ドグラ・マグラ(下) の商品レビュー
冒頭から延々と続く理解不能な描写に、「ドグラ・マグラ(中)」を買い忘れたのでは、と思ってしまいました。
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2016年48冊目。 「キチガイ地獄外道祭文」「地球表面は狂人の一大解放治療場」「絶対探偵小説 脳髄は物を考えるところに非ず」「胎児の夢」「空前絶後の遺言書」...上巻の途中から300ページ以上続いた正木教授の奇怪な文書がようやく終わるも、その続きはさらに奇怪。日本三大奇書と言...
2016年48冊目。 「キチガイ地獄外道祭文」「地球表面は狂人の一大解放治療場」「絶対探偵小説 脳髄は物を考えるところに非ず」「胎児の夢」「空前絶後の遺言書」...上巻の途中から300ページ以上続いた正木教授の奇怪な文書がようやく終わるも、その続きはさらに奇怪。日本三大奇書と言われる通り、「推理小説」というようなカテゴリーには収まらない。なだいなださんが解説に「解釈があきらかにしたのは、小説の世界よりも、解釈者自身の世界の方だった」という言葉にこの本の凄さが表れていると思う。「堂巡目眩(「ドグラ・マグラ」の語源。と言われる)」、まさに。読後、身体全体が疲れ切った本だった。
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無数にある合わせ鏡の真ん中に立っているような感覚・・・というのが私の読後感。最終的には主体/客体、夢/現実、生前/生後が不可分になり、本作品の主人公であり、ある意味証人でもある「私」と同じように読者も作中に取り残される。この無限の反復の前では、今まで私が読んできた、メタフィクションの要素を持ったアントニオ・タブッキやポール・オースターの諸作ですら歯が立たないかも・・・と感じてしまうほどの強烈な眩暈がある。「呉一郎の談話」に登場する、ポー、スティーブンソン、ホーソーンといった作家たち、もしくはコナン・ドイル(「シャーロック・ホームズ」)のような推理作家、もしかしたら「二重人格」という言葉から察するにドストエフスキーの「分身」、さらには九相図に代表される中国の歴史等々、古今東西からの文脈が絡み合っている。さらに、二人の博士に代表される精神科学、法医学も加わる。この作品を味わいつくすには、多くの事柄に精通する必要があるように思う。 しかし、自然主義、白樺派、プロレタリア、私小説といった文脈とは全く別の流れを汲むような今作が日本の文学の歴史にあることが何よりも素晴らしい。その事実に少し感動してしまうほど。傑作。 恣意的な連想だが、「反復」「メタ」といった要素から「めまい」「裏窓」の監督、アルフレッド・ヒッチコックが浮かんだ。特に関係は無いんですが。
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上巻より読みづらい。特に「青黛山如月寺縁起」が古風な文章で、読むのが苦痛でしかなかった。眠くなる。耐えられず、ざっと読み飛ばした。そういう難解な部分を入れているのも、著者の戦略じゃないかと邪推してしまう。そういう風に考えてしまうのも、この作品の不思議なところかもしれない。 読みながら、「そもそも、どういう流れで今読んでいる部分に続いているんだっけ?」とふと疑問に思う瞬間がある。他の一般的な小説だと、少しページを戻って、ああそうだったとすぐ思い出せる。でもこの作品は違う。よくわからない。 他にも疑問はいろいろ湧いてくる。 ・作中に出てくる『ドグラ・マグラ』は誰が書いたもの?呉一郎なのか? ・主人公は何者なのか?呉一郎の双子の兄弟なのか? 他にも疑問は読みながら色々湧いてきた。でも、取り止めがなさすぎて、文章にするのは難しい。 作中で主人公が、自分は呉一郎の双子の兄弟ではないかと考える場面がある。記憶喪失状態で、顔は瓜二つ。そうだとすると、呉一郎とその兄弟は何が違うのか。本人たちがどう主張するか、どう思い込むかでしかないように思い、不思議な感じがする。 主人公は二人の教授が自分を陥れようとしているのでは、と色々と疑っている。その割に、絵巻物を見て人が発狂するという突飛な話を信じているのは何故だろう?記憶を失ったら、何を拠り所に物事を判断することになるんだろう? やっと読み終わったが、これはどういうことだろう?これは何かの暗示なんだろうか?という感覚に翻弄された感じだ。そういう不思議な感覚を楽しむ作品なのかなと思う。この作品の、どこが面白いのかを伝えるのは難しい。
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読んだら気が狂うという奇抜な煽りと、青空文庫で無料で読めるということに惹かれて読み始めた。結論から言うと気が狂いはしなかったが、自分の中の固定観念のようなものが引っ掻き回されたという印象が強い。脳髄論、胎児の夢、心理遺伝など、自分が科学の知識に疎いせいもあろうが、そうなのかもと思...
