変身 の商品レビュー
初嶽本野ばら先生
ありえない設定でスタート。初嶽本野ばらさんだったので。こんな感じかと読み進めていきました。なかなか人生上手く行かない感じが面白かったです。
きいろとりこ
最高に面白かったです。冴えない&売れない漫画家の星沢皇児(こうじ)は朝起きたら美青年になっていた。整形無しで美貌を手にした彼を羨ましく思う反面、いくら外見が変わっても内面が伴わないと結局うまくいかない。そんなことを考えさせてくれた。ゲロ子ちゃん永遠に推せる。
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「いつわりの功名心にぼくが関心を持ったか?愛にも、とりわけて名声にも。だがこれらは求めないのにやってきて、ぼくの許で生い立ち、それらがなしうること──つまり一つの名前をぼくに与えた。しかしそれはぼくの求めた目標ではなかったのだ。たしかにぼくはかつてはもっと高尚な目標を持っていた。...
「いつわりの功名心にぼくが関心を持ったか?愛にも、とりわけて名声にも。だがこれらは求めないのにやってきて、ぼくの許で生い立ち、それらがなしうること──つまり一つの名前をぼくに与えた。しかしそれはぼくの求めた目標ではなかったのだ。たしかにぼくはかつてはもっと高尚な目標を持っていた。だがすべては終わった」 (本作より。バイロンの詩の一節) バイロンにこんな詩があるとは知りませんでした。とても胸を衝く詩だし、本作『変身』を象徴している詩でもあるように思います。佐藤春夫の『田園の憂鬱』がブレイクの詩「病める薔薇」からインスパイアされたように、野ばらさんが本作で度々引用するバイロンの詩からも、強いこだわりと美しさを感じます。 そうです、こだわりです。本作ではこだわること、周りの人たちからは「無駄な美学」と言われてしまうような美学にこだわり続ける主人公、星沢皇児が登場しました。三十路になっても少女漫画家を夢見る不細工な男が、ある日を境に美貌、富、地位、何もかもを手に入れます。正直、あまり素直に飲み込めた内容ではありません。これではなろう小説みたいになるぞ。星沢のこだわりにさえ、序盤の方では「キツイなー」となってしまいました。 しかし、読み進めていくとどうも様子がおかしいぞ。イケメンになったはずの星沢は近づいてくる女性たちにことごとくフラれ、次第に自分の虚栄心に気が付き、「俺は何者なのだ?」「みんなは俺に何を求めている?」と、アイデンティティ・クライシスに陥ってしまう。ここ、すごくリアリティがあって、読んでいてちょっと重かった…。正宗白鳥を読んでるみたい笑。やっぱり野ばらさんの作品は、どこまでコメディーなタッチでもどこか抗いがたい貫禄みたいなのがあります。すき。 ……話がそれましたが、兎に角、序盤とは毛色の違う感情が徐々に私を呑み込んでいきます。そしてゲロ子です。何となく最後はゲロ子に戻ってくるとは予想していましたが、このゲロ子も芯のある女のコでした。野ばらさん作品をまあまあ読んできた私としては、やはりゲロ子のような、我を貫く女のコが大好きです。そして、最後にそのことにちゃんと気がつく星沢皇児も、好きになれました。 野ばらさんの美的感覚は、独特かもしれません。『鱗姫』の楼子ように極端に美を求めるキャラクターを描きながら、ゲロ子のような美しい心を持ったキャラクターも描きます。そんな野ばらさんのキャラクターたちに、私にはとても魅力を感じます。決して押し付けがましくない、けれど決然と滾る精神に圧倒される……。本作もそんな、野ばらさんらしさをとことん感じる作品の一つだったなと思います。
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普通と違うということは、それが美しいものだとしても、必ずしも価値があるものではなく、むしろそれゆえに生きづらいこともある。 自分の信じたいことを信じ続けるのは案外難しい。 社会を生き抜くにはいわゆる「普通」であることが必要で、周りに合わせることが必要で、個人の信条とか美学なん...
