ドグラ・マグラ(下) の商品レビュー
大変感想が書きにくいが、上下巻通して意外と内容はシンプルだな、という印象を受けた。そのシンプルなものを全力で引っ掻き回してできた、という感じ。 ラノベ世代のせいか「奇書」と感じるほどの衝撃は受けなかったが、奇抜な作風で売れているラノベ作家は、みなこの作品の影響を受けているのかも...
大変感想が書きにくいが、上下巻通して意外と内容はシンプルだな、という印象を受けた。そのシンプルなものを全力で引っ掻き回してできた、という感じ。 ラノベ世代のせいか「奇書」と感じるほどの衝撃は受けなかったが、奇抜な作風で売れているラノベ作家は、みなこの作品の影響を受けているのかもしれないとは思った。 上巻に引き続き表紙が内容と全くそぐっていないことが気になる。この表紙が、この作品の内容を正に表しているのだろうと長年思っていたためかもしれない。
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上を読んでからしばらくの間積んでいました。意を決して読むと上よりわかりやすい。面白いと感じながら読めたけれど、内容よりも読み切った達成感のほうがつよかったです。
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夢野久作の『ドグラ・マグラ』を読了。三大奇書の1つ。 本作は、内容のあまりの難解さに読むのに疲れ、1度積ん読にしてしまっていたのだが、久しぶりに引っ張り出して遂に読了した。 本作は、夢野久作の作家人生をかけた大作である。作家デビューした1926年に、『狂人の解放治療』というタ...
夢野久作の『ドグラ・マグラ』を読了。三大奇書の1つ。 本作は、内容のあまりの難解さに読むのに疲れ、1度積ん読にしてしまっていたのだが、久しぶりに引っ張り出して遂に読了した。 本作は、夢野久作の作家人生をかけた大作である。作家デビューした1926年に、『狂人の解放治療』というタイトルで書き始め、後に『ドグラ・マグラ』と改題。10年近くの間、徹底的に推敲を行ったという。夢野は1935年にこの作品を発表し、その翌年に死去している。 しかしそれ程の大作と言えど、必ずしも万人受けする作品ではない。まず、読破すること自体が苦痛かもしれない。さらに内容の奇抜さや難解さもある。ある程度は理解出来るだろうが、完全に理解することはかなり難しい。むしろ出来ない可能性のほうが高い。本作が寄書と呼ばれるのは、それらが少なからず関係しているのは間違いないだろう。もちろん他の要素もあるだろうが。ありすぎて困る。 オレ自信、震災以降から読書を初めて少なからず数も読んできたと思うが、このような内容のものは初めてだった。想像を遥かに上回っていた、という表現が一番しっくり来るかもしれない。 ちなみにあらすじをWikipediaから引用すると、 大正15年頃、九州帝国大学医学部精神病科の独房に閉じ込められた、記憶喪失中の若き精神病患者の物語(と思われる)であり、「私」という一人称で語られていく。彼は過去に発生した複数の事件と何らかの関わりを有しており、物語が進むにつれて、謎に包まれた一連の事件の真犯人・動機・犯行手口などが次第に明かされていく。そうした意味では既存の探偵小説・推理小説の定石に沿っている。が、その筋立てが非常に突飛である。 物語の骨格自体は非常にシンプルな物だが、冒頭に記された巻頭歌のほか、胎内で胎児が育つ10ヶ月のうちに閲する数十億年の万有進化の大悪夢の内にあるという壮大な論文「胎児の夢」(エルンスト・ヘッケルの反復説を下敷きにしている)や、「脳髄は物を考える処に非ず」と主張する「脳髄論」、入れられたら死ぬまで出られない精神病院の恐ろしさを歌った「キチガイ地獄外道祭文」などの肉付けがされている。まともに要約することは到底不可能な奇書とも言われる所以である。 主人公とも言うべき青年が「ドグラ・マグラ」の作中で「ドグラ・マグラ」なる書物を見つけ、「これはある精神病者が書いたものだ」と説明を受ける場面では、登場人物の台詞を借りて、本作の今後の大まかな流れが予告されており、結末部分までも暗示している。このことから、一種のメタフィクションとも評し得る。また、その結末は一つの結論を導き出しているものの、あくまでも「主人公がそう解釈した」というだけで、それ以外にあり得る様々な解釈を否定するものではない。 以上のことから、便宜上「探偵小説」に分類されているものの、そのような画一的なカテゴリには収まらない。一度の読了で作品の真相、内容を理解することは困難である。(上記の「ドグラ・マグラの作中のドグラ・マグラ解説シーン」でも「内容が複雑なため読者は最低二度以上の再読を余儀なくされる」と語られている) と、まぁこのような内容。メタフィクションとは、作中作が出てくる作品などのことを指す。あらすじにもある様に、『ドグラ・マグラ』には「ドグラ・マグラ」という作中作が出てくる。正直言って、この作中作を読むのが一番疲れたかもしれない。 さらにこれもあらすじにあることだが、この作品は普通の推理小説とは違い、解釈も一つとは限らない。それ以前に一度読んでみて普通に解釈できるかどうかすら怪しいと言える。 読破するのには労力が伴うが、再読も必要だと心底思わせられる作品だった。おそらく、何度読んでも全てを理解は出来ないかもしれない。 三大奇書では一番読みにくいとされる『ドグラ・マグラ』、青空文庫で無料で読むことも可能なので、興味を持たれた方は一度目を通して見てはいかがだろうか。
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上巻のレビューに「どうも中だるみを覚える」部分があったと書いた私は、何もわかっていなかった。 この本は、読むのが面倒であることすらもひとつの意味を持つ小説なのだ。主人公呉一郎が自らの記憶を喪っているため、事件の輪郭がぼやけたまま物語が進んでいくのと相似形をなすように、上下巻70...
