檸檬のころ の商品レビュー
オススメ
瑞々しくて、爽やかで、少し苦い。確かに「檸檬」だった、あの頃……。とある田舎の高校を舞台にした、連作短編集。今、高校生の人には共感を。かつて高校生だった人には、郷愁をくれる。そんな素敵な本である。
TKS
高校生の卒業までを丁寧に描いた作品。忘れていた図書室の匂いや友達とのなんでもない会話、その中に生まれていた空気や感情までもが鮮明に思い出されました。 私の高校生活も、楽しかったと思い出すことができました。 友達との時間も楽しかったですが、受験勉強を必死でやった記憶も鮮明です。もう...
高校生の卒業までを丁寧に描いた作品。忘れていた図書室の匂いや友達とのなんでもない会話、その中に生まれていた空気や感情までもが鮮明に思い出されました。 私の高校生活も、楽しかったと思い出すことができました。 友達との時間も楽しかったですが、受験勉強を必死でやった記憶も鮮明です。もう一度高校生活を送ることはできないですが、あの時勉強した事をもう一度することはできると思い、先日から高校数学を再勉強しています笑
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なるほど、地味な人なりの青春・・・ちょっと希望が持てるね・・・ただうるさいだけじゃなく、ただ暗いだけじゃない青春、リアルです。
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青春小説。ありふれた日常が切り取られていて、自分の高校生活を重ね合わせながら読みました。「雪の降る町、春に散る花」が特に好きでした。実家・地元を離れ上京し、大事な人と離れ離れになる実感が湧いたときの痛み、心許なさが改めて思い起こされました。
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甘酸っぱい、!けどやっぱ「檸檬」の通り酸っぱいが強い。 キラキラ輝いているというより、「淡くくすみながらも、照っている」という感じの綺麗な青春。ばかは出てこないで基本的に頭いい人ばっか出てくるから、大人っぽい青年少女たちの決意がまっすぐ語られている。 高校戻りたい…
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田舎の進学校を舞台に繰り広げられる普通の人々の普通の日常を鮮やかに青く酸っぱく美しく表現した短編集 各章の主人公たちがほぼ全員ラジオリスナーっぽい人種というか…思春期特有の不器用さと真っ直ぐさを持つ人物なのが凄く好感が持てる 各章の登場人物が他の章に顔を出すのも「学校」という閉鎖...
田舎の進学校を舞台に繰り広げられる普通の人々の普通の日常を鮮やかに青く酸っぱく美しく表現した短編集 各章の主人公たちがほぼ全員ラジオリスナーっぽい人種というか…思春期特有の不器用さと真っ直ぐさを持つ人物なのが凄く好感が持てる 各章の登場人物が他の章に顔を出すのも「学校」という閉鎖的で濃厚で複合的で、そこでしかありえない人間関係を表していると感じました 特に劇的な何かが起こるわけでもない、大きくなったら忘れてしまうような事が書かれていますが、あの日常時代っていわゆる「想い出」の他にも楽しいことって山ほどあったはずで、それでも日常の出来事だから時が経つとどんどん上書きされてしまって、「何となく楽しかった」と抽象化されてしまう それはしょうがないことなんだけど、確かにあの瞬間楽しかった事ってどこかに残ってるんじゃないかと思うんですよね この本を読んで、少しだけあの時の日常に触れた気がしました
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「成瀬は天下を取りに行く」の著者 宮島未奈さんが旧TwitterXで殿堂ゾーンとして本棚の一部を公開していました。豊島ミホさんの作品ばかりだったのでその中の1冊(20年程前の作品)を手に取ってみました。 短編か?と思いきや、意外な所で繋がっていて「おっ!」と思わず声が出てしまう連...
「成瀬は天下を取りに行く」の著者 宮島未奈さんが旧TwitterXで殿堂ゾーンとして本棚の一部を公開していました。豊島ミホさんの作品ばかりだったのでその中の1冊(20年程前の作品)を手に取ってみました。 短編か?と思いきや、意外な所で繋がっていて「おっ!」と思わず声が出てしまう連作短編集です。著者が「底辺」だったという高校時代。底辺でもそこには人が存在していて必ず物語があります。そしてそこでは誰もが主役です。 解説で「豊島ミホは、ふつうをかがやかせる達人」と称してましたが、この本を読みながら昔を思い出し、私も都合よく自分自身の記憶を改ざんして高校時代を輝いていた事にしておきました。 リアルタイムで読んでみたかったと思いはしますが、その時代、読書よりも楽しい事が沢山あったので、この本を手に取った「今」がリアルタイムなんだろうなぁとこの歳になると思います。 支離滅裂で申し訳ないですが、タイムスリップさせてくれる小説。またいつか再読する機会がありそうです。
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ささやかだけど、しっかりとあるその存在感。とても素直で可愛らしい子達 (若い頃なら絶対にこうは思わなかっただろうけど)。「地味」とあとがきにはあるしセンセーショナルではないけれど、だけど、これは地味なのではなくてメジャーすぎて目立たないだけでしょ。
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甘酸っぱく、爽やかで、若々しい、けれど鼻を掠める香りはツンと響く、檸檬のような青春時代。豊島さんの描く青春は、ただキラキラしたフレッシュなものではなく、高校生の等身大を微細に表現したもので、どのお話もどこか切なく懐かしいような気がした。今振り返ると小さな世界だったと思うのに、高校...
甘酸っぱく、爽やかで、若々しい、けれど鼻を掠める香りはツンと響く、檸檬のような青春時代。豊島さんの描く青春は、ただキラキラしたフレッシュなものではなく、高校生の等身大を微細に表現したもので、どのお話もどこか切なく懐かしいような気がした。今振り返ると小さな世界だったと思うのに、高校生の頃は目の前に広がるものが全てだと思い込んでいた。けれどあれは違かったんだ、自分を取り巻くものを世界の全てにできる力が若さの中にあったんだと、この本を読んでいたらそうも思えた。 2023.7.20 読了
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こんなんずるいって〜〜 ありそうな普通の話を書いているからこそ、2007年の本がこんなにも“くらう”小説になってるのかなとか思っちゃった
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