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ぽろぽろドール の商品レビュー

3.8

79件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2019/01/16

おとなしい少女であるわたしは おばさんから涙を流す男の子を譲り受ける「ぽろぽろドール」 田舎の中学から出てきた私は自分の容姿を思い知り 冬馬さんによく似た人形を可愛がる「手のひらの中のやわらかな星」 家の建て替えの間おばあちゃんの家で過ごしているときに 坪内君の部屋でわたしそっく...

おとなしい少女であるわたしは おばさんから涙を流す男の子を譲り受ける「ぽろぽろドール」 田舎の中学から出てきた私は自分の容姿を思い知り 冬馬さんによく似た人形を可愛がる「手のひらの中のやわらかな星」 家の建て替えの間おばあちゃんの家で過ごしているときに 坪内君の部屋でわたしそっくりの人形と出会う「めざめる五月」 製糸工場の下女だった私が戦後マネキンデザイナーとなり 坊ちゃんのようなマネキンを作り続ける「サナギのままで」 オークションで落とした人形の元に 前の持ち主から後悔の手紙が届く「きみのいない夜には」 事故で醜くなってしまった僕は子豚のような彼女が出来るが 秋葉原で昔の彼女によく似た人形を見つけてしまう「僕が人形と眠るまで」 イラスト:長井トモコ ブックデザイン:鈴木成一デザイン室 様々な人形とそれに対する人々の思い。 人形が登場する話って不安を誘うものが多いですよね。 やっぱり人形の中に人間を見ているからなのかなぁ。 「めざめる五月」とか「僕が人形と眠るまで」は狂気が見える。

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2010/12/02

人形好きなので読んでみました。 人と人形を巡る6つの短編。 少年少女のやり場のない気持ちの描かれた話が多めです。 一番光のある終わりに見えたのは『手のひらの中のやわらかな星』、一番共感出来る気がしたのは表題作。

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2010/11/07

表紙に惹かれて借りてきたのですが、良い一冊でした。 一歩間違うと変態…というか気持ち悪い話になり兼ねない「人形」をテーマにしたお話を、綺麗に可愛らしく繊細に書かれています。

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2010/11/02

「ドール」をテーマにした6篇。 「ドール」の持つ独特の「神秘さ」「魅了性」が描かれています。 私のように「ドール」に自作の服を着せてやってた人は、 『手のひらの中のやわらかな星』が結構共感できるトコロがありますね~ あと他の皆様が書いてる通り、表紙が素敵です。表紙借り余裕でし...

「ドール」をテーマにした6篇。 「ドール」の持つ独特の「神秘さ」「魅了性」が描かれています。 私のように「ドール」に自作の服を着せてやってた人は、 『手のひらの中のやわらかな星』が結構共感できるトコロがありますね~ あと他の皆様が書いてる通り、表紙が素敵です。表紙借り余裕でした。

Posted byブクログ

2010/10/14

ドリーミングで乙女ちっくな表紙に隠された、ほのかに残酷で美しい6つのお話。 「秘密にしてね」と鎌倉のおばさまから譲り受けた大きな大きなお人形。彼のいじましい瞳から流れる、わたしのためだけの涙。たのしいことがいくらでもまちうける未来の全てをあわせても、この人形に勝るものはない・...

ドリーミングで乙女ちっくな表紙に隠された、ほのかに残酷で美しい6つのお話。 「秘密にしてね」と鎌倉のおばさまから譲り受けた大きな大きなお人形。彼のいじましい瞳から流れる、わたしのためだけの涙。たのしいことがいくらでもまちうける未来の全てをあわせても、この人形に勝るものはない・・・「ぽろぽろドール」 あのこになりたい、でもなれない。クラスでひときわ輝くかわいい子。彼女にそっくりの人形にのめり込みながらも現実を飲み込む、「手のひらの中のやわらかな光」 田舎に引っ越してきためぐむ。その町の旧家に眠る、自分そっくりなお人形・ミカ。彼女を愛でる秘密の密会にいざなわれためぐむは、次第にミカになりきることに長けてゆき・・・「めざめる五月」 マネキン職人のはつは、幼いころに遊んだ坊ちゃんそっくりのマネキンを作り上げる。 彼とかくれた、薄暗いマユ蔵。そこで闇に溶け込むのを待つ、至福の時を思い返しながら・・・。「サナギのままで」 オークションで手に入れたお人形。彼女にあてられて届く手紙。前も後ろもわからないくらいの運命に向かって、手をさし伸ばす祐子の逃避行「きみのいない夜には」 僕の整った顔が壊れたとき、僕の世界も壊れてしまった。それからの生活が豹変する事もなく、日々の生活に流されていた頃、僕はひとつの人形と出会う。その人形は、彼に思い出させた。リノリウム張りのろうかと、窓の外に見える虹、その人形そっくりの昔の彼女としたキス。美しくももろい調和の上に成り立つ、完璧な世界を・・・「僕が人形と眠るまで」 「ぽろぽろドール」 「サナギのままで」 「僕が人形と眠るまで」 は秀逸!! どれもラストで異なったゾクゾク感を味わえますよ~。

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2010/07/23

これは、もっと評価されてもいい作品なんじゃないかと思います。 タイトルも装丁もかわいらしいですが、"かわいらしい話"は収録されていないですね。 今のところ、豊島作品で1番完成度が高いんじゃないかと思います。

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2011/07/17

今回の作品は当たりであったような気がする。人間の劣等感を前面に押し出し、豊島ワールド全開でしたね。変にさわやかな物語を書くよりも、このようなどこか影のある物語のほうがいい。自分の感情を人形におくる姿が怖くもあったが文学的で他者と語りあったり、人物の心理を考えるにはもってこいの作品...