読んだら気が狂うという奇抜な煽りと、青空文庫で無料で読めるということに惹かれて読み始めた。結論から言うと気が狂いはしなかったが、自分の中の固定観念のようなものが引っ掻き回されたという印象が強い。脳髄論、胎児の夢、心理遺伝など、自分が科学の知識に疎いせいもあろうが、そうなのかもと思わせる説得力があった。 序中盤で資料を読み解くシーンは正直読み辛いと何度か思ったが、後半はSFミステリーという展開で、一気に読み進めることができた。 主人公が記憶喪失する作品は数多あれど、その原因と背景をここまで緻密に練り込んである作品は少ないだろう。作中で若林博士が解説してある通り、心理学的にも探偵小説としても楽しめる、非常に濃厚な作品だった。
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上巻はあっという間に読了、下巻は読み進めるうちにしばしば苦痛をを感じ、休み休み文字を追った。幸い、精神に異常を来すことは無かったと感じたのは、私は既にキチガイだからなのかしらん。それとも、私自身が胎児の夢なのかしらん。 不思議な後味の残る作品であった。
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上巻のスピードが下巻では落ちたような気がする。ただ下巻の文章も、昭和初期にかかれた内容とは思えぬほど「現代的」であるなあ、と実感。異常性というのはふへんてきなのかしらん。発狂するまでの内容ではない気がします。
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ちょっと今は読めない。一大奇書とはよく言ったもので、精神に異常をきたすかどうかは知らないけど鬱屈とする。言葉の迷路に入り込んでいって吐き気を催す。辛うじて推理小説のような体裁を保っているけど、哲学書であり医学書であり日記であり歌謡集である。とにかく今は読めない。正確に言うと、文字...
ちょっと今は読めない。一大奇書とはよく言ったもので、精神に異常をきたすかどうかは知らないけど鬱屈とする。言葉の迷路に入り込んでいって吐き気を催す。辛うじて推理小説のような体裁を保っているけど、哲学書であり医学書であり日記であり歌謡集である。とにかく今は読めない。正確に言うと、文字の上を目が滑っていくだけ。そらでもかなり破壊力ある文章。
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なんだ? この世界は読んだ人の多くが精神に異常をきたすというが、まさに夢野久作の世界に迷い込んでしまったが最後、どこへ向かうのか、何を描きたいのか、読了するまでわからない。これはミステリーなのか?これは心理小説なのか? 幻惑されて、しばらく茫然とする。
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はー、ほぼ1ヶ月ちまちまとかけて読了! なにせ目が滑って読みづらかったです。 ルビが何とも厨二臭い(笑。 人間世界から神様を抹消(ノックアウト)した…のあたりとか特に。 今のラノベの原点なのかなぁとも思ったり。 読んでいて随所におかしみを感じることはあったけれど、心沸き立つような...
はー、ほぼ1ヶ月ちまちまとかけて読了! なにせ目が滑って読みづらかったです。 ルビが何とも厨二臭い(笑。 人間世界から神様を抹消(ノックアウト)した…のあたりとか特に。 今のラノベの原点なのかなぁとも思ったり。 読んでいて随所におかしみを感じることはあったけれど、心沸き立つようなおもしろさではないかも。 スチャラカのあたりは結構飽きましたし。 流石三大奇書。
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