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第三の嘘 の商品レビュー

3.9

179件のお客様レビュー

  1. 5つ

    51

  2. 4つ

    58

  3. 3つ

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悪童日記シリーズの3…

悪童日記シリーズの3番目。悪童日記は嘘だったのか、二人じゃなくて最初から一人だったのか?どこまでが本当で、どこまでが嘘なのか読者は、もしかしたら主人公自身すら分からなくなってしまったように物語は進む。

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悪童シリーズ完結編。…

悪童シリーズ完結編。1作目がすごく良かっただけに、続編が出れば出るほど原型が崩れていってちょっと残念に思う。しかもどれが嘘でどれが真実かさえもあやふやで、ちゃんと理解できなかった。複雑すぎるのが難点。

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三部作の完結編。前2…

三部作の完結編。前2作と比べて雰囲気もおもしろさも別物。しかし、三部作を途中でやめるのは不可能だと思われるので、読むときは3冊一気読みをおすすめする。

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2024/12/01

敢えて辻褄の合わなさを逆手に取ったようなこの第三部。悲劇に違いないのに、何だろううこのクールな終わり方は。静かな衝撃が持続している。

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2024/08/18

本当も嘘も何もわからない。たどり着いたところは失望とも絶望とも違う、あえて言うなら「疲れちゃったよ…」 こんな陰鬱な物語がその昔、景気の良かった日本で大ヒットしたのはなんでだろう。宗教による救いも無い世界が日本人にフィットしたんだろうか。

Posted byブクログ

2024/05/01

「悪童日記」の続編。 「ふたりの証拠」のラストにはかなりの衝撃を受けたけど、この「第三の嘘」では更に物語が二転三転する。クラウスとリュカの物語がパラレルワールドのように展開していき、まるで入れ子細工みたいな物語だった。 この三冊目を読んで、リュカと血の繋がらないマティアスが不気味...

「悪童日記」の続編。 「ふたりの証拠」のラストにはかなりの衝撃を受けたけど、この「第三の嘘」では更に物語が二転三転する。クラウスとリュカの物語がパラレルワールドのように展開していき、まるで入れ子細工みたいな物語だった。 この三冊目を読んで、リュカと血の繋がらないマティアスが不気味なほどリュカに似ていた理由がわかった。クラウスはリュカでもあってマティアスでもあったんだな。 「悪童日記」も嘘「ふたりの証拠」も嘘、そしてこの三作目のタイトルが「第三の嘘」なんとも意味深。作中、リュカは手記の不要な部分は削除し書き換えている、というようなことが書かれていたので、今私が読んできた一連の物語は、クラウス、もしくはリュカが後から手を加えたものなのかもしれない。どこからがクラウスで、どこからがリュカが書いたものなのか、どちらがクラウスでどちらがリュカなのか、何が本当で何が嘘なのか、わからなくなってくる。まるで迷宮のような本。 リュカもクラウスもどっちも不幸だ。こうあってほしかった、と願って描いた物語が「悪童日記」だったのかな。崩壊した悲しい家族の物語だった。 一作目を読んだときはただただ不気味な子供の物語としか思わなかったけど、まさかこんな展開が待っていようとは。いやー面白かった。

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2024/04/03

凄まじい三部作だった。 『悪童日記』『ふたりの証拠』そして本作『第三の嘘』と、それぞれの作品に異なる衝撃があり、そして二作目を読めば一作目の、三作目まで読むとシリーズ全ての、見方や印象がガラリと変わってしまう。 「真実」がどうであるのか考察することにさほど意味はないだろう。重層的...

凄まじい三部作だった。 『悪童日記』『ふたりの証拠』そして本作『第三の嘘』と、それぞれの作品に異なる衝撃があり、そして二作目を読めば一作目の、三作目まで読むとシリーズ全ての、見方や印象がガラリと変わってしまう。 「真実」がどうであるのか考察することにさほど意味はないだろう。重層的かつ撹乱するような複数の物語を貫く、強烈な孤独感と、無理矢理引き裂かれ揺らぐアイデンティティ。亡命者である著者が故国と移住国に抱く感情の、言葉にし難い生々しい領域の、わずかな一端に触れた思い。

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2024/03/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・感想 悪童日記シリーズの3作目 2作目でも驚いたけど今作の展開にも驚愕。 結局彼らはどれなんだろう?全部嘘で作り物なのかな。 個人的には悪童日記のあの不気味さと閉塞感が好きだったから悪童日記のみで終わらせてもよかったかも。

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2023/12/05

ふたりの証拠の最後で「えーっ?」と思って急いで読み始めた第三の嘘。疑問がするする解けると思いきや、更にえっ?あれ?と混乱。どこまでも陰鬱で、心を削られるような哀しみが続くのに読まずにはいられない魅力がある。

Posted byブクログ

2023/11/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

(※ネタバレ) ⚫︎受け取ったメッセージ 実際には離れ離れだった双子。 二人が一緒にいられた「悪童日記」は、 二人が一緒にいられない現実から逃避する手段であった ⚫︎あらすじ(本概要より転載) ベルリンの壁の崩壊後、初めて二人は再会した…。絶賛をあびた前二作の感動さめやらぬなか、時は流れ、三たび爆弾が仕掛けられた。日本翻訳大賞新人賞に輝く『悪童日記』三部作、ついに完結。 (あらすじネタバレ) クラウスとリュカには悲しい事実(と思われる)があった。2人が4歳の時、父は浮気相手と一緒になりたいと話し、2人の母は父を撃った。その流れ弾がリュカの脊髄を損傷し、離れ離れに暮らすこととなった。2人の母は精神の病にかかり、またリュカはリハビリが必要となり、一家はバラバラになる。クラウスは4歳から愛人に育てられることとなる。腹違いの妹とともに。クラウスは本当の家族は母とリュカだけと思い続ける。8歳のとき、自分は愛人に育てられていたのだと知り、愛人を責める。腹違いの妹と近親愛に陥る前に愛人の元を去り、精神の病を患ったままの母と暮らし始める。ことあるごとに「リュカなら…」と妄想のリュカを褒め続け、クラウスには愛情を一切示さない母に、クラウスは何も言えない。そのまま55歳になっている。そこへ、リュカが現れるが、人違いだと告げるクラウス。2日後リュカは電車に飛び込み自殺。クラウスは父の墓の横にリュカを埋葬することに決める。この先母が他界したら、生きている意味もなく、4人一緒になれる日も近い、将来電車に自分も飛び込むかもしれないという余韻をのこして、完。 ⚫︎感想 「第三の嘘」によって、二人が会えるチャンスがあったのにタイミングが悪く、悲しい。ついに会えても、双子の気持ちは引き裂かれたまま。クラウスは55歳になってからでなく、もっともっと早くリュカに会いたかった。なぜ今になってしまったんだと思う気持ちで、リュカを追い返してしまう。しかし互いを求め、思う気持ちは「悪童日記」で描かれる二人で一人のまま。双子を引き裂く悲劇的な出来事に加えて戦争が落とす混乱。 いつの時代も、大人が引き起こしたことに巻き込まれ、犠牲になるのは子どもをはじめとした弱者である。

Posted byブクログ