今回の作品は当たりであったような気がする。人間の劣等感を前面に押し出し、豊島ワールド全開でしたね。変にさわやかな物語を書くよりも、このようなどこか影のある物語のほうがいい。自分の感情を人形におくる姿が怖くもあったが文学的で他者と語りあったり、人物の心理を考えるにはもってこいの作品であったとおもう。

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2010/03/09

これも表紙につられて… ← あとから気づいたけどまたまた豊島ミホさんやね! いやはやセンスがステキ! 装丁の素敵さだけで買う価値がある、かも。 実際ほしいです。ごくり くまはリリイ~よりこっちが好きやなあ どちらも短編集でさっくり読めるので、軽く読書がしたいときにおすすめです ...

これも表紙につられて… ← あとから気づいたけどまたまた豊島ミホさんやね! いやはやセンスがステキ! 装丁の素敵さだけで買う価値がある、かも。 実際ほしいです。ごくり くまはリリイ~よりこっちが好きやなあ どちらも短編集でさっくり読めるので、軽く読書がしたいときにおすすめです どれも、さまざまなかたちで人形に魅入られる、というかのめり込む 人たちを描いた話です。 人が人形に対して抱く漠然とした恐怖とか、人形のもつ神秘さとか、 そういうものをうまーく使って 読後なんとなく居心地悪くなる感じ。雰囲気は恩田陸さんの作品みたい。 「ぽろぽろドール」で、主人公が、感情が爆発しそうになると 人形をぶつんやけど、 その姿がすごいリアルに感じられたというか この作品全体が幻想的なだけに浮いていた。 めちゃめちゃに傷ついて悲しいことがあっても 人形をぶって、ぽろぽろ出てくる涙を見てるうちに 感情がすーっと収まってくるっていう 人形に対して「可愛い」だけじゃここまで愛でられへんよなあと納得してしまった 「めざめる五月」「僕が人形と眠るまで」がすきです。 「めざめる五月」は主人公が一瞬本当に 人形と化す、化そうとして打ち砕かれる場面にドキッとした 「僕が人形と眠るまで」はなんか… 大事にしてたものはそこにあったのかという驚きと、 それを二度と取り返せないやるせなさとで、切ない 昨日読み終わったのに、すでに内容がぼやけている… でも、このままもやーっと頭の中に残しておきたい作品かも。 笑

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2010/02/27

人形に興味がないから、彼らを理解するのは少し難しかったけれど。人形に執着したり、憧れを押し付けたり―人間のマニクな部分(偏見であろう)を垣間見た感じがした。でもそれは、必ずしも、もともと溺愛しているのではなく、何かのきっかけがあったからで。  「僕と人形が眠るまで」に狂わされる...

人形に興味がないから、彼らを理解するのは少し難しかったけれど。人形に執着したり、憧れを押し付けたり―人間のマニクな部分(偏見であろう)を垣間見た感じがした。でもそれは、必ずしも、もともと溺愛しているのではなく、何かのきっかけがあったからで。  「僕と人形が眠るまで」に狂わされる。ぐらぐらする。p218の、「美しさ」に、あたしも「死にそう。きれいすぎて」って言いそうになる。その、なんとも言えない、完璧な美しさと、彼らの外見の醜さとが、まざりあって、ぐちゃぐちゃになる。それを絞り取った時に出てくるものは、どろどろした汚いものであろうか、それとも。

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2011/09/28

外見ってなんだろう…?と不思議になったつい最近が成人式で、着飾って「きれい」「かわいい」って言い合うけど、心の中では「自分もみんなも同じにしか見えない」と思ってる。見た目でわーわー言うことがやっぱりよくわからないんだけど、人形対人間っていうほぼ1対1の、相手がしゃべらない関係とな...

外見ってなんだろう…?と不思議になったつい最近が成人式で、着飾って「きれい」「かわいい」って言い合うけど、心の中では「自分もみんなも同じにしか見えない」と思ってる。見た目でわーわー言うことがやっぱりよくわからないんだけど、人形対人間っていうほぼ1対1の、相手がしゃべらない関係となると、話が全く変わってくる気がする。なんでやろう。ちょっと人形っておもしろそう。いろんなことをおもってよんで、だけど、最後の「僕が人形と眠るまで」っていう書きおろしの最後の二文で、「そういうことなのかもしれない」となんとなく思った。結局、何を通して、何を観るか、なのだ。

Posted byブクログ