹介する、作家名を冠した「○○書店」のコーナーがある。新潮文庫のコーナーに収まっている限りは...
駅前のジュンク堂書店に立ち寄ったら、「瀬名秀明書店」があった。 そこで目に止まったのがこの『掌の小説』。南は鹿児島まで網羅する全国最大手のこの書店には、作家が自分の著書とお薦めの本を紹介する、作家名を冠した「○○書店」のコーナーがある。新潮文庫のコーナーに収まっている限りは、決して出会うことのない本だったであろう。ジュンク堂さんありがとう、です。 著者は、現代作家中最も説明不要な方。ですから説明は抜き。 本作は、2ページから5ページほどの作品が122編収められた短編集である。 イタリアンオイルレザーの赤い文庫カバーを恭しく被せてみた。「座右の」とか「バイブル」とかいった趣になる。2ページは見開きに収まる。左右の2本の親指でおさえて眺めると、字面が美しい。まさに「掌(てのひら)」の小説である。読んでも美しいのは勿論だが、選び抜かれたひとことひとことは、宝石のように端整に輝いている。 もう勿体ないのでゆっくりじっくり読むことにする。ですから、まだ読み始めたばかりです。 『掌の』とは作者自身の命名だろうか。昭和46年発行であるから47年に亡くなる前年である。言いえて妙な書名は著者自身の「思い」に違いは無い。 恐縮ですが話は飛ぶ。 47年の著者の死はセンセーショナルなニュースだった。 「川端コーセー」と、その老記者は言った。一般的な「やすなり」という言い方はしなかった。当時「K」通信の文化部長だったその老記者に、俺はこうやって特ダネをものにした、という武勇伝を私は聞かされていた。 「俺は、休日でチビと遊んでたら社から電話があったのよ。うちが厨子だから」現場は作家の仕事場である厨子のマンションだった。 「タクシー呼ぶあいだに、チビに家中の10円玉かき集めさせた。現場に着いたら朝日もNHKもまだ来てなかった、やったとまず思ったね。チビに《ロビーの公衆電話を抱えて守ってろ。どんな怖い顔のおじさんに譲れって言われても絶対放すな》そういって取材したさ」 並み居るマスコミ中唯一、第一発見者のお手伝いさんからコメントを得た彼は、悠々と公衆電話で記事を送り、その年の報道賞を獲った。携帯電話もメールも存在しない時代であった。若い方には想像もできないかも知れませんが、テレホンカードはおろか100円玉の使える公衆電話さえ当時はまだ登場してなかった。 よくよく思い出してみると、 「3行書いたら《私》をいれろ」 と、文化部長として部下にはいつも言ってる。書評など文化欄の記事を書くときの心得だ。それもその時聞いた。 いつも本の紹介より「私」に走ってしまう私は、20年以上前に何気に耳にした言葉で、彼の部下みたいな気分になっていたかもしれないと思う。だとすると、この武勇伝おじさんにもありがとうと感謝せねばならない。 それでこの『掌の小説』、122編収められていて705円。1編5円70銭です。お買い得です。 ああ、また冒涜しちゃった。コーセー先生申し訳ありません。
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短編集だからスラスラ読める、というよりは、一つ一つの話の世界を夢想して、浸っていくかんじ。さっぱりついていけないこともあったので、低めの評価。
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烏兎の庭 雑評 10.6.02 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto01/yoko/komabay.html
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難しい! 短編だけど読解難しい! 比喩が多くて難しい! 心情理解が難しい! こんな難しいけど美しいショートショートは類を見ない!
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長風呂のお供に毎日何編かずつ読んでます。 川端康成はすごく描写がえろいと思う。詩的えろす。 「眠れる美女」も相当えろいなあと思ったのですがそこに通じるものがあります。 とてもよろしいと思う。
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半分くらい読んだかな。 数ページに凝縮された文学。 だから、少しずつ読み進めるがベスト。 今のところ、金糸雀が一番好きです。 浮気は文化ってこういうことなのかとため息がでるほどの世界。
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ひとつひとつがとても美しく、妖しく、切ない。 お気に入り→霊柩車 屋上の金魚 盲目と少女 母国語の祈祷 貧者の恋人 笑わぬ男 離婚の子 眠り癖 喧嘩 顔 化粧 妹の着物 死面 眉から ざくろ 小切 夏と冬 卵 滝 秋の雨 不死 めずらしい人
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