獄門島 の商品レビュー
オチがなんとなく分かったので、どこかで一度読んでいたかも。ミステリにハマった最近ではないので、小中学生の時に読んだのだと思う。そう考えるとあまりにも有名な作品なのだなと。 この作品が名作中の名作と言われているのはすごく分かる気がするし、だからこそ本作を下書きにして膨らませていっ...
オチがなんとなく分かったので、どこかで一度読んでいたかも。ミステリにハマった最近ではないので、小中学生の時に読んだのだと思う。そう考えるとあまりにも有名な作品なのだなと。 この作品が名作中の名作と言われているのはすごく分かる気がするし、だからこそ本作を下書きにして膨らませていった後世の作家も多いと思う。 相変わらずおどろおどろしい雰囲気や、小さな島の限られた家族中心の人間関係などが克明に描かれている。トリックや動機も鮮やかで、まさにミステリにおける教科書的な美しさがある。 色褪せない名作、というのはまさにこのような作品のことを言うのだろう。
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映画を見ているので、なんとなくストーリーは覚えていたから、読みながら映像が浮かんだ。映画はよく本の内容を表現できていたな~と思った。文章の表現力で風景や人物の描写がよくわかり、思い描きやすい。暗い、ドロドロした、古臭い、タブー、因習などの言葉が似合う、日本の地方のほんとにあった怖...
映画を見ているので、なんとなくストーリーは覚えていたから、読みながら映像が浮かんだ。映画はよく本の内容を表現できていたな~と思った。文章の表現力で風景や人物の描写がよくわかり、思い描きやすい。暗い、ドロドロした、古臭い、タブー、因習などの言葉が似合う、日本の地方のほんとにあった怖い話的なストーリー。横溝正史の作品らしいエンタメ作品。いやいやおもしろかった。
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この島の人々は全員海賊か流刑人の子孫、そういうインパクトある情報からはじまり、出会った島民は結構普通とおもったら気が狂ったからと父を座敷牢にいれてたりと、所々でウッとさせてくる。いい人に見えても島に毒されてたりと閉ざされた島の嫌らしさが所々で刺さって面白い 最近読んだ金田一耕...
この島の人々は全員海賊か流刑人の子孫、そういうインパクトある情報からはじまり、出会った島民は結構普通とおもったら気が狂ったからと父を座敷牢にいれてたりと、所々でウッとさせてくる。いい人に見えても島に毒されてたりと閉ざされた島の嫌らしさが所々で刺さって面白い 最近読んだ金田一耕助シリーズが結構偶然に頼ったものが多かったのでトリックもそういうものと思ったが真っ当なトリックで中々に楽しかった ただ読んでて作者の都合が透けて見える。金田一は事件の真相に何度も迫りながらも空振りする、地の文ですらそれを指摘する。誰が狙われているか金田一も島民すらもわかってるのに、なんとなくいう事情で金田一は信頼できる島外の警察すらにことを明かさずみすみす殺されてしまう 金田一が真相に気づくと物語が終わるが、全く気づかないのも不自然と空振りさせるしかないという風に見えてしまうし、事情を伝えないのも警察が護衛を付けたら話が進まないからというご都合主義に感じてしまう ここらへんをもっと巧みにやってくれたら物語に集中できたのにと惜しく思う
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相当面白かった。 古い小説で今とは違う道徳感も面白い。 しっかりとした推理小説で、やっぱり今回も騙されて満足だ。 これは横溝正史もハマりそう、ブックオフに行かねば。
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名言だけ覚えていて犯人を忘れてしまっていたことに気付いたので再読しました。 因習の残る村社会での連続殺人という「出てくる村人全員あやしい」事件に金田一が挑むわけですが、この手の舞台設定ではやはり読者は”分家筋”などの言葉が出てきた途端に「お家の相続に関わる殺人事件なのだろうな」...
名言だけ覚えていて犯人を忘れてしまっていたことに気付いたので再読しました。 因習の残る村社会での連続殺人という「出てくる村人全員あやしい」事件に金田一が挑むわけですが、この手の舞台設定ではやはり読者は”分家筋”などの言葉が出てきた途端に「お家の相続に関わる殺人事件なのだろうな」とすぐに察することができるわけです。しかしそれに気づいたことで作品の魅力は全く損なわれず読む中で飽きもこない。なぜなのかというと、その相続争いの行方をぼやかしつつ犯人当ての楽しみを持続させる存在として、元兵士の鵜飼やビルマから復員中の一、復員兵上がりの海賊など戦争を裏テーマにすることで可能になったあやしいヤツらがこれでもかと投げられているためです。普通、ムラで生まれた者たちが皆ムラの外に出ていくなんて状況は基本発生し得ないわけで、終戦後すぐという時代設定がないと、こういう形での殺人劇にはならないし、ここまで悲劇として完成されたラストにはならなかったのでは、と思うのです。だからトリック以前の問題で、この舞台を作った時点で横溝正史の天才ぶりが際立っているなと、そう思いました。 ところで、金田一が殺人を未然に防止するような行動を取れなかったときに、語り手がすぐに「この時ああしてれば、悲劇は防げたのに」的な地の文を必ず入れるので、そこがちょっと可笑しかったです。「この人は助かるのかな…」という希望を一瞬たりとも抱かせない鬼畜ぶり。
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「惨劇の夜は霧のふかい朝となって明けた」 相変わらず章の出だしが格好良い。 再々読だが、読みやすく、結末がわかっていても楽しめる。最初から伏線も散りばめられ、「そう、これこれ」とか頷きながら読む。途中で分かったとしてもこれはこれで良いのである。 「月影を砕いた波が、いぶし銀...
「惨劇の夜は霧のふかい朝となって明けた」 相変わらず章の出だしが格好良い。 再々読だが、読みやすく、結末がわかっていても楽しめる。最初から伏線も散りばめられ、「そう、これこれ」とか頷きながら読む。途中で分かったとしてもこれはこれで良いのである。 「月影を砕いた波が、いぶし銀のように底光りしているなかに点々として黒い島影がちらばっている。夜霧にけぶった漁火が夢のようにまたたいていた。」とか、もう文章が最高。 頭の中の映像を楽しみながら、やっぱり横溝正史は最高と思うのである。 解説より「イムポシブル・クライムと意外な犯人、しかも一貫した理論性があって、その間に妖しき情緒が播曳している。そういう小説が書きたいのだけれど…」 その通りの作品になってます! 「…大きな野心を持ち、そして試みるべきではあるまいか」 …最高でした。 所有は昭和49年のもの。高校時代、古本屋を巡って集めてました。懐かしい…
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瀬戸内海に浮かぶ獄門島で起こる殺人事件。俳句の見立て殺人の真相は衝撃的だった。読み終えた後、改めて、この作品は傑作だと感じた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
誰が犯人なのか最後まで分からなかったので、面白く読めた。最後は報われない感じだけど、上手くまとまった気がする。セリフ量が多いけど、それでも登場人物たちの切羽詰まった雰囲気や悲しさなどの感情がとても伝わる書き方でとても惹き込まれる。さすが先生。
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読んだ本 獄門島 横溝正史 20230406 まずは、すごく読みやすい。 小学生の頃に、友達が「犬神家の一族」の文庫本を読んでいて、小さな字がいっぱいで難しそうだなと、ずっと思って今日まで来ました。しかも、映画の宣伝はおどろおどろしいし。ホラー映画が苦手だった僕には、縁遠いも...
読んだ本 獄門島 横溝正史 20230406 まずは、すごく読みやすい。 小学生の頃に、友達が「犬神家の一族」の文庫本を読んでいて、小さな字がいっぱいで難しそうだなと、ずっと思って今日まで来ました。しかも、映画の宣伝はおどろおどろしいし。ホラー映画が苦手だった僕には、縁遠いものでした。 だけど、まあ、市川崑の横溝正史シリーズの映画なんかは観れるようにもなり、むしろ大好きになって久しく、なんとなく気が向いて手に取ってみました。犬神家は何回も観てて覚えちゃってるので、うろ覚えの「獄門島」を。 読んでみると、確かに不気味な舞台、狂気を孕んだキャラクターの設定などはお馴染みの感がありますが、小説の表現としては、むしろそれを重く感じさせないような、軽い筆致でユーモラスであり、誰もが親しめる小説になってます。 むしろ、これをあの禍々しい映像美に仕立て上げた市川崑ってすごいなと。読んでる間中、市川崑風の極彩色な映像が頭に浮かんで支配されちゃってました。小説の読みやすさとのギャップを感じつつ。 ミステリーとしても古い感じはありませんね。これだけ陰惨な殺人が行われながら、全てが愛すべき人だということも魅力だな。 週末は、Amazonで獄門島観よ。
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以前観た映像作品の記憶が残っていたので結末は分かっていましたが、私はそれでも十分に楽しめました。こんな動機や仕掛けが通用する当時の状況・・・ジトっとした雰囲気、閉鎖的なコミュニティ、島の闇夜などを想像するればするほどゾクゾクします。現代の日本ではもう体験できない世界におじゃました...
以前観た映像作品の記憶が残っていたので結末は分かっていましたが、私はそれでも十分に楽しめました。こんな動機や仕掛けが通用する当時の状況・・・ジトっとした雰囲気、閉鎖的なコミュニティ、島の闇夜などを想像するればするほどゾクゾクします。現代の日本ではもう体験できない世界におじゃました気分です。そして全体的に不穏な空気が流れる中、金田一と清水さんとのやり取りがいいアクセントになって好きでした。
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