カラマーゾフの兄弟(2) の商品レビュー
初めて読んだ訳では「破裂」だった。語の普通でない用法に発作の感じが生々しいと思った。違う文化を訳すんだったら、日本語の感覚でわからないことを変にわかり良いように置き換えないで、わからないままにしておくってのが好きだけどな。まるで違う文化の世界で書かれた物語をすらすら読めるようにす...
初めて読んだ訳では「破裂」だった。語の普通でない用法に発作の感じが生々しいと思った。違う文化を訳すんだったら、日本語の感覚でわからないことを変にわかり良いように置き換えないで、わからないままにしておくってのが好きだけどな。まるで違う文化の世界で書かれた物語をすらすら読めるようにするっていうコンセプトって無理あると思う。
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2巻は、アリョーシャが身を寄せる修道院の話、キリスト教関連の専門的な話が多い。神を信仰するという習慣が生活にコミットしていない私にとってはかなり新鮮だったし、考えさせられる事が多かったです。 個人的にかなり熱かったのは、フェラポンド神父の登場。強烈キャラすぎる。 厳しい修行...
2巻は、アリョーシャが身を寄せる修道院の話、キリスト教関連の専門的な話が多い。神を信仰するという習慣が生活にコミットしていない私にとってはかなり新鮮だったし、考えさせられる事が多かったです。 個人的にかなり熱かったのは、フェラポンド神父の登場。強烈キャラすぎる。 厳しい修行を積み、完全に人間のもつ罪(欲)から解脱し切っているから、3日に一切れパンを食べるだけで生き延びていけるし、部屋の隅にいる悪魔も見えるし、90歳過ぎてるのに背筋が真っ直ぐでアスリート体型だし…。もう完全に行き過ぎちゃってて、人間離れしすぎてて、むしろ野生人…?みたいな超人っぷり。個人的にかなりツボで大爆笑でした。 しかも、強烈なインパクトで登場した割には、本筋に全然関係無いから、それが更におもしろくて…!! 結局、聖人君子で人望の厚いゾシマ長老だけど、こんな対抗勢力もいたんだよ〜的な事を表したかったんですよね。ゾシマ関連の小話に奥行きを出す為だけの存在な割りには、あまりにも超人すぎて、楽しめました。 アリョーシャが道端で子供のケンカに巻き込まれるところから始まる、貧困大家族のエピソードも印象的。 その子供の家庭に一歩踏み入れる事になったアリョーシャが、目の当たりにした貧困層の現実…極寒のロシアの地で最低限の衣服すら着れない、家族の治療費が捻出できない、発狂した母親、金の話に目が眩み媚びる父親。普段修道院で祈りを重ね、愛で人を救う事を目指してきたアリョーシャが、はじめて外の世界で直面する悲惨な現実に、どう対処していくのかが見所。 アリョーシャが、ただの清潔で頭の空っぽな子供ではない事がよくわかる。 2巻は、こういうサイドストーリーが凄く濃くて。 やはりドスト先生は、「金が如何に人を変えてしまうか」という事について書かせたら、天才。誰もが共感できる日常の中に潜む悪意と、その醜さをあぶり出す事に関しては、特に。 随所に散りばめられた小話のどこを切っても、名作として成立し得るという点が、カラ兄の傑作たる所以のひとつなんですが、まず読破する事を目的とするなら、この辺のエピソードにはあまり感情移入しない事を敢えて薦めます。 割り切ってカラマーゾフ一族の動きのみに焦点を絞った方が賢いのかも。 そしてこの2巻の佳境である「大審問官」について。 アリョーシャとイワンが語り合う場面。ここの場面はかなり有名ですね。 イワンが、「自分は実際に起こった幼児虐待事件・惨殺事件の新聞記事のスクラップのコレクターである」という告白を皮切りに、次々と、ロシアで多いとされる折檻…つまり幼児虐待事件や、戦争中に起こった兵士による女性・子供に対する残虐事件・惨殺事件の具体例を、アリョーシャに畳み掛けるように饒舌に語る場面。 ざっくり内容に触れると、【人はこういう罪を犯す人間を「鬼畜のようだ」と形容するけど、本来それは間違いである…畜生は人の精神を無茶苦茶に壊した上で殺すような、計算ずくの残虐性は持ってはいない…こんな残虐な発想を持ってる生物は人間しかいない…もし神が居るというのなら何故このような惨劇が起きるのか…苦しむ子供達の声を神は聞き入れないのか】というのが、イワンの主張の主な内容。 カラ兄の登場人物は、みんな一様に台詞が超長いけど、ここは本当に長くて、圧倒的。 イワンが、実際に起こった事件(という設定の架空の内容)をあまりにも克明に語るから、その内容のハードさ付いていくのが大変。 当時の文学界に空前絶後の大インパクトを与え、現代でも有名な場面であり続けるだけの事はある。 しかし自分は、大審問以降、イワンに好感を持ちました。 「カラマーゾフ家の人間っていうのは、強欲で浅ましい性質を持っていると同時に、恐ろしい事に、子供が大好きなんだ。だから、こういう子供の苦しむ様子が我慢できないんだ」というイワンの発言が印象深い。イワンは、頭が良すぎる&感性が繊細すぎるだけで、本当は正義感が強くて優しい、フツーの兄ちゃんなんだよね。 イワンが真剣に神について考え抜いた末の無神論主義である事がよくわかるし、あまりにも求めるからこそ逆を選ぶ、という彼の考え方の傾向は、カテリーナとの恋愛にもそのまま反映してるんだなって、彼の感情構造の特徴がここで解ります。 アリョーシャとイワンの本質が次第に見えてきて、ミーチャの精神状態は悪化してきて、フョードルとの関係が更に悪化してきたところで2巻は終了。 ほんとにほんとに長い作品だけど、自分はこの巻ではずみが付いて、どんどんおもしろくなってきて、後は一気に読めました。 2巻は、全巻の中でも一番スピード感があっておもしろい。
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セリフ、長っ。みんなわがままで叫んでて疲れる。初めて読んだときはすごい最初の方で挫折したので今回はちゃんと最後まで読みたいけど、2巻で挫折してしまいそう。つまらなくはないんだけど疲れる(笑)。
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登場人物たちの感情が激しい。もうちょっと自分の欲望とか傲慢とかおさえられないものか;; また同時に神の存在への多方面からの審問が面白い。 キリスト教の知識がもっとあればまた全然違う感じ方ができそう。
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長くて難しい話かと思って敬遠していたけれど、読みだすと止まらなくなるくらい面白かったです。 もし自分にキリスト教に関する知識があれば、もっと色々なことを読み取れただろうなと思います。
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新潮文庫の原訳と比べると圧倒的に読みやすい亀山訳…のはずなのだが、大審問官の部分については読みやすさはそう変わらないような気がした。と言うか、ここだけは原訳の方が分かりやすかったかもしれない。もっとも、分かったつもりになっていただけかもしれないが…。新潮よりずっと巻末解説が充実し...
