1,800円以上の注文で送料無料

ぼくと、ぼくらの夏 新装版 の商品レビュー

3.6

87件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    31

  3. 3つ

    30

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2023/09/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ミステリーとしては事件の骨格が、物語の中盤あたりで読めてしまう。犯人も動機もほぼ想像がついてしまい、結末もその通りになる。ミステリーとしてはどんなもんだろうか。 事件内容が内容なだけに読後感も良くない。題名から想像できるような爽やかな青春ミステリーを想像して読むとはぐらかされる。 それでも一気に読ませるのは、二人の高校生のボーイミーツーガールものとして読むと、昔々の甘酸っぱい記憶が蘇ってくるからだろうか。 あまりに恵まれ、高校生離れした春一には感情移入しにくいが、麻子の可愛さには参ってしまう。事件の内容が、こんな暗い物でなかったらもう少し楽しめたと思う。

Posted byブクログ

2023/07/01

とにかく好きな一冊。 携帯がまだなくて、高校生がタバコ吸ってたりする時代背景なのに、今読んでも古臭さを全く感じない。主人公の台詞にいちいちセンスを感じるし、文章も読みやすい。ミステリーなのに、読後はさっぱりして気持ちが良いです。題名に惹かれて購入しましたが、題名通りの内容です。

Posted byブクログ

2022/05/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前評判がよかったので読んでみたが、あまり面白くなかった。 「ぼく」の話し方がとにかく苦手で、「なんだこいつ」っていうのが始終消えなかった。 最後らへんで「ぼく」のなにかが明らか(?)になるかと思ったけど、そんなこともなく終わる。 刑事のお父さんもよくわからん。参考人、容疑者候補なのに息子の担任に惚れるのもどうかと。。 ミステリーなのかミステリー青春ものなのか、よくわからなかった。 結局「ぼく」の担任の女性教師が犯人だったけど、動機も「ふーん。そう」ってかんじのもの。 時代が昔のものだから、感覚が合わなかっただけかもしれない。

Posted byブクログ

2021/08/03

不思議な人間関係。詳細に関係性が書かれていないため、想像が膨らむ。頭の中でドラマのように映像が浮かび上がった。終わり方は好みによって分かれそう。

Posted byブクログ

2021/05/30

もう25年前の作品?確かに、作品内の高校生たちは、私とは違う感性を持ってそうだった。世代的には、私たちの上司くらいか。でも、違和感はあまりなく、するする読める。主人公のひねくれた会話が、逆に小気味いい。

Posted byブクログ

2019/08/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

夏なので、せっかくだから「夏」と名の付く作品を読もうと積み本から発掘。 刑事の父親と二人暮らしの高2の春一が、同級生の自殺の真相をクラスメイトのヤクザの娘・麻子と二人で調べていくという青春ミステリ。 会話の多いストーリー展開は読みやすく、洒落の効いた会話も気が利いている。何より好きなのは主人公の父親。不細工ではないのに、だらしなくて妻に愛想をつかされたのも頷けるほどの冴えない中年男。だけど、どこかとぼけた風情が可愛い。 ミステリ部分も、今の樋口さんの萌芽を見るようなザラっとした印象でなかなかいい。 唯一残念だったのが、肝腎の春一と麻子のカップルが好きになれなかったところ。 春一は父母が離婚したとはいえ、資産家の父と大きな屋敷に住み、バイク2台を乗り回し、友達と会うときはマックではなくレストランで食事、しかも相手の分も支払おうとする裕福さ。酒を提供するような場所にも普通に出入りし、未成年でありながら親や先生の前でも、外でも悪びれることもなくタバコを吸い、二日酔いになるまでビールを飲む姿に違和感ありまくり。いくらコンプライアンスの言葉も叫ばれていなかった昭和60年代の作品とは言え、警察官の父が未成年の息子の喫煙、飲酒をまったく何も言わず黙認か! 麻子もこの手の小説によく出るツンデレの気が強い女の子だけど、情緒不安定で、生理のイライラまで相手にぶつけるような女は嫌だわ~。 彼らとて色々と屈折した思いもありながら、結局、恵まれた坊ちゃん嬢ちゃんの夏休みの暇つぶしとしか思えなかった私は、つくづく青春小説が向いてないのだと自覚しました。

Posted byブクログ

2019/06/05

おもしろかった。 少年少女が息をするように喫煙・飲酒し、女は子どもも大人もショートパンツを履き、ディスコぐらい誰だって行くし、アドレス帳を持っていないのはおかしい世界… 途中で一度、発行年を確認、2007年。まあいいかと読み進め、解説を読んで驚きました。発表されたのは私が生まれる...

