第三の嘘 の商品レビュー
「んっ?」ってなって、「あぁ。」ってなって、最後は「えぇぇぇっ?」ってwww もしかしたら、コレも嘘かもしれない。
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ストーリーの整合性を予め確保した、一般的な小説を目指し書いたのではなく、自身の内側に漂い続けているものを小説という形をとって表現したのだと思う。 訳者の解説が巧みで素晴らしかった。 双子の、「でも、あなたは、今しがたおっしゃいましたね。〝苦しみは減少し、記憶は薄れる〟って」と...
ストーリーの整合性を予め確保した、一般的な小説を目指し書いたのではなく、自身の内側に漂い続けているものを小説という形をとって表現したのだと思う。 訳者の解説が巧みで素晴らしかった。 双子の、「でも、あなたは、今しがたおっしゃいましたね。〝苦しみは減少し、記憶は薄れる〟って」という言葉に対し、不眠症の男の「そう、確かに私は、減少する、薄れると言った。しかし、消え失せるとは言わなかったよ」という一言が印象的だった。 理不尽な力によって本来の自分から引き剥がされ、本来ならばそこに存在したはずの自分、家族、自然、国といった幻の中をさまよいながら、完治することのない傷と共に生き続ける人間の強さ、脆さ、悲しさが物語の随所に滲んでいた。 緑色の鎧戸の家を見つめながら涙を流す双子の描写が辛く、なかなか読み進めることができなかった。 忘れられない本になった。
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■ Before(本の選定理由) 「悪童日記」「ふたりの証拠」に続く3作目。 ■ 気づき 明かされる真実。これまでの物語を根底から覆すような真実。これは果たして真実なのだろうか?虚実入り混ざるような、不安とアンバランスさを感じさせる。 ■ Todo どうして著者は、前作の続き...
■ Before(本の選定理由) 「悪童日記」「ふたりの証拠」に続く3作目。 ■ 気づき 明かされる真実。これまでの物語を根底から覆すような真実。これは果たして真実なのだろうか?虚実入り混ざるような、不安とアンバランスさを感じさせる。 ■ Todo どうして著者は、前作の続きとしてこの本を描かざるを得なかったのか?それがもっとも気になる。
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第三の嘘。 なかなかAudibleで聞きつつも「えっ何どういうこと??」となるときがあった。章の変わり目くらいになると時々、双子のどっちの話なの?とわからなくなることも。 結局のところ、この三部作はつながっているようでつながってはないんだな。解説の通り。 でもつながっているよ...
第三の嘘。 なかなかAudibleで聞きつつも「えっ何どういうこと??」となるときがあった。章の変わり目くらいになると時々、双子のどっちの話なの?とわからなくなることも。 結局のところ、この三部作はつながっているようでつながってはないんだな。解説の通り。 でもつながっているようでつながっているという。 一作目はいわゆる作られたお話のこと。 二作目はなんだろう。これもまた空想の中でのこと。 3作目にやっとなるほどこの二人は一人に見せかけていたけどやっぱり双子。でも、想像の世界で書かれていたことだったわけね。とわかる。ような、でもワカラナイような。 でも本当に面白かった。怖いな、人ってっと思うこともあったけど、物語としてすごく面白かった。外国語でここまでかけるってすごいな。
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4/17/2022 悪童日記、2人の証拠を読んでしばらく経っていたので、ぼんやりとしたリュカとクラウスの思い出を心に読んだ。途中、どれが嘘?と混乱したけど、最終的には自分の中でリュカとクラウスの歴史が刻まれていた。最後まで救いがないが、親からの愛を求めること、兄弟姉妹に対する(性)愛のはざま、生きて書き、書いて生きること、などが軸としてみえる。
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えらい本を読んでしまった アゴタ・クリストフさん怪物やでぇ… 物語として素晴らしい完結をしていたと思っていた悪童日記がグラついて、ずっと夢の中にいる感覚 悪童日記は完結していた でも3部読んだとき、全く別の完結が見られる
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第二作の「?」がつながったような、つながっていないような。流し読みだから、もう一度じっくり読んでみようと思う。つながったらすごく面白いんだろうな。クラウス(K)がよくわからない。どうなっている??「彼」もリュカなのか、クラウスなのか。小説の再読は基本しない派だけどもう一度読もうと思える作品でした。
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「悪童日記」「ふたりの証拠」「第三の嘘」 3部作総括。 3部作として読み終わった時残る混乱と違和感は何かな。 障害があって外国にいた方のリュカが書いたと思われる「悪童日記」と「ふたりの証拠」。「第三の嘘」でクラウスと再会した時"未完成の最新の原稿だから完成させてくれ"って渡したものとイコールなのか?ん?何かがおかしくないか? 何が引っかかるのかな。ふたりの証拠の最後にクラウスが書いた風の章があったけど時系列的にまだ本物のクラウスが書いてるハズがない。あと、国境を越えずに残った方(ふたりの証拠でのリュカ)の周りの人が双子の存在を完全に否定してた事もなんか納得できない。そこに意味が無かったとは思えないんだよ。第三の嘘で投獄されてた時の"身の上話を書こうとしているが、あまりにも深く自身を傷つけるからできない。だからこうあってほしかったという自身の思いにしたがって描く"の文と矛盾してる気がするし。 ※↑訂正‼︎ 読み終わってからずーっと考えてた。 そしてある結論に達した。私なりの答え。 そもそもね、「第三の嘘」が前2作の謎解きだと決めつけてた所から間違ってた。だから違和感があったんだ。この3部作は全てクラウスの"こうあってほしかった"っていう創作だから。 [あのこと(ある家族に起きた悲劇)]後から、リュカが死ぬまでの物語をずっと読んできた。事実が明らかになったという意味での完結編じゃない。1人の不幸な男(クラウス)のねじ曲げた身の上話が終わっただけ。最初から最後まで全て、少しの事実が入った創作。 「第三の嘘」ラスト "私はまた、私たち四人があらためていっしょになれる日も近いなと思う。これで母が死んでしまえば、その時には、私がこんなことを続けていく理由はすべてなくなってしまう。 列車。いい考えだな。" こんなこととは「過去を塗り替えてまで生きようとすること」。結果は一緒でも過程と理由が違えば意味は変わる。そうする事でしか生き残る術を持たなかった人の話なんです、これは。自分の人生で印象的だった事や人をバラバラにして組み立てた、救済の物語。あの壮絶な物語が救済?って感じるけど、現実はもっと残酷だっていうこと。 この小説ヤバすぎるな‼︎震えるわ‼︎ ↑急に語彙力無くす 笑 2021.10.3読了 備忘録
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『悪童日記』3部作の完結編。2人の兄弟のその後を描いている。今まで読んできた兄弟とは設定が多少異なるため、過去の作品との繋がりが薄く読んでいて混乱してしまった。(そういうものとして読めばまた違ったのかもしれないが)兄弟は本当の兄弟なのだろうか、それとも現実から逃避するために造りだ...
『悪童日記』3部作の完結編。2人の兄弟のその後を描いている。今まで読んできた兄弟とは設定が多少異なるため、過去の作品との繋がりが薄く読んでいて混乱してしまった。(そういうものとして読めばまた違ったのかもしれないが)兄弟は本当の兄弟なのだろうか、それとも現実から逃避するために造りだした別の人格なのだろうか、、そのようなミステリアスな部分を残したまま幕を閉じてしまう。いかようにも解釈はできるのだろうが、個人的には謎を明らかにしてほしかった。ただ物語に引き込む文体は、さすがと感じた。
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