新潮文庫の原訳と比べると圧倒的に読みやすい亀山訳…のはずなのだが、大審問官の部分については読みやすさはそう変わらないような気がした。と言うか、ここだけは原訳の方が分かりやすかったかもしれない。もっとも、分かったつもりになっていただけかもしれないが…。新潮よりずっと巻末解説が充実しているので、先に解説を読んである程度あらすじ等を押さえておくと言うのも一つの読み方かもしれない。 大審問官とゾシマ長老の説話に関しては、訳者をはじめ多くのレビューでも述べられているので割愛するとして、僕は個人的に引っかかるいくつかの事柄について述べてみる。 まず、イワンが人生を『30歳まで』とするのはどうしてだろう…と思うのであるが、実は僕ももっと若かった頃は、「俺は多分若いうちに死ぬ、色々な能力が衰えていくまで無駄に長生きしても仕方がない」と言うような考え方をしていたことがあったので、そう言う人生の節目の設け方もなんとなく分かったりするのだ。だがこの『30歳まで』と言うのは、果たして僕のそれと同じようなこういった浅はかな考え方による帰結だろうか。おそらくは違うんだろう。 スメルジャコフの扱われ方が、彼自身が非常に卑屈で卑怯な性格をしているからと言え、あまりにも酷いが、これはおそらくその当時の下男と言う立場を如実に反映している扱い方なのだろう。その点、上で割愛すると書いたが、ゾシマ長老の説話の中の召使に対する観念が、このようなイワン達の下男に対する扱いと好対照を成している。 読んでいて、僕にはどうにもリーズが本気でアリョーシャを想っていると言う気がしない。尤もリーズは、第一の小説ではなく、書かれることはなかった第二の小説で、輝かしいヒロインとなる予定であったことは容易に推察できるのであるが…。しかし続編が書かれなかった以上、第一の小説のヒロインはグルーシェニカとカテリーナであり、僕の中ではリーズは単なる脇役と言うイメージしかないのだが、どうだろうか。 二等大尉のくだりが個人的に好きだ。当時の貧困層の家庭がリアルに描かれている。妙に癒されてしまうのだが、なぜだろうか。
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ところどころに読者がつまずく石が配置してあり、読了するのに非常に時間がかかった。 ただ、後半物語がドライブし始めてからはグイグイと引き込まれること請け合い。読了後はかなりの達成感を得られる。 また、何年か後に読みたい本だ。
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大半は一巻に引き続き、主人公アリョーシャの行動を追う形で話が進んでいきます。 一巻で謎だった兄イワンがクローズアップされたり、新キャラの登場やら、不穏な雰囲気やら、テンポよく面白く読めたんですが、最後のアリョーシャの手記をもとにしたという長老の話が…長い。 長老の過去は興味深く読...
大半は一巻に引き続き、主人公アリョーシャの行動を追う形で話が進んでいきます。 一巻で謎だった兄イワンがクローズアップされたり、新キャラの登場やら、不穏な雰囲気やら、テンポよく面白く読めたんですが、最後のアリョーシャの手記をもとにしたという長老の話が…長い。 長老の過去は興味深く読みましたが、その後のお説教が難しい。校長先生のお話みたいな感じです。眠くなりました。 イワンの語る物語詩と対比させて考えるときっと面白いのでしょう、ちゃんと理解できたら。でもまずは話の先が知りたいので、その辺は再読の時にとっておくことにします。
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2巻目〜。 いやあ、長かった。 きっと挫折する人は2巻目が一番多いと思う。 次男の物語詩とやらが、まぁ、わからない。 ちっとも理解できないのは私が悪いのだろうけど、何せ宗教観が 違うからと言い訳してます。 2巻目の終わりは面白いので3巻目に突入〜
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めちゃめちゃ面白くなってまいりました。 ここへ来て物語の主人公とされるアリョーシャの動きが活発になり、多くの人を巻き込んだ物語が恐ろしい勢いで展開していきます。 「大審問官」は圧巻。 何度も何度も読み返しました。 「4.反逆」から「5.大審問官」は無性に通して朗読したくなります...
めちゃめちゃ面白くなってまいりました。 ここへ来て物語の主人公とされるアリョーシャの動きが活発になり、多くの人を巻き込んだ物語が恐ろしい勢いで展開していきます。 「大審問官」は圧巻。 何度も何度も読み返しました。 「4.反逆」から「5.大審問官」は無性に通して朗読したくなります。
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