おもしろかった。 少年少女が息をするように喫煙・飲酒し、女は子どもも大人もショートパンツを履き、ディスコぐらい誰だって行くし、アドレス帳を持っていないのはおかしい世界… 途中で一度、発行年を確認、2007年。まあいいかと読み進め、解説を読んで驚きました。発表されたのは私が生まれる何年も前だ!笑 それにしては全然古さを感じない文章で、とても読みやすいです。シニカルなジョークを交えたやりとりもおもしろい。 はじめは、なぜか美人な女に好かれまくる無気力系主人公に、なんやこいつ…と思っていましたが、まあハードボイルドならしかたない。最後の最後まで彼はハードボイルドだったし。

Posted byブクログ

2019/05/27

瑞々しい青春ミステリ……と思いきや、全編を通してどこか退廃的な空気が漂っている。理由の一つはキャラクターの行動にあり、未成年でありながら、当たり前のようにビールを飲んで煙草を吸っている描写があるのが非常に良かった。それは非行的な意味合いを持って書かれていなくて、本当に自然に描かれ...

瑞々しい青春ミステリ……と思いきや、全編を通してどこか退廃的な空気が漂っている。理由の一つはキャラクターの行動にあり、未成年でありながら、当たり前のようにビールを飲んで煙草を吸っている描写があるのが非常に良かった。それは非行的な意味合いを持って書かれていなくて、本当に自然に描かれている。夏の茹だるような暑さ、陽炎のような儚さはその文体からもひしひしと感じ、読後感と相まって何とも言えない余韻を残している。やや掴み難いキャラクターや、話の重さと文体の軽さの噛み合わなさに少々戸惑うかもしれないが、それでも小説全体を通しての『夏』感は素晴らしかった。個人的には、女性キャラよりも、うだつの上がらない冴えない父親のキャラクターが素敵に思える。

Posted byブクログ

2019/05/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ハードボイルド青春ミステリー。刑事の息子とテキ屋の娘を中心に、殺人事件を解決する内容。酒とバイクとタバコと女を扱う高校生が主人公で、その親の刑事は息子に担当の殺人事件の個人情報を簡単に漏らすような人柄。それに伴って主人公が問題に首を突っ込んでいくわけだが、それ以外にも主人公が活躍したから情報が手に入るのではなく、周りから勝手に情報が提供され続けるような気持悪さがあった。問題を解決するために取る行動も裏目に出たり、あるいは無茶を感じる内容が多く、自分には合わなかったようだ。 色々違和感を感じて調べたら、30年前の作品だったらしい。年代ギャップだなコレは。逆に新しさを感じた。

Posted byブクログ

2019/03/28

一人称小説っていうだけでちょっと疲れちゃうんだけど、これはすごく読みやすかった。一人称小説だと、登場人物たちが活き活きと躍動しているように感じるが、それも書き手の実力一つなんだと思う。あっさりとした感性の主人公だから、米澤穂信の氷菓シリーズなんかの個性強めの一人称小説なんかより数...

一人称小説っていうだけでちょっと疲れちゃうんだけど、これはすごく読みやすかった。一人称小説だと、登場人物たちが活き活きと躍動しているように感じるが、それも書き手の実力一つなんだと思う。あっさりとした感性の主人公だから、米澤穂信の氷菓シリーズなんかの個性強めの一人称小説なんかより数段読みやすい。ただ、掴み所はない。共感もできないから、感情移入もできない。それよりも、お父さんが人間臭くて好きだなあ。

Posted byブクログ