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真夜中の五分前(side-A) の商品レビュー

3.6

139件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    53

  3. 3つ

    42

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    2

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2012/11/14

六年前に死んだかつての恋人がそうしていたように、時計を五分遅らせ、世界と五分ズレた時間を淡々と生きる主人公。 ある日彼は、通っている公営プールで双子のかすみに出会います。 そこから世界が少し、あるいは大きく動き出す話の前編。 自分が自分であることの証明は、思ったよりも難しい。と...

六年前に死んだかつての恋人がそうしていたように、時計を五分遅らせ、世界と五分ズレた時間を淡々と生きる主人公。 ある日彼は、通っている公営プールで双子のかすみに出会います。 そこから世界が少し、あるいは大きく動き出す話の前編。 自分が自分であることの証明は、思ったよりも難しい。というか不可能なのだろうか。(東野圭吾「パラレルワールド・ラブストーリー」を思い出します) まして、自分に良く似た(似すぎた)双子のゆかりがそばにいる、かすみならその思いは尚更かもしれません。 なぜ彼は彼女じゃなくて自分を選んだのだろう。 なぜ彼は自分じゃなくて彼女を選んだのだろう。 答えの出ない問いはSide-Bへ続きます…。 真夜中の五分前。 すでにみんな新しい日を迎えているその時に、五分遅れた時計と主人公は、まだ「昨日」を持て余している。 少しだけ、でも確実にズレている時計は、ソツなくすべてをこなしているようで、どこか一線をひいている、冷たい(性格ではなく、熱量を感じさせないという意味で)主人公を象徴しているようでした。

Posted byブクログ

2012/11/14

自分と全く同じ遺伝子を持ち、性格も考え方もそっくりな双子、かすみとゆかり。 なぜ自分はかすみを好きになったのか? なぜ自分が好きになったのはかすみなのか? 自分が好きになったのは本当にかすみなのか? ーなぜ、あの人が好きになったのは私じゃなくてゆかりなの? 実際にここま...

自分と全く同じ遺伝子を持ち、性格も考え方もそっくりな双子、かすみとゆかり。 なぜ自分はかすみを好きになったのか? なぜ自分が好きになったのはかすみなのか? 自分が好きになったのは本当にかすみなのか? ーなぜ、あの人が好きになったのは私じゃなくてゆかりなの? 実際にここまで何もかもがそっくりな双子はいないのかもしれないと思いつつも引き込まれていく。 「その人を好きになる」ってどういうことなんだろう。 そんなことを考えさせられた。

Posted byブクログ

2012/09/08

主人公はいろんなものを失っている。 それを上手く描けているなと思った。 最終的には言い雰囲気で終わることができていたけれど side-Bのほうはどうなっているのか気になる。 一卵性双生児について初めて詳しく知ったけど 人類の歴史を三回やり直さないと、同じ遺伝子をもったもう一人の自...

主人公はいろんなものを失っている。 それを上手く描けているなと思った。 最終的には言い雰囲気で終わることができていたけれど side-Bのほうはどうなっているのか気になる。 一卵性双生児について初めて詳しく知ったけど 人類の歴史を三回やり直さないと、同じ遺伝子をもったもう一人の自分にはあえないのかぁ。

Posted byブクログ

2012/08/29

WILL、MOMENTに影響され読んでみることに。 一卵性双生児の彼女と主人公を中心にした恋愛の話し。 side‐Aは、過去を振り返りながら、そのまま幸せな結末へ。

Posted byブクログ

2012/08/27

自分の存在について考えさせられました。 私は「人並み」「普通」を求めてしまいがちだけど、お互いの違いを求めるかすみとゆかりを見て、「自分にしかできないこと」をしてみようと思いました。

Posted byブクログ

2012/06/25

ゆっくり、ゆっくり話が進む感じがよかった。 何もない日常的な生活の表現に、主人公が失ったものが見え隠れする。 文章を読んでると、本人が思ってる以上に失ってると感じた。 これはSide B必読だと感じました。

Posted byブクログ

2012/06/24

久しぶりに寝食忘れるほどの面白い作品に出会った。主人公の男性が「器用でそつがないけど、結局のところは中身のない女たらし」でもなんか魅力的。仕事できるし。あとかすみとプールで出会う所がすごくいい!!

Posted byブクログ

2012/06/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

(「飯を食わなかったら人は死ぬけれど、恋愛が成就しなかったくらいでは人は死なない」 「そうかしら?」とかすみさんは言った。 「恋愛が成就しなくて死んでしまう唯一の生き物が人間なんじゃない?」) アイデンティティと叶わぬ恋に悩む双子の片割れと かつて恋人を事故で亡くした広告マンの恋の話。 分類したら恋愛小説かもしれないけど、きっとそれだけじゃない。 私は双子の片割れの友達が多いけど、 10代半ばをすぎて周囲に区別がつかないほど似てる双子っているのかなー? 昔から双子の神秘にはあこがれてて、今もあこがれてます。 本田孝好の描く主人公の、シュールで冷静で瑞々しい視点が好き。 崩れ落ちるようなラストが素敵。

Posted byブクログ

2012/06/03

気持ちは星3.5です。いろいろ詰め込んだ話だなぁ。人間って感情があってすごく不自由…時に煩わしく感じ、時に愛おしく思う。だけどなくてはならないもの。気になる終わり方…次はsideB!

Posted byブクログ

2012/05/22

本多孝好の真夜中の五分前 Side Aを読みました。 広告会社に勤める僕はプールで出会った女性かすみさんから奇妙な依頼をされます。 双子の妹ゆかりさんの婚約のお祝いの品を選んでほしい、との依頼なのでした。 一卵性双生児のかすみさんとゆかりさんは、姿が同じだけでなく、ものの感じ...

本多孝好の真夜中の五分前 Side Aを読みました。 広告会社に勤める僕はプールで出会った女性かすみさんから奇妙な依頼をされます。 双子の妹ゆかりさんの婚約のお祝いの品を選んでほしい、との依頼なのでした。 一卵性双生児のかすみさんとゆかりさんは、姿が同じだけでなく、ものの感じ方や好みも同じなので、お祝いの贈り物は全然違う人に選んでほしいということなのでした。 ゆかりさんの婚約者尾崎さんは人柄のよい魅力的な男性で、かすみさんも尾崎さんに秘めた思いを持ってしまっているのでした。 しかし、「僕」とのつきあいの中で、かすみさんはだんだん「僕」への愛情を育てていくのでした。 この人の語り口は、村上春樹の若い頃の語り口に似ているように感じます。 それはこの作家が気に入っているということなのかもしれません。

Posted byブクログ