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檸檬のころ の商品レビュー

4.1

169件のお客様レビュー

  1. 5つ

    58

  2. 4つ

    59

  3. 3つ

    30

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2016/05/22

きらきら、がいっぱい出てくる。 普通の動作や感情を、普通の言葉で書いてあるのに、 すごく印象に残った。 特に、雪の降る町、春に散る花、はそんな一節で溢れている。 切ない話や青春独特の混沌とした話が多いけど、意外と笑える話もあって、一冊のバランスが取れてるので、読みやすかった。 ...

きらきら、がいっぱい出てくる。 普通の動作や感情を、普通の言葉で書いてあるのに、 すごく印象に残った。 特に、雪の降る町、春に散る花、はそんな一節で溢れている。 切ない話や青春独特の混沌とした話が多いけど、意外と笑える話もあって、一冊のバランスが取れてるので、読みやすかった。 かすっただけで、すぐ離れた。p.27 12016/05/22 09:18

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2016/03/05

16/03/05 短編集。「ジュリエット・スター」「ラブソング」「担任稼業」が好き。 「もう授業出ろ、な?」 結局それしか言えない。小嶋は短く返事をする。 「いやです」 こいつは、まるでわかっちゃいない。いやです、とか言ったって通らない日はすぐに来るんだ、お前だって俺みたく社会...

16/03/05 短編集。「ジュリエット・スター」「ラブソング」「担任稼業」が好き。 「もう授業出ろ、な?」 結局それしか言えない。小嶋は短く返事をする。 「いやです」 こいつは、まるでわかっちゃいない。いやです、とか言ったって通らない日はすぐに来るんだ、お前だって俺みたく社会人になりゃいろいろあきらめなきゃいけないんだよ。しんどくたって、逃げらんねんだよ。そろそろ、わかれ。(P230 担任稼業)

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2016/02/19

高校生が主人公の作品にありがちな、天才や異能力者やらは一切出てきません。 普通の高校生たちが抱えるうまくいかない日々が、絶妙なリアリティで描かれた連作短編集。 ほろ苦くさわやかな読後感はまさに「檸檬」。 (静内)

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2015/12/25

北高をめぐる人々(主に高校生)の、何気ない日常を切り取った物語の短編集。 ひとつひとつのエピソードが、北高を通じてリンクしていくのが面白い。 もう30にもなる自分には、「高校青春もの」の世界に入り込むのは難しく、前半は文字の表面をさらさらと撫でていただけだったが、 短編『ラブソ...

北高をめぐる人々(主に高校生)の、何気ない日常を切り取った物語の短編集。 ひとつひとつのエピソードが、北高を通じてリンクしていくのが面白い。 もう30にもなる自分には、「高校青春もの」の世界に入り込むのは難しく、前半は文字の表面をさらさらと撫でていただけだったが、 短編『ラブソング』でぐいと小説の世界に引き込まれた。 音楽に没入するあの感じ、劣等感、それを共有する異性との出会い、叶わぬ恋、ひとりよがりの恋、でも何よりも美しく透明な恋。 甘くて酸っぱくて辛い、あの感じが蘇ってきた。 恩田陸の小説にも似ている。高校、大学生のころに読んだらもっと響いていたかも。

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2015/12/24

優有です。ライナスさんからいただきました(*^-^*) 青春小説です。迷いとか、恋愛とか、友情とか。グレーな空気感とみずみずしさ。読むとぱあっと情景が思い浮かぶ文章も、素敵でした。出会えてよかった本です! 過去に映画化もされたそうです。

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2015/11/27

あ、これ知ってる、と思うところ多々あり。デジャブよりも強く、同じ感覚を知ってる。田舎の、中途半端な進学校、同級生達と適当に合わせることは出来るのにイマイチ馴染めないあの感じ。私のことなんて誰にも分からない、っていう思いあがり。感動も何もなかった卒業式。上京する前日。東京に向かう電...

あ、これ知ってる、と思うところ多々あり。デジャブよりも強く、同じ感覚を知ってる。田舎の、中途半端な進学校、同級生達と適当に合わせることは出来るのにイマイチ馴染めないあの感じ。私のことなんて誰にも分からない、っていう思いあがり。感動も何もなかった卒業式。上京する前日。東京に向かう電車。 全ては無駄ではなかったと、思えた。ありがとう。

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2017/03/08

タンポポのわたげみたいだね…女子高生のゆるい友情。ここが分かれ目みたいなピンポイントで友を救う。 金子商店の夏…弁護士を諦め商店を継ごうかという気持ちが諦めとは違う形で揺れながらもまとまっていく。 ルパンとレモン…本当は好きなのにそれを行動で表すことができないために自然消滅する恋...