普通と違うということは、それが美しいものだとしても、必ずしも価値があるものではなく、むしろそれゆえに生きづらいこともある。 自分の信じたいことを信じ続けるのは案外難しい。 社会を生き抜くにはいわゆる「普通」であることが必要で、周りに合わせることが必要で、個人の信条とか美学なんて誰も興味ない。 エルドラド。コム・デ・ギャルソン。ローテローゼ。 読んでるこっちが恥ずかしくなったり、あいたたと顔を背けたくなったりする場面もあったけど、この主人公みたいに「自分」を貫ける人が羨ましい。 野ばらさんのお話に出てくる主人公たちは、みんな自分の信条を曲げないからすき。
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おもしろい、、。 ある朝、目覚めたら男前になっていた、、、。 めっちゃ笑いました。 酷い振られようですね。 初めてのデートにとしまえんで カルーセルエルドラドってのはそんなに気持ち悪いのかな、、、? 花束も。 まぁ。少しは頭沸いてんじゃないかって思うかもしれないけど。 ロマンチッ...
おもしろい、、。 ある朝、目覚めたら男前になっていた、、、。 めっちゃ笑いました。 酷い振られようですね。 初めてのデートにとしまえんで カルーセルエルドラドってのはそんなに気持ち悪いのかな、、、? 花束も。 まぁ。少しは頭沸いてんじゃないかって思うかもしれないけど。 ロマンチックで素敵じゃない?? 実際されたら引くのかもしれないけど、、、。 といいますか、星沢さん、嶽本野ばら先生自身ではないですか?! デートにジーンズはありえないとか。 考え方がそのものではないですか! いや、野ばら先生はとても素敵なので振られるなどないのでしょうが、、、。
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なんだ、これ。 カフカみたいなタイトルじゃんと思ったら、最初からそのままカフカのパロディでした。朝起きたらハンサムになってたって……まぁ虫よりかは全然良いでしょうけどね。 多分ギャグ作品なんでしょうけど、全く笑える要素がありませんでした。星沢うっとおしい。現実にこんな人がいたらた...
なんだ、これ。 カフカみたいなタイトルじゃんと思ったら、最初からそのままカフカのパロディでした。朝起きたらハンサムになってたって……まぁ虫よりかは全然良いでしょうけどね。 多分ギャグ作品なんでしょうけど、全く笑える要素がありませんでした。星沢うっとおしい。現実にこんな人がいたらたとえイケメンでもお近づきになりたくないです。ほんと独りよがりな主人公。 星沢の夢が漫画家というのもなんか気持ち悪い。人間顔じゃないよっていうことが言いたいのかもしれないけど伝わってこなかったです。むしろいい歳して漫画描いてる男ってキモイなーって思わせてくれた。嶽本さんはオタクが嫌いなんでしょうか、少なくとも好きじゃなさそうですね。 いつまでも夢追っかけてないで普通にサラリーマンしてる人が空気も読めるし協調性もあって一番素敵だよなって思わされました。よくよく考えれば人と違うことをしてそれが良いことだと思ってる人って、結構自分勝手な人間てすよね。家族のこととか考えないのかな。 とにかく本当にうっとおしい魅力のない主人公で、ほとんど流し読みでした。変身っていうか、変人だったな。 作中ではハンサムって表記だったけど、あたしのなかでは顔しか取り柄のないイケメンって感じ。残念なイケメン。
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カフカではなく。 ある意味ストイックそして変態的。 最初のCOMME des GARÇONSに傾倒しているというか心酔した様子を描写してるとこが好きだった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
美しいものが好きな俺が主人公。ある朝目覚めるとハンサムになっていた。周りの態度も大違いであっという間にデビューしてしまう。写真撮影をしたあたりでおかしいと思うが、その写真が本誌に掲載される。おかしいと訴えるもその異議は却下されてしまう。そしてマドレーヌさんと恋人になるかと思ったら、散々な事を言われてしまう。映画化もされるがとしまえんのエルドラドではなく八景島のもので撮られてしまう。不満を訴えても聞き入れてもらえず、俺はどんどん不満の海に埋もれる。結局ゲロ子こそが理想の乙女だと言う事が解かり、俺は柔道の道場に通うようになる。
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カフカの変身は読んだことがない。醜い主人公が突然美しくなる設定はおもしろいと思った。美しくなっても人生はむずかしい。
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普通に面白かった。主人公の美意識とこだわり、なんだか羨ましくも思えた。 今年のあじさいまつりでとしまえんに行ったけど、カルーセルエルドラドに乗っとけばよかったかな、とちょっと思った。
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