ぼくと、ぼくらの夏 新装版 の商品レビュー
新潮nexか講談社タイガかといったレーベルのテイストなのだが、本作が書かれたのが遥か昔だということにまずは驚いた。昨今の青春ミステリの系譜を辿るとその根本には本作があるのではないかとすら思える。(本作の根本には小峰元の作品群があるようにも思えるが) 面白いがシンプル過ぎて食い足り...
新潮nexか講談社タイガかといったレーベルのテイストなのだが、本作が書かれたのが遥か昔だということにまずは驚いた。昨今の青春ミステリの系譜を辿るとその根本には本作があるのではないかとすら思える。(本作の根本には小峰元の作品群があるようにも思えるが) 面白いがシンプル過ぎて食い足りないと感じるのは、本作の子や孫の作品に馴染みすぎているからかな。
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1988年発表の、恋あり謎解きありの青春ハードボイルド・ミステリーで、これが樋口有介氏のデビュー作。 1988年作品といっても、1970年代作品と言われても信じてしまいそうな昭和感。SNSが普及した現代から考えると驚きの、高校生達が固定電話で連絡を取り合うというシーンは、ノスタル...
1988年発表の、恋あり謎解きありの青春ハードボイルド・ミステリーで、これが樋口有介氏のデビュー作。 1988年作品といっても、1970年代作品と言われても信じてしまいそうな昭和感。SNSが普及した現代から考えると驚きの、高校生達が固定電話で連絡を取り合うというシーンは、ノスタルジックな気分にさせられましたね。 これが『あぶない刑事』のような、映像作品だと、メイクやファッションで更に古さを感じるところですが、小説世界では、1988年に古さを感じることなく読めます。 後の作品で読んでいた主人公像が、デビュー作の時点で既に完成されていたことに驚きました。
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サクサクと読めた。ということは文章が上手いということなんだろう。 サントリーミステリー大賞読書賞授賞作。刑事の息子が主人公。いろいろと伏線のようなものもありつつ、そのまま終了《消化不良ではない》。 青春ミステリーの歴史的名作とあるが、そこまでではない。
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初めて読む作家。 夏は終わってしまったけれど、夏の作品が読みたくなって手に取りました。 一言で言うとかなり好みな文章。 ミステリーと謳ってはいるけれど、それ程ミステリ色が強いわけではなく、軽快な語り口調が読んでいて気持ち良かったです。 夏のあの気怠い感じが良く出ていて、うまい...
初めて読む作家。 夏は終わってしまったけれど、夏の作品が読みたくなって手に取りました。 一言で言うとかなり好みな文章。 ミステリーと謳ってはいるけれど、それ程ミステリ色が強いわけではなく、軽快な語り口調が読んでいて気持ち良かったです。 夏のあの気怠い感じが良く出ていて、うまいなぁと。 解説にも書いてあったけれど、古さを感じさせない一冊だと思います。 これは他の作品も読んでみなければ!
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樋口有介のデビュー作。 処女作にもかかわらず、著者独特であり、個人的に非常に好みといえるテイストが全編に漂う。 諦観と諧謔。主人公を取り巻く、バラエティに溢れた美人と変人。事件や世間に対する醒めた視点と、関係者に向けられる人情…と、主人公が高校生にも関わらず、コクのあるハードボイルドとなっている。 叙情ミステリと青春ミステリがクロスした、名作だと思う。たまらない。 5-
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小学生の娘に薦められて読んだ どう読んだのかはいろいろ気になるが確かに面白い ハードボイルドで自殺や事故に見せかけた殺人事件、全てがありがちながら主人公が日本人の高校二年生というのが特殊。当時同じ年代の自分を思い返しもあり得ない。 歳くった今はとても気持ちよく読めたが、当時読んだ...
小学生の娘に薦められて読んだ どう読んだのかはいろいろ気になるが確かに面白い ハードボイルドで自殺や事故に見せかけた殺人事件、全てがありがちながら主人公が日本人の高校二年生というのが特殊。当時同じ年代の自分を思い返しもあり得ない。 歳くった今はとても気持ちよく読めたが、当時読んだらハードボイルド気取ってたいしたことないと言ってた気がする。 こんな高校時代に憧れてたよーな…
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ミステリーとしてではなく、青春学園ものとして読むといいかもしれないが、ミステリー要素としては内容も薄く、犯人もいずれは足がついてしまいそうな手口であり浅はか。風見先生や三枝理事長がほとんど物語に登場しないのが斬新といえばそうかもしれない。 時代を感じる要素がいろいろあるが、当時高...
ミステリーとしてではなく、青春学園ものとして読むといいかもしれないが、ミステリー要素としては内容も薄く、犯人もいずれは足がついてしまいそうな手口であり浅はか。風見先生や三枝理事長がほとんど物語に登場しないのが斬新といえばそうかもしれない。 時代を感じる要素がいろいろあるが、当時高校生は先生の前でも平気でタバコを吸ったりデカいバイクを乗り回してたりお酒を飲んだりしたのかな。汚職も横行してたのかな… 台詞が多く、テンポよくサラリと読めたのが救い。
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高校生の夏。 暑い風、茹だるような、退屈で、騒がしくて。 会話が利いていて、殺人事件を扱っているけど、 どこかニヤリとする。 好きだなこの感じ。
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刑事の息子とヤクザの親分の娘との青春小説としては引き込まれましたが、ミステリー部分、特に女生徒を脅して組織売春させていたという件はあまりに非現実的で、フィクションとはいえ、馬鹿馬鹿しくなりました。もっと穏やかな事件の方が、しっくりきます。この小説の場合、事件のインパクトは必要ないと思います。
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まれに、本を読んでいる半ばで 「これは、名作に違いない」と実感することがある。 初めて乙一氏の長編を読んだときにもそう感じた。 そうなるともう、どんどん先を読みたくなるし、 「読み終わってしまうのが惜しい」気持ちもあるし、 非常にやきもきしながら至福の読書時間を過ごす(^ ^;...
まれに、本を読んでいる半ばで 「これは、名作に違いない」と実感することがある。 初めて乙一氏の長編を読んだときにもそう感じた。 そうなるともう、どんどん先を読みたくなるし、 「読み終わってしまうのが惜しい」気持ちもあるし、 非常にやきもきしながら至福の読書時間を過ごす(^ ^; 本作も、ストーリー半ばにして名作認定(^ ^ いやこれがデビュー作とは、伝説になる訳だ(^o^ 一応は「ミステリ」にカテゴライズしたが、 何というか「青春小説」的な色合いが強い。 さらに、主人公の韜晦した言動は、 中々にハードボイルドでもある(^ ^ 洒脱な会話と一筋縄では行かないキャラクター、 この魅力が全編を通して溢れ出ていて、 極端な話「謎解き」などは二の次だったりして(^ ^; 実際、途中で「あ、こいつ犯人」と分かったし(^ ^; でも、謎解きは「ミステリ」の目玉ではあろうが、 「小説」の魅力は謎解きだけでなくても良いはず。 例え謎解きが70点でも、キャラと会話が120点なら 小説として高評価を与えることは全く正しい(^ ^ 本書は、そういう性質の小説である...と思う(^ ^; 最後の最後、ヒロインが登場しないのは、 作者のダンディズムの現れなのだろうか。 「青春小説」としては、やはりロマンス的にも ハッピーエンドを期待したかった気もするが(^ ^; いや〜、とにかく楽しく読めました(^o^
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