真夜中の五分前(side-A) の商品レビュー
side-A,side-Bと云う書き方にそそられて手にした。 どんな作り込みなんだろう・・って思って・・ そこには、私が今まで生きてきて、全く接点の無いストーリーが繰り広げられていた・・ そうよね、たかだか数十年の私の人生、知らない事があるのは当たり前。 私は、昔も今も、自...
side-A,side-Bと云う書き方にそそられて手にした。 どんな作り込みなんだろう・・って思って・・ そこには、私が今まで生きてきて、全く接点の無いストーリーが繰り広げられていた・・ そうよね、たかだか数十年の私の人生、知らない事があるのは当たり前。 私は、昔も今も、自分の愛に疑いを抱いた事も無いし、他人で異性の愛した人の命が消えたことも無い。 身の回りに、親しい一卵性双生児もいなかったし、姉妹で同じ人を愛した事も無い。 だからって、この物語が特別かと云えば、きっとあるだろうって思えるし・・ 主人公”僕”みたいな若者は、きっと今の世の中には多いんじゃないかと想像も出来る。 若い頃、私も私の回りにいる仲良したちも、異性に対する愛に敏感で、その人以外は何もいらない、みたいな恋愛をしていた。 それはある意味とても健全だと思える。 きっと、今は、今のスタイルの恋愛感があって、今の愛の表現方法があるのだろう。 そう云うのを、本と云う媒体を通して接すると、私はつくづく昔型の人間だと実感し、つくづくそれで良かったと思える。 そおそお、文中に、一卵性双生児は同じ遺伝子を持ち、もしあなたが同じ遺伝子を持つ人に出会うとしたら、人間が誕生してから現代まで3廻りしないと出会わない、つまりほぼ不可能・・って件がある。 それが、一卵性双生児として生まれると、当たり前のように同じ遺伝子を持つってちょっと驚く・・ だからって、ほんとに文中のように、思考も嗜好もほんとに同じなのかな・・ コントのタッチの見分け方って、目の下のほくろだって言うけど、ほくろの存在って遺伝子レベルではないんだ・・ まなかなちゃんは、ずっと二卵性だと云われていたら、実は一卵性で、本人たちも驚いたという。 あの2人は、ブラウン管を通して見ているだけでも二卵性にしては似過ぎ・・って思ってた^_^; 私らの頃は、小中学校の時、学年に1〜2組、いるかどうかだったっけ・・ 高校は8クラスあったけど、知る限りいなかった気がする・・ 私は自然妊娠だけど、上の娘を妊娠した時、最初のエコーで叔父に『双子かもよ?』って云われたが、次の検診の時には、1人になっていた。 最初のエコーが見間違いだったのか・・・? 上の娘の前後に、地元にある国立の付属小学校に、双子クラスがあったと聞いたことがある。 もし私に双子の姉妹がいたら・・? 私は自分が大好きだけど、もう1人、自分とそっくりな姉妹に、良いも悪いも目の前で見せつかれたら・・? だめだめだめ・・それはややっこし過ぎる^_^; 良いか悪いか、どっちかに転びそう・・・ で、最後になるけど、side-A,side-Bって・・一冊でも良い気がした^_^;
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恋愛小説嫌いの私なのですが、さらっと読むことが出来、もう一度読んでみたくなる物語である。(実際に二度読んだ。)読むたびに人を愛することの力強さ、痛烈さを感じる男のための数少ない恋愛小説。
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主人公が自分と同じ広告代理店で働いているという設定に引かれて買いました。 小説の主人公は基本的に語り手であることが多く、その分冷めた性格になることが多いのかな と思います。 この物語でも、一般的に人が尺度とするような価値にさほど興味が無い感じです。 そう生きれる彼を、僕は魅...
主人公が自分と同じ広告代理店で働いているという設定に引かれて買いました。 小説の主人公は基本的に語り手であることが多く、その分冷めた性格になることが多いのかな と思います。 この物語でも、一般的に人が尺度とするような価値にさほど興味が無い感じです。 そう生きれる彼を、僕は魅力的に思ってしまう。 でも、絶対そんな風にはなれない。 それも十分承知なのです。
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主人公の男は19歳のときに彼女をなくした。それから6年後。普通の会社に通う彼は週末のプールで双子の姉・かすみと出会う。双子の妹の婚約者を好きになってしまったかすみ。過去の恋に囚われる主人公。最後はかすみが彼の心を開くお話。 一番最後のクライマックスが他の文章と違うような印象を受け...
主人公の男は19歳のときに彼女をなくした。それから6年後。普通の会社に通う彼は週末のプールで双子の姉・かすみと出会う。双子の妹の婚約者を好きになってしまったかすみ。過去の恋に囚われる主人公。最後はかすみが彼の心を開くお話。 一番最後のクライマックスが他の文章と違うような印象を受けた作品でした。文章というか、登場人物が村上春樹さんの作品を思わせるけど、村上さんより読みやすいと感じました。
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【10/15】本多孝好つながりで。古書店で仕入れたまま積読されてた本。やっぱり切ない男心を描かせたら絶品だね。side-Bが気になります…
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はじめ主人公は何でこんなに斜に構えた生き方をしているのだろう・・・と思った。ある女性とのかかわりを通して止まった時間が動き出していく感覚。それが良かった。
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この人の主人公はいつも「死」を背負っている気がする。今回もそれ。恋人に死なれ、投げやりに生きてきた主人公がであった女「かすみ」。でも「かすみ」にはまったく同じ遺伝子を持つ妹「ゆかり」がいて、主人公にも見分けがつかない…というお話。あたしはだめだなあ。見分けがつかなくて「どっちでも...
この人の主人公はいつも「死」を背負っている気がする。今回もそれ。恋人に死なれ、投げやりに生きてきた主人公がであった女「かすみ」。でも「かすみ」にはまったく同じ遺伝子を持つ妹「ゆかり」がいて、主人公にも見分けがつかない…というお話。あたしはだめだなあ。見分けがつかなくて「どっちでもいい」と思う人は好きにはなれない。ってことであまり共感できず、★二つ。
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期待してなかったので、最初はこっちだけ買いました。最期の終わり方が、「あ、来る」って予想してた通りだったけど、それが気持ちよかった。
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少し遅れた時計を好んで使った恋人が、六年前に死んだ。いま、小さな広告代理店に勤める僕の時間は、あの日からずっと五分ズレたままだ。そんな僕の前に突然現れた、一卵性双生児のかすみ。彼女が秘密の恋を打ち明けたとき、現実は思いもよらぬ世界へ僕を押しやった。洒落た語りも魅力的な、side‐...
少し遅れた時計を好んで使った恋人が、六年前に死んだ。いま、小さな広告代理店に勤める僕の時間は、あの日からずっと五分ズレたままだ。そんな僕の前に突然現れた、一卵性双生児のかすみ。彼女が秘密の恋を打ち明けたとき、現実は思いもよらぬ世界へ僕を押しやった。洒落た語りも魅力的な、side‐Aから始まる新感覚の恋愛小説。偶然の出会いが運命の環を廻し、愛の奇蹟を奏で出す。
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この作者の文章は、読んでいるだけで気分がいい。特別詩的な表現をしているわけでもないのだけれど、文章が刻むリズムが心地よいのだと思う。 side-Aから読まないと、面白さが半減しますのでご注意を。
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