上巻のレビューに「どうも中だるみを覚える」部分があったと書いた私は、何もわかっていなかった。 この本は、読むのが面倒であることすらもひとつの意味を持つ小説なのだ。主人公呉一郎が自らの記憶を喪っているため、事件の輪郭がぼやけたまま物語が進んでいくのと相似形をなすように、上下巻700ページ弱を手繰って行くうちに、私たち読者の物語の記憶もぼんやりとしてくる。 ところがそんな「リーダーズ・ハイ」の状態で、結末は突如宙ぶらりんに投げ出される。そして読み終わった後でふと思うのだ。 結末どころか、私は何もわかっていなかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なんだか色んなことを盛り込まれて本筋を何度も見失ってしまった。 筋だけ追えば単純な話しだと思うのだが。 映画化するなら監督はデビッド・リンチが最適。 何はともあれ謎が解明されてホッとした。 ただW氏の目的がイマイチわからないまま。
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初読みから、約四半世紀。 前に読んだのから、約十年。 久々の再読(×5以上)。 ディテールについては、ずいぶんと忘れている部分があったし、今回も新しい発見があった。 さらに、今回は、時系列をまとめる等々で、付箋貼って、少し戻ったりしながら読んでみた。おかげか、作者が約十年かけ、そ...
初読みから、約四半世紀。 前に読んだのから、約十年。 久々の再読(×5以上)。 ディテールについては、ずいぶんと忘れている部分があったし、今回も新しい発見があった。 さらに、今回は、時系列をまとめる等々で、付箋貼って、少し戻ったりしながら読んでみた。おかげか、作者が約十年かけ、その頭の中だけで整理、構築した緻密さ(当然、PCなどなかった時代)には脱帽するより他にない。 スッキリ、結論付けられるタイプの探偵小説ではないし、???とした部分を何度も読んだ後でも、拭いきれないところも確かにある。 読了後も、いったい、何なの?で終ってしまう方も多いだろうし、万民ウケする類いの作品ではないだろう。 しかし、中味は、序盤の回りくどい、W氏とのやりとりを抜けると、和、中、洋…etc、取り揃えた。とんでもない極上の品々で構成された、まるで、最高の無国籍コース料理のよう。論文引用や、社寺縁起…等々。含め、文体だけでも飽きさせないし、ドレもソレだけで、成立しうる構成。 無限ループだったのか?呉家末裔の胎児の夢だったのか?読む度に感じるコトが変わって行く。
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記憶を失い精神異常な主人公の自分探しからスタート。一人称で主人公が信用できない語り手なことと、監禁されてて断片的な情報が少しずつしか提示されないので前半は苦痛なくらい読みにくい。小説内小説、時計の音、先祖の記憶が遺伝的に継承される説などのアイテムを散りばめて物語の解釈を読者に投げ...
記憶を失い精神異常な主人公の自分探しからスタート。一人称で主人公が信用できない語り手なことと、監禁されてて断片的な情報が少しずつしか提示されないので前半は苦痛なくらい読みにくい。小説内小説、時計の音、先祖の記憶が遺伝的に継承される説などのアイテムを散りばめて物語の解釈を読者に投げっぱなしにする系。エヴァンゲリオンみたいだなw 夢オチ、ループ、マルチエンディング、どうとでも考えられるので深入りした考察が好きな人にはオススメ。
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2回は読んで ある程度は頭の中で整理して、でも・・やっぱり、う~ん 5、10年後に再度読み直したい。 暇が有ればと言う程は体力がない感じ。 手元には、置いておきます。
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読みにくい。あえてわかりにくくしてる感がある。ろくろ首の解釈などは、へーってなるし、話的にはおもしろいがハッキリと理解できないお話。 説明できない話としては秀逸。 下巻はおもしろい。
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まさかそんな結末が……!? といってもちゃんと理解できているかは甚だ怪しい 上巻の論文とかを適当に流し読みしたせいです 時間とか意識とかもうぐちゃぐちゃ 「私」と一緒に二転三転する憶測と事実に混乱しまくり、加えて難解な精神医学的説明に惑わされまくり もうわけ...
まさかそんな結末が……!? といってもちゃんと理解できているかは甚だ怪しい 上巻の論文とかを適当に流し読みしたせいです 時間とか意識とかもうぐちゃぐちゃ 「私」と一緒に二転三転する憶測と事実に混乱しまくり、加えて難解な精神医学的説明に惑わされまくり もうわけがわからない 理解できるまで読んでみたいと思うけどそんな体力気力があるかどうかは謎 「ドグラ・マグラ」というタイトルからして読者を煙に巻く気満々 所詮はキ●●●の頭が作り出したお話に過ぎないかもしれないという
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