わが闘争(上) の商品レビュー
獄中で書かれたそうで…
獄中で書かれたそうですが、彼の異常なまでの政治への執着を感じさせます。
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読むのが苦痛になる本。というのも、彼ヒトラーの主観が強くて、怒りや僻みや妬みのようなネガティブな心象をエネルギー源にした鬱屈した意見を延々とぶつけられ続けるからだ。ポジティブで力づけられる要素以上にネガティブ要素を強く感じてしまうのは、既に私が歴史的帰結を知ってしまっているからな...
読むのが苦痛になる本。というのも、彼ヒトラーの主観が強くて、怒りや僻みや妬みのようなネガティブな心象をエネルギー源にした鬱屈した意見を延々とぶつけられ続けるからだ。ポジティブで力づけられる要素以上にネガティブ要素を強く感じてしまうのは、既に私が歴史的帰結を知ってしまっているからなのだろう。 きっと当時のドイツではむしろこの怒りと熱さは共感を持って迎えられたのだろう。 また影を裏に控えた強いナルシシズムも文章から透けて見える。 更に文章自体も繰り返しや飛躍が多く、テンポが死ぬほど悪い。読みにくいったらありゃしない。構成も良くないし文学的な良さは皆無。 こうすべきだ、という主張に対し、都度その根拠を説明しているようでいて、その根拠がかなりあやふや。ベースとなる論理にはソクラテスやプラトンらしさを強く感じるが、古代ギリシャ思想のネガティブポイントである非科学性であったり差別性である部分が完全に見落とされている。 ヒトラーは演説の天才だったというが、それには本を通さない、対面で使える洗脳的なノウハウや、主張を受け入れざるを得ない時代背景の要素が大きかったに違いない。本書を読んだだけでこの意見を鵜呑みにできるかというとかなり疑わしい。 下巻に進みたくない…。 本の出来としては★1だが、ヒトラーの人柄を知るという貴重な歴史的情報源であるため、総合判断として★3を与えたい。
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メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1841411068796850354?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
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第6回ビブリオバトル全国大会inいこまオンライン予選会2で発表された本です。チャンプ本。 https://www.youtube.com/watch?v=eGLUEJBQCwg 2021.2.7 2021.3.14開催の第6回ビブリオバトル全国大会inいこま決勝に進出。
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批判したり、後知恵であれこれ言ったりすることは誰にでもできる。当時の情勢を知れば知るほど、自分がもしそこにいたら、大半のドイツ国民と同じ行動をしていただろうと思ってしまう。そうであるからこそ、彼の考えを、その悪事を以て毛嫌いするのではなく、深く知ることで、緩んだボルトを閉める必要...
批判したり、後知恵であれこれ言ったりすることは誰にでもできる。当時の情勢を知れば知るほど、自分がもしそこにいたら、大半のドイツ国民と同じ行動をしていただろうと思ってしまう。そうであるからこそ、彼の考えを、その悪事を以て毛嫌いするのではなく、深く知ることで、緩んだボルトを閉める必要があるのかなと。
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この本の内容や思想についての評価は正直出来ないと感じる。(肯定否定で論じることがタブーでは?とも感じる) 彼の政治家としての活動内容については、当然否定するが、政治家としての素質は天才的と認めざるを得ない。 この本の内容ではなく、この本を足がかりのひとつとしてアドルフ・ヒトラーと...
この本の内容や思想についての評価は正直出来ないと感じる。(肯定否定で論じることがタブーでは?とも感じる) 彼の政治家としての活動内容については、当然否定するが、政治家としての素質は天才的と認めざるを得ない。 この本の内容ではなく、この本を足がかりのひとつとしてアドルフ・ヒトラーという人物やあの時代について考えることが必要であると感じた。 追記:文章の構成に一貫性がなく、論理における具体性はほとんどないため、単体での読解は非常に困難である。(言い方を変えると非常に読みにくい。) 主張は強いが論拠は薄っぺらい。しかしながら、言い方は悪いがこんな本でも大衆の心を引きつけるには充分だったのだから、教養というものがいかに必要か考えさせられる。
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当時には新鮮・斬新だったであろう思想が描かれている。また、同じ言葉を繰り返し使って読者への意識付けを考えていることが感じ取れた。 戦争責任はヒトラーにありとしているドイツ国民が本書を読んだ上でそう言っていたのであれば、問題だと感じた。総統になる以前に執筆された本書でも過激な思想は...
当時には新鮮・斬新だったであろう思想が描かれている。また、同じ言葉を繰り返し使って読者への意識付けを考えていることが感じ取れた。 戦争責任はヒトラーにありとしているドイツ国民が本書を読んだ上でそう言っていたのであれば、問題だと感じた。総統になる以前に執筆された本書でも過激な思想は変わっていないように思う。
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行いは評価されるべきではなく、何故そこまでユダヤ人排除に拘ったのかが理解はできなかった。でも演説等による人心掌握のセンスには学ぶものがありました。
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高評価を付けるとファシストと勘違いされそうなので星は3つ。 アドルフ・ヒトラーが起こした歴史的大罪と自決による責任回避行動を振り返って「人類史上最悪の悪魔」「史上最高のペテン師」などと本書を批判することは容易であろう。だが、発刊当時(1925~1926年)のドイツ(当時ヴァイマ...
高評価を付けるとファシストと勘違いされそうなので星は3つ。 アドルフ・ヒトラーが起こした歴史的大罪と自決による責任回避行動を振り返って「人類史上最悪の悪魔」「史上最高のペテン師」などと本書を批判することは容易であろう。だが、発刊当時(1925~1926年)のドイツ(当時ヴァイマル共和政)の国状を考えるとまた見方は変わってくる。第一次世界大戦の敗戦後、パリならびにロンドン協定の賠償金に喘ぐドイツ。自信を無くし未来も見えない中で、極めて論理的に理路整然と国家の将来を説く綺羅星の如く登場したのがヒトラーである。正否は別とし、圧倒的な知識量と天才的発想で課題と対策を提示し超一流の演説術で国家論を語り、彼は彼の語る政策を実現し、大衆は日に日に良くなる生活を実感する。ドイツ国民は自信を取り戻し、彼に従っていれば大丈夫という雰囲気が醸成されて圧倒的なナチス党支持・ヒトラー崇拝に大衆が傾いたのである。 本書を読めばわかる通り彼の主張は複雑怪奇で論理の飛躍が多い。歴史解釈の間違いも散見される。しかし読み進めていくと感情むき出しに力強く(そして偏狭に)シンプルな主張を繰り返す。それが「アーリア至上主義」だ。大衆は、おそらく側近も、ヒトラーの語る国家論は半分も理解できていなかったであろう。しかし実績を残し強い国家を実現していく彼の主張は正しいに違いないと思い込み、理解できる「アーリア至上主義」という部分、すなわち人種差別を受け入れ実行していくのである。 我々はヒトラーが画家の夢破れた偏屈者であることを知っている。しかし当時のドイツ国民は、それまで無名であったことが功を奏し、突如現れた救世主に飛びつき希望を託した。言葉がどれほど影響を及ぼし1人の人間が大衆をこれほど煽動できる事実を学ぶ良い教材である。
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難解な本。一つの事柄に溢れる感情がテンコ盛り! 長い長い書き言葉に耐えきれず、斜め読み。 なぜヒトラーは歴史に残る通り、極端なまでの政治思想を持つに至ったかについて書かれている。有名なミュンヘン一揆の失敗により、国家反逆罪で有罪判決を受けたヒトラー。裁判では自らの責任を認めた...
難解な本。一つの事柄に溢れる感情がテンコ盛り! 長い長い書き言葉に耐えきれず、斜め読み。 なぜヒトラーは歴史に残る通り、極端なまでの政治思想を持つに至ったかについて書かれている。有名なミュンヘン一揆の失敗により、国家反逆罪で有罪判決を受けたヒトラー。裁判では自らの責任を認めた上で、その弁舌で裁判を演説の舞台とし、自らを弁護した。その裁判は終始、ヒトラーに同情的であり、感動すら巻き起こした。 ともあれ、有罪となったヒトラーはリンツ刑務所内で本書を口述筆記した。刑務所では建物内を自由に歩き、面会も制限がなかったそうだ。 彼はドイツの没落を嘆き、ユダヤ人を憎み、民主主義、共産主義を否定した。 下巻へ。
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