日本語の作文技術 の商品レビュー
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<修飾の順序> 1、節を先に、句をあとに(ライトを消して、速く走る) 2、長い修飾語ほど先に、短いほどあとに(ライトを消して、止まらずに、速く走る) 3、大状況、重要内容ほど先に 4、親和度(なじみ)の強弱による配置転換(もえる夕日が所夏の緑に近づいた。「もえる」と「緑」は親和度が高いので、誤解されないように離す) 特に1と2が重要。どちらを優先するかはその文の状況で判断する。 <句読点の打ち方> 不用な点は打たない。 原則を外れてもよいのは、筆者としての思想を託す点がある。(山椒魚は、こう言った。) 原則 1、長い修飾語が2つ以上ある時、その間に句点を打つ。(戦前からの業界を知る幹部も、今年の漁業について聞くと、うなだれた顔になった) 2、原則的語順が逆の場合に句点を打つ。(気をつけてね、殺されないように) <漢字とカナの真理> 漢字ばかりが続くと読みにくい文では、「今」を「いま」にしてよい。 <助詞の使い方> までに:時点を示す まで:期間を示す 列挙する場合は、最初に助詞をつける。(クジラや牛、馬、魚は・・・) <無神経な文章> 紋切型はやめる (鉛筆をなめなめ書いた)本当になめなめしたのか? 紋切型ではなく、本当にやったことを書く。 美しいと作者が感嘆しても、読者は美しさを感じない。作者が美しさを感じた素材そのものを読者も追体験できるように再現する。 読者を怒らせたい時は怒らない。泣かせたい時は泣かない。感動させたい時は感動しない。笑わせたい時は笑わない。 <「作文」技術の次に> 「編集者が書けと言ったから書くのだが」という出だしは最悪。 序曲や序論は一切なく、いきなり事件そのものに引っ張り込む。 具体的な事実を書く。大げさな修飾語は辞めろということでもある。 具体的な細部を描く。 事実確認を大事に。一方だけでなく他方の意見も聞く。取材を拒否されたなら、拒否された事実を書くとフェアになる。
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分かりにくい文章のポイントが分かった。 ルールが明確になると、真似しやすい。 思った事を思った通りに言語化する練習は、必要だ。
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日本語を書くお仕事をしている方に限らず、我々一般人も日本人なら是非読んでおきたい。というか昔からうちにある本。今一度読み返す必要があるな、私こそ。
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2016年時 プロ記者の職業姿勢 1.示唆 解説には、「第一章から第四章まで読めば、それだけで確実に、文章はよくなる」と推薦がある。しかし、印象に残ったのは、第六章以降、特に第十章だった。記者としての文章を書く心構えや意気込みを感じたからだ。推測の意義を出ないが、著者が本...
2016年時 プロ記者の職業姿勢 1.示唆 解説には、「第一章から第四章まで読めば、それだけで確実に、文章はよくなる」と推薦がある。しかし、印象に残ったのは、第六章以降、特に第十章だった。記者としての文章を書く心構えや意気込みを感じたからだ。推測の意義を出ないが、著者が本当に書きたかったのは、第十章だったのではないか。本書が版を重ね続けるのは、単なるハウツーの紹介ではなく、記者人生を通して感じた問題意識に裏づけられているからだろう。 2.行動 本を選ぶときは、取材量(または参考文献の量)、強烈なまたは長年にわたる著者の経験を一つの指標に。 3.引用 ・文は長ければわかりにくく、短ければわかりやすいという迷信がよくあるが、わかりやすさと長短とは本質的には関係がない。 ・「もうわかりきったもの、わかりきっていると思っているもの、それを自分の目でもう一度たしかめ、とらえなおし、たえず疑問にぶつかりつつ歩くこと、こうしたことが、ほかならぬ小説を書こうとする者の役目なのだ」 ・その人の現実感なるものが、生命のじかな反応としてとらえられていずに、他人がすでに作ったものとか、世間的に習俗となっているものの積み重ねである場合には、その上に作られるところの人生観という論理もまた、何らの新しさを持たない平凡なものとなる。 ・正か不正かは論理によって考えればよく、感情を外に出しては取材も困難になる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2014年時 山崎元氏の文章を読んだとき、読みやすいと感じた。氏のオススメ本の一つに本書があり読むことにした。 技術的なことは前半の数章に書かれてあり、読点の打ち方は参考になった。今までどれだけ無駄打ちをしていたことか。自然とメール文を書くときに気にするようになったのは収穫である。 しかし、個人的には後半の方が好きだ。文章を書くことで飯を食っている筆者の問題意識、言い換えればプロフェッショナルマインドを感じた。これが本書を書いた真の動機でないか。
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「簡単に言ってくれちゃうけどそんなのは常人にはムリだろ(笑)」みたいなTips もけっこうあったが基本的にはおもしろかった。「華麗なレトリックを擁するよりも、地道な取材に基づくきちんとした事実を淡々と積み重ねていく文章のほうが説得力がある」(大意)は、作文技術としては身も蓋もない...
「簡単に言ってくれちゃうけどそんなのは常人にはムリだろ(笑)」みたいなTips もけっこうあったが基本的にはおもしろかった。「華麗なレトリックを擁するよりも、地道な取材に基づくきちんとした事実を淡々と積み重ねていく文章のほうが説得力がある」(大意)は、作文技術としては身も蓋もない感じだが、同意。
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著名なジャーナリストが日本語での文章技法を説いた一冊。昔読んだのは学生時代で、正直あまり文章を書く生活をしていなかったせいで、ぴんとこない箇所も多かったのだが、仕事で文章を書くようにことが多い今読むと、腹落ち感がとても高いことに気づく。 著者ならではの豊富な文章作成経験をベース...