タンポポのわたげみたいだね…女子高生のゆるい友情。ここが分かれ目みたいなピンポイントで友を救う。 金子商店の夏…弁護士を諦め商店を継ごうかという気持ちが諦めとは違う形で揺れながらもまとまっていく。 ルパンとレモン…本当は好きなのにそれを行動で表すことができないために自然消滅する恋愛。しかも友だちがその子に接近するジレンマ。自己犠牲が素直な気持ちの邪魔をする。 ジュリエット・スター…ロウソクが印象的だった。ロウソクのこんな利用法もあるのかと思ったが自分にはもはや関係ないのかと思うと羨ましいような寂しいような複雑な気持ち。 ラブソング…すごい歌詞が生まれる瞬間の感情の爆発が伝わってきた。そしてその歌詞を耳にした人が感情を共有する素晴らしさ。多分経験から生まれた歌詞ほど人の心を強く惹きつけるのだろう。 担任稼業…小嶋、なんともいいキャラ。目に涙をためるシーンは女の子らしくて好きだ。 雪の降る町、春に散る花…評価はこの作品。大学進学のため別れる二人、別れが迫っていることを意識しながら最後の時を共にする。誰もが必ず別れを経験する。無情な瞬間は確実にある。それでも著者の性格なのか丁寧で優しさあふれる文字が読む人を暖かく包み込む。悲しさも包まれる。

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2015/06/20

田舎の地味な学園生活と恋愛を描いた連作短編集。 ありふれた学園生活と恋愛模様ですが、登場人物の生の気持ちが浮かび上がってきて、自分がその場にいるような感覚になりました。 自分ではどうしようもない相手の感情や自分の置かれた境遇に悩む高校生の姿がとても甘酸っぱいです。 “...

田舎の地味な学園生活と恋愛を描いた連作短編集。 ありふれた学園生活と恋愛模様ですが、登場人物の生の気持ちが浮かび上がってきて、自分がその場にいるような感覚になりました。 自分ではどうしようもない相手の感情や自分の置かれた境遇に悩む高校生の姿がとても甘酸っぱいです。 “ルパンとレモン”の切なさも好きですが、“ジュエット・スター”の結末にも「そう来たか!」と正直驚き気に入っています。

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2015/06/01

高校生の時に読んで、いいなぁって思った。かよちゃんに感情移入してて、本当にかわいいなって思った!また大人になってからも読んでみよう。

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2015/05/28

20150528 ずっと気になっていた『檸檬のころ』。豊島ミホさんの小説を読むのは確か『リリイの籠』以来です。あれを読んだのは中学生の時だったから、もう6年以上は前になるのかな。中学生の頃の私にとっても『リリイの籠』はお気に入りの本でした。それは今も変わらなくて、時々読み返すこと...

20150528 ずっと気になっていた『檸檬のころ』。豊島ミホさんの小説を読むのは確か『リリイの籠』以来です。あれを読んだのは中学生の時だったから、もう6年以上は前になるのかな。中学生の頃の私にとっても『リリイの籠』はお気に入りの本でした。それは今も変わらなくて、時々読み返すこともあるくらいです。だから、私は豊島ミホさんみたいな作風が昔から好きだったのかな。多分。 一番好きなのは「雪の降る町、春に散る花」です。なんだか自分とすごく重なる、加代ちゃんが。わたしも田舎にはなにもないと思ってて、東京にはなにがあるか分からないから、東京には何でもあるんだって思ってて憧れてる。佐々木くんと東京で、東京を取った加代ちゃんは大人だなあ、と思いました。わたしが高3だったらきっとその選択は出来なかっただろうな。そう思うと同時に、彼と加代ちゃんも少し重なった。彼と佐々木くんも重なった。当時付き合っていた彼は高校卒業と同時に地元を離れて行きました。彼はわたしと同じ大学受けようだとか、近くにある大学に進もうだとか、進んで欲しいだとか、全く言わなかったなあ、と。まあ、それが当たり前のことなんだけど。今日まで、地元に残される自分のことしか考えてなかったなあ、と思いました。わたしを残して新しい世界に飛び出していく彼のこと、高3のわたしはなにも考えてなかったなあ、とすこし反省しました。 『檸檬のころ』あの時代は誰にとっても檸檬のような時間なんでしょうね。どんな冴えないと思われる高校時代だって檸檬なんだと思います。

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