著名なジャーナリストが日本語での文章技法を説いた一冊。昔読んだのは学生時代で、正直あまり文章を書く生活をしていなかったせいで、ぴんとこない箇所も多かったのだが、仕事で文章を書くようにことが多い今読むと、腹落ち感がとても高いことに気づく。 著者ならではの豊富な文章作成経験をベースとした帰納的分析により、これまで明確なロジックがないと思われていた具体的な文章技法が極めて明晰に示されている。前半の修飾語と句読点(特に読点)の技法だけでも、これまで文章表現において感じていた「読みやすい文章」という曖昧な存在がクリアになる感覚を強く受けた。 また、著者ならではの世界観も多分に入ってくるが、主語が存在しなくても文章が成立するのは日本語独自のものだと思い込んでいたが、実は世界的に見れば決して珍しいものではないこと、そうした中で主語を必ず持たせようとすればかえって違和感のある文章になってしまうことなど、興味深いエピソードも多い。 とにかく、日本語の文章表現を磨きたい人には、文句なしにお勧めできる一冊。
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私にとっての作文とは直感的な作業である。世の多くの人にとっても、そうではなかろうか。インターネットが発達した一億総表現者の時代、わかりやすい文章の書き方を勉強したくなったのだが、この本は、その目的に最適である。しかし、作文とは畢竟、直感的な作業なのだ。従い、直ぐに自らの文体に変化...
私にとっての作文とは直感的な作業である。世の多くの人にとっても、そうではなかろうか。インターネットが発達した一億総表現者の時代、わかりやすい文章の書き方を勉強したくなったのだが、この本は、その目的に最適である。しかし、作文とは畢竟、直感的な作業なのだ。従い、直ぐに自らの文体に変化を期待することは出来ない。歩く動作を意識すれば、ぎこちなくなってしまう。読後、そんなぎこちなさを払えずに文を書いている。 「忠告」という形で、作文のコツが綴られる。役に立つが、取り入れにくいものもある。しかし、意識するきっかけになるという意味では、非常に有効な本だ。ぎこちなさ。取り入れにくさ。これは巻末の解説者にも見られる。本著内容を絶賛する割に、彼の書く文章には、活かされていない。結論すれば、本著は、即効性はないが読んでおいた方が良いという分類になる。
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「理科系の作文技術」などの有名な作文指南書より前に読んでおきたかった。 そして、読むだけでなく実践に生かさなくては意味のない書籍。 本書の前半には、“日本語”で文章を書く時の基本的なルール(考え方)が書いてある。本当に基本的なことだが、このルールを守って書けば文章は相当に読みや...
「理科系の作文技術」などの有名な作文指南書より前に読んでおきたかった。 そして、読むだけでなく実践に生かさなくては意味のない書籍。 本書の前半には、“日本語”で文章を書く時の基本的なルール(考え方)が書いてある。本当に基本的なことだが、このルールを守って書けば文章は相当に読みやすくなる。 後半は、文章全体の構成やルポタージュを書く際の考え方について書いてある。これはこれで役立つ。 助詞について書かれた章は、よく理解できていない。おそらく本書の山場と思うので、理解できないのが残念。 筆者の信念や信条の部分は、そんなものかと読み流した。
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いかに分かりやすく相手に正確に伝わるように日本語の文章を書くか、ということのについて書かれた本。 日本語の構造は述語がメインであることを踏まえつつ、それを修飾する句や節をどの助詞によりどういう順番でつなげていくのが分かりやすいのかが、それこそ分かりやすく、論理的に書かれている。 ...
いかに分かりやすく相手に正確に伝わるように日本語の文章を書くか、ということのについて書かれた本。 日本語の構造は述語がメインであることを踏まえつつ、それを修飾する句や節をどの助詞によりどういう順番でつなげていくのが分かりやすいのかが、それこそ分かりやすく、論理的に書かれている。 著者が述べているように、形式的な文法なんかよりこうした作文技術を学ぶ方がよっぽど有益であると思うが、他では見たことがない。 ちなみに第1刷発行は1982年である。
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上司から仕事に生かすために読むように指示されて着手。 まだ読み途中ではあるが、句読点の使い方や文節の位置など、学校では教えてくれない文章の作り方を具体的に、例を交えながら説明してくれるので、わかりやすい。実践にも生かしやすい。 中でも句読点の使い方は、使いどころによっては意図して...
上司から仕事に生かすために読むように指示されて着手。 まだ読み途中ではあるが、句読点の使い方や文節の位置など、学校では教えてくれない文章の作り方を具体的に、例を交えながら説明してくれるので、わかりやすい。実践にも生かしやすい。 中でも句読点の使い方は、使いどころによっては意図していたこととはまったく違うとらえられ方をされてしまうので、日常的な文章を書くにしても意識するようになった。 文章を一切書かないという人以外はぜひ一度読んでみていただきたい。 ただし、この本で書かれている内容はあくまでも作者の独自解釈ではあり、世情に対する偏見のような記述もある。 だが、それをおいても一見の価値はあると